ぽんのんの2

1本の花の中にも大自然。人の心の中にも大自然
人間は自然の掌の上で生かされている。不自然なことはやがて無理になってくる

童話~まばゆい魔法の小箱ヌクレア(再掲)

2016年05月18日 | メッセージ
 夢を叶えてくれる、まばゆく輝く魔法の小箱ヌクレア 

 娘は、毎日水を汲んで洗濯し、手は荒れていました。冬の水は手の切れそうなほど冷たく、台所のカマドに使う炊きつけを作るのも娘の仕事でした。積んである丸木を運んできてマサカリで細くする仕事は、楽しくもある仕事でしたが、一日中、畑の草を取ったり、畑でできた野菜を運んだり、あらゆる農作業は娘をクタクタに疲れさせました
 
 そんな時、娘はたいそう身なりのいい商人から「魔法の小箱ヌクレア」を勧められました。
「この箱は、どんなに電気を使っても減らない魔法の小箱ヌクレアですよ。この箱さえあれば、あなたは一生電気に不自由することはありません。電気は夜も昼間のように明るくして、カマドの炊き付けを作ることもなく、家の中も煤で汚れたりしない。洗濯機はボタンひとつで洗濯してくれて、あなたを暮らしの苦労から解放します。その荒れた手もきれいになりますよ。」
 娘は、そのまばゆい輝きに目を奪われ、その後に続く言葉を深く考えていませんでした。

 商人は続けていいました。「ただね、このヌクレアはウンコをするのです。とてもおそろしいもので、人間も地球も滅ぼすかもしれません。ヌクレアの出したウンコはけっして自然に還ることなく、増え続けます。でも、ご安心ください。ヌクレアのウンコは、人間には、まったくわからないようにしてありますから。まったく見えないし、匂わないし、感じないし、完璧です。一応ウンコを測る機械はあるようですが、機械なんて使う人間の気持ちひとつ、なんとでもなりますよ

 ご飯を炊くのも、洗濯をするのも電気、農作業も電気、便利な機械も電気、娘の暮しはみるみる楽になってゆき、高層ビル、リニアモーターカー 24時間眠らない都市も電気のお蔭でできました。いつの間にやら、人間は「自然の手のひら」から「電気の手のひら」で生かされていました。

 商人は訊きました 「それで電気は、どれだけあれば間に合うんだい?」
 娘は不吉を感じ「もう、いい・・」というと、娘の後ろに隠れていた父親が出てきて「もっとじゃ!もっとじゃ!ヌクレアがないと、戦いに負けてしまうのじゃ!」と鬼のような顔で喚きました。

 今、ヌクレアは地球を何百回も破壊する力をもって、その恐ろしいウンコは溢れ出ているのに、それでも、人間の欲はヌクレアを求め続けています。 ヌクレアのウンコ怖いですね

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1 コメント

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Unknown (グライセン)
2017-04-05 06:38:14
おはようございます。
足るを知る・・・人間が地球を壊す・・・に及びますね。
共感できました。
命を頂いて排泄した物をまた違う動物が頂き、命を貰い、命の循環・・・これが基本に無いと他者を思う気持ちも生まれない・・・人間は愚かだけなのかな・・・そうでないと信じたいです。

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