2月10日付 編集手帳 読売新聞
{漢字は指が覚えていて、すらすら書ける人が世間にはいる。うらやましいと思う。物覚えの悪い指を持つ身は、書き取りで苦労してきた。たとえば「聴」の字は「耳に十四の心あり」、いまでも内心つぶやきながら書いている。
◆漢和辞典によれば「聴」の 旁 ( つくり ) は「まっすぐ」を意味し、〈聴く〉とはまっすぐに耳を傾けることだという。よって「十四の心」には何の根拠もないが、こちらがぴったりくる場合もある。
◆きょう、復興庁が発足する。初代復興相に就任する平野達男氏が「地元の良き相談相手、ご用聞きになる」と述べたように、被災地が何を欲しているか、声を〈聴く〉のが第一の仕事になる。
◆迅速かつ確実に要望を実現していくうえで、心配の種は「縦割り」の壁である。国家公安委員会も含めて1府12省庁、そこに復興庁を加えた計14の行政組織が「十四の心」を一つに 揃 ( そろ ) える。それができて初めて復興の司令塔は機能する。聞きっぱなしでは“ご用聞き”落第だろう。
◆この期に及んで、お役所同士の縄張り争いに憂き身をやつし、「聴」の字と似て非なる「恥」をさらすことはしない、と信じている。}
東日本大震災からの復興施策の司令塔となる復興庁が10日、正式に発足し、初代復興相に就任する平野達男復興担当相らが看板掛けを行う。設置期限は2020年度末までで、本庁、地方合わせ常駐職員約250人体制でのスタートとなる。復興関連予算の要求・配分を一元的に担うほか、被災地に規制緩和や税財政上の特例を認める復興特区、住宅の高台移転などに使える復興交付金も所管する。行政の縦割りの壁を乗り越えて、被災地の要望に聴くだけでなく、実行に移してもらいたい。
{漢字は指が覚えていて、すらすら書ける人が世間にはいる。うらやましいと思う。物覚えの悪い指を持つ身は、書き取りで苦労してきた。たとえば「聴」の字は「耳に十四の心あり」、いまでも内心つぶやきながら書いている。
◆漢和辞典によれば「聴」の 旁 ( つくり ) は「まっすぐ」を意味し、〈聴く〉とはまっすぐに耳を傾けることだという。よって「十四の心」には何の根拠もないが、こちらがぴったりくる場合もある。
◆きょう、復興庁が発足する。初代復興相に就任する平野達男氏が「地元の良き相談相手、ご用聞きになる」と述べたように、被災地が何を欲しているか、声を〈聴く〉のが第一の仕事になる。
◆迅速かつ確実に要望を実現していくうえで、心配の種は「縦割り」の壁である。国家公安委員会も含めて1府12省庁、そこに復興庁を加えた計14の行政組織が「十四の心」を一つに 揃 ( そろ ) える。それができて初めて復興の司令塔は機能する。聞きっぱなしでは“ご用聞き”落第だろう。
◆この期に及んで、お役所同士の縄張り争いに憂き身をやつし、「聴」の字と似て非なる「恥」をさらすことはしない、と信じている。}
東日本大震災からの復興施策の司令塔となる復興庁が10日、正式に発足し、初代復興相に就任する平野達男復興担当相らが看板掛けを行う。設置期限は2020年度末までで、本庁、地方合わせ常駐職員約250人体制でのスタートとなる。復興関連予算の要求・配分を一元的に担うほか、被災地に規制緩和や税財政上の特例を認める復興特区、住宅の高台移転などに使える復興交付金も所管する。行政の縦割りの壁を乗り越えて、被災地の要望に聴くだけでなく、実行に移してもらいたい。
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