海保博之

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時間の流れの中で生きる(対談)

2017-03-20 | 認知心理学
時間の流れの中で生きる(対談)


第1 「世の中の流れ/ペース」と、「自分なりのペース」のずれが出てきたのはいつ頃

ゼンマイ時計が発明された15世紀前半頃からだと思います。
 これによって、誰もがいつでもどこでも同じ時間をもてるようになりましたが、
 一方では、自分なりの時間やペースが無視されるようになってしまいました。
 
ところで、自分なりの時間やペースというのは、時計時間とは違った、次のような
時間に従って、私達は生きているという事実があるからです。
  1)生理的時間、あるいは、体内時間です
     新生児はもっぱらこれに従って生きています。
  2)心理的時間です
     心理的に感ずる時間です。たとえば、充実していると、時間が短く感じます。
 
今の世の中は、圧倒的に時計時間で動きます。
しかし、私達は、生理的時間や心理的時間にも従って生活しています。
「自分なりのペース」というときには、
究極は、うまれたばかりの赤ちゃんの様に、生理的時間、心理的時間だけに従って生きることだと思います。

水曜日のこの時間に、「子供に急いでを言わないで」が取り上げられていましたが、
この頃から、子供は、「自分なりのペース」を「世の中のペース」にあわせることをしつけられます。大人になると、もはや「自分なりのペース」なんてどこかにいってしまいます。

それでもときおり、自分なりのペースを取り戻したいと思うような時があります。
時計時間と生理的時間、心理時間とのそごが大きくなり過ぎてしまったような時です。
締めきり、納期のようなタイムリミットがあるような仕事をしている時ですね。

現実的には、「自分なりのペースとは」、時計時間と心理的時間、生理的時間とが「適度に折り合いがついている」ことだと思います。

<お便り>>

第2 「自分のペース作り」とは、時計時間と心理的時間、生理的時間とが「適度に折り合いをつける」こととは、具体的にはどうすればよいのでしょうか。

生理的な方策と心理的な方策とがあると思います。
1)生理的な方策とは、自分なりの体内リズムをつかみ、それにあわせて仕事を調整する
 朝6時、夕方4時は、高速道路での車の事故が一番多い時間帯だそうです。体内リズムの
低下が関係しているようです。
 体内リズムには、個人差もありますから、自分なりにリズムを掴むことがまず大事です。
その上で、そのリズムにふさわしい仕事を割り付ければ、能率があがります。自分なりのペースで仕事をしている実感も持てます。

2)心理的な方策とは、仕事の内容にあわせたスケジュール作りと実行です
 好きな仕事、得意な仕事から入って一気に集中してしまう。きらいな仕事や不得手な
仕事は、小刻みスケジュールでこなすようなスケジュールに従って仕事をします。
 これらに加えて、もう一つ、おすすめがあります。
 それは、一日、1週間の中で一ケ所、「自分が主役で時間を動かすこと」を習慣化することです。
   たとえば、私は、ここ20年くらい毎朝3時に起きます。
   あるいは、土日の朝2時間は読書をする、農作業をするなど。
 これは、逆説的ですが、時計時間から解放されて、自分なりのペースを作るための
土台、あるいは、自分のペースが乱れてきたときの土台になります。


<<お便り>>
第3 長期的な自分のペースの作り方にはついてはいかがでしょうか

自分のペース作りも、今日、明日ばかりを射程においていると、結局は、時計時間にとらわれてしまいます。
1月、1年、さらには5年10年を射程においた、自分のペース作りも考えたほうが、短期的な自分ペース作りも、質のよいものになると思います。

よくよく考えると、「自分のペース作り」と言っても、それが目的ではなく手段です。
それによって、いい仕事をすることが本来の目的です。

ちょっと余談になりますが、私はこれまで編集本を何冊か作ってきました。編集本とは、
章立てを私がして、それぞれの章を適当な人に依頼して執筆してもらって作る本です。
困るのは、締めきりを過ぎても、原稿をおくってこない人です。タイムリミット感覚がない人ですね。
そんな人も2通りあります。催促に催促を重ねてやっと原稿をいただくのですが、
原稿の質があまりよくない人と、見事な原稿をくれる人とがいます。
タイムリミット感覚はないけれども、仕事の完成度、ワークリミット感覚の高い人ですね。
タイムリミットをあまり強く意識させると、こんな人の仕事の質が悪くなってしまうリスクがあります。
こんなことがありますから、なかなか難しいですね。

<<お便り>>
第4 高齢者の自分なりのペース作りについて、何かアドバイスのようなものをありますか

そうですね。私も還暦が過ぎました。もう間もなく高齢者に仲間入りをすることになりますので、ひとごとではありませんね。思い付くままに、いくつか。

1)基本としては、6ー6システムで毎日を過ごす
 朝6時から夕方6時までを活動時間、それ以外をリラックス・タイムにするのを
基本にするのでよいと思います。これが、一番、体内リズムにかなっているからです。

2)時計時間に基づいた自分なりのスケジュールで、社会との接点を作る
 時計時間の圧力から解放されたのに、また時計時間に従うのはどうも、という気持ちもあるかと思います。社会から隠遁してしまうわけではないのですから、今度は、自分が時間管理の主役になるつもりで、緩いスケジュールを作ってみたら、いかがでしょうか。
 それも、1日単位の習慣的なものと、私も書斎にありますが、10年カレンダーなどを活用した、1年先、5年先、10年先スケジュール作りもよろしいのではないでしょうか。


最後
○時間に負けない
○自分から時間に向かっていく
○時間を忘れる時間を作る

 

 


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