心の風景 認知的体験

癌闘病記
認知的体験
わかりやすい表現
ヒューマンエラー、安全
ポジティブマインド
大学教育
老人心理

認知と学習の心理学

2007-01-06 | 認知心理学
06/7/27海保  

培風館 海保博之「認知と学習の心理学ムム知の現場からの学びのガイド」07/2月頃発売


はじめにーー知の研究と知の体験の現場から

● 知の現場で働いて40年
認知の心理学、認知の科学の研究者のはしくれとして40年間働いてきた。
最初は、文字認識の研究から入り、漢字情報処理、文処理の研究を経て、実験室の外に出て、取扱説明書をわかりやすくする研究、インタフェース(人と機械の交流)の研究、さらにヒューマンエラー研究を行ってきた。
基礎研究からはじめて実践研究へという研究者としての一つの典型的な歩みであった。
ここまでを、知の生成の現場における歩みとするなら、24歳で徳島大学の助手として働かせてもらって以来、大学での教育にも携わってきた。これは、いわば、知の消費と流通の現場であった。
こうした個人的な知の生産、流通、消費の現場の中味や内幕を紹介しながら、そこから発展して自由自在に、知をめぐって論じたり、考えてみたりすることが、本書の主旨である。
テキストではない。個人的な思いを込めた「認知と学習の心理学」にしてみたつもりである。

●誰に読んでもらうか
読者対象として想定したのは、大学2年生くらい、あるいは、知の心理学ってどんなものとの興味を抱いているお隣りの専門家の方々である。
そうした読者が、本書を読んで、みずからの知と、社会における知についての関心を深めていただき、「認知と学習の心理学」の研究のネタ探しをしていただきたいと思う。本シリーズの3部で構想されている、より専門的でオーソドックスな認知心理学および学習心理学の学びへと進んでいただければ、言うことなしである。

2006年8月11日


朝倉心理学講座

2007-01-06 | 認知心理学
05/4/11海保

朝倉心理学講座 全19巻
監修者のことば

 
 現代心理学の誕生以来、1世紀余が経過した。
 大きな流れとしては、20世紀前半の行動主義から、20世紀後半での認知主義へパラダイム・シフトがある。
 そして、ここ20年の日本の心理学における大きな動きとしては、世間からの心理学への過剰なまでの期待とそれにこたえるべく用意された心理学関連の急速な制度化がある。
 その一つは、臨床心理士に代表される各種の心理の資格の整備である。ここにきて、国家資格制定の動きさえ具体化されつつある。
 2つは、大学と大学院での心理学コースの整備である。心理学部がすでに3つの大学にできたし、臨床心理士対応の大学院修士課程もすでに100校(1種指定)を越えるまでになった。しかも、いずれにも受験生が殺到している。

 こうした動きを踏まえて、このたび、全20巻にも及ぶ心理学講座を刊行することの意義は3つある。
1)心理学の全分野を網羅することで、どの分野に興味を持っている人でも、この講座にアクセスすれば、自分の求める心理学の分野の定本があるようにできる。
2)学部生が卒論のテーマの背景知識や基礎知識を知りたいときや、大学院入試のための準備に活用してもらう。
2)大学院において増加している他分野からの入学者に心理学の体系的で最先端の知識を提供する。
 
 過去、本邦における心理学書の出版は量的にも豊富であり、内容も多彩であった。しかしながら、今回の企画のような心理学全体を網羅した講座はそれほど多くはない。
 今回の講座では、全19巻、しかも、執筆者は当該分野の第一線級に限定することで、日本の心理学会にとっても、21世紀心理学の里程標ともなる企画であると自負している。

平成17年6月




全19巻(仮)

伝統的な心理学の分野 編者名を入れて全巻に
●心理学方法論 
●発達心理学 
●脳神経心理学 
●認知心理学  
●言語心理学 
●感覚知覚心理学 
●社会心理学 
●教育心理学 
●臨床心理学 
●感情心理学  


最近注目される分野 

●文化心理学 
●環境心理学 
●産業・組織心理学 
●ジェンダー心理学 
●高齢者心理学  
●思春期臨床心理学 
●看護福祉心理学 
●健康心理学 小杉正太郎・早稲田大学
●犯罪・裁判心理学