何遠亭

未だ之を思わざるなり、
夫れ何の遠きことか之有らん
          孔子の論語より

『2/2』 20051001(SAT)

2005年10月02日 02時04分11秒 | 映画
原作は中島みゆきさんの夜会という実験劇場の一つです。
初演も再演も観ていて、大好きなお話なので、観に行きました。
出版社に勤める莉花は、イラストレーターの矢沢と出逢い、恋に落ちる。
矢沢はある症状の為、メンタルカウンセリングを受けていた。しかし、莉花と出逢ってからはそれが治まり、
カウンセラーは「彼女との出逢いが、貴方の心に何らかの変化を与えた」と分析する。
そして、莉花にもまた、ある変化が現れて始めていた。

二人の出会い・・・他のスタッフが矢沢の原稿を汚したのに、自分から「私が謝りに行きます」って
いきなり言い出す理由がよく解らなかったです。何だか唐突過ぎて。運命だったって事でしょうか。
矢沢と恋に落ちて、莉花にもう一つの人格が現れるまで・・・二人の間には全然時間を感じられない。
矢沢は「莉花は過去について何も話してくれない」って言うけど、自分もそんな感じだし、
過去を語る程の時間を二人が過ごしていたとは思えない。
莉花がもう一つの人格に悩み、ベトナムに行く(逃げる)。
予定のホーチミン行きの飛行機が飛ばない為、タクシーで移動したら渋滞に巻き込まれて
日本行きの飛行機に乗り遅れしまう。
夜会では個人旅行でリコンファームし忘れて飛行機に乗れなくなるんだけど、
旅行会社のツアーで自分の責任じゃ無いのに飛行機に乗れないって事はあるんでしょうか
ホーチミンまでは自力で戻って下さいってツアーだったのかな・・・。
仕方なく安ホテルに泊まるけれど、そこでも幻覚に悩まされる。
親しくなった男の子と再会して、お金が欲しいからとパスポートとチケットを売ってしまうが、
そこでまた幻覚が現れてその場を逃げ出して、彷徨い歩く。
(莉花を探しにベトナムに来た矢沢とその男の子も出会うけれど、余り意味ないし。)
助けてくれた家を飛び出して、通り掛かった女の子が助けてくれたのに、そこで取った行動は?
その後、矢沢とようやく再会して、矢沢によって莉花と矢沢の過去の出来事が明かされて、
二人でそれを共有する事で癒されていく。
でも、あの女の子の家で莉花がした事は・・・?と気に掛かる。

夜会と映画の最大の違いは、莉花を癒す相手が違う事だと思います。
夜会では、確か莉花は妹で、姉の茉莉は莉花のへその緒が首に絡まって死んでしまったので、
莉花が罪悪感を持ち続けていて、見かねた茉莉が莉花を癒しに出て来る。
これが、結構ノー天気なお姉ちゃんで、無茶苦茶泣き笑いさせられたんですけどね。
結局最後まで茉莉が出てこなかったのが、(このストーリーでは確かに要らないけど)残念でした。
最後に二人を微笑んで見つめる茉莉の姿があるとよかったかな~とか思ったりして。
原作(夜会)にこだわる気持ちもあるけど、矢沢と莉花の物語としてストーリーを
描くなら、もっと描いて欲しいシーンがあったような気がします。

映画については、こんな感想ですが、
矢沢役の渡部篤郎さんはいい声ですね。
過去を告白する時の微妙に揺れるトーンに、こちらが癒してあげたくなってしまいました。
午前中に舞台挨拶があったそうで、ロビーのポスターにサインがしてありました。
ちょっと観たかったかな。



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1 コメント

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Unknown (kazenaru)
2005-10-02 15:29:18
>結局最後まで茉莉が出てこなかったのが、(このストーリーでは確かに要らないけど)残念でした。



あら、そうなんですか・・・
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