人材開発・組織開発コンサルタントZOFFY雑感

個人的関心ごとについてコメントしています。

内発的動機づけを高めることこそ、リーダーシップ

2005-08-08 13:31:06 | ビジネス・コラム
部下をマネジメントするときや教育研修プログラムを企画するとき、人を動かすための工夫が必要である。
以前書いたビジネス・コラムで、エドワード・デシの内発的動機づけを紹介した。内発的動機づけを高めたり、外発的動機づけ(金銭的な報酬などの取引条件)による内発的動機づけの低下を抑制したりするためには、自主性(自分で選択する悦び)、有能感(自分が有能であること感じる悦び)、関係性(尊敬し合える仲間と一緒に仕事をしていると感じる悦び)の3つの要素を高めるコミュニケーションをとると良いらしい。 対象者がやらされ感を感じていたり、統制的なマネジメントが行われすぎたりすると、対象者の「自主性」が阻害される。対象者に「期待しているヨ」という言葉がかけられていなかったり、「どうせ、お前じゃ、無理だろう」と思わせたりする言動が多すぎると、「有能感」を感じさせることができない。ビジョンや目標が曖昧で「この人と一緒に何かを成し遂げたい」という思いをお互いが認識し合う状況がつくられていないと「関係性」を醸成することができない。 管理職、研修企画担当やインストラクターは、これら3つの要素を対象者に感じさせるアプローチを意識しなければならない。そのためには、①自分たちが共通の認識(皆が目指す目標)を持てるような「場」を持つこと(関係性を高めること)、②その目標を達成するために各人が受け持つ役割を自覚し、役割を買って出るようにすること(自主性を高めること)、③その役割ができそうだと認識でき、それが上手にできると感じさせること(有能感を認識させること、プロ意識のようなもの)が大切である。
人を動かすためには、相手の3つの要素を高めるコミュニケーションをとることが先決である。こうしたコミュニケーションが日頃からとれている人こそ、リーダーシップ・コンピテンシーの高い人物だと私は思う。
人を伸ばす力―内発と自律のすすめ

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2 コメント

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難しいけど・・・ (lamb_labo)
2005-08-08 22:30:16
あ~、つくづく納得ですね。

でも難しい。

考えても考えても実践にあたっては悩みます。

やればやるほど、回数を踏めば踏むほど悩みます。

いつか壁が突破できる日は来るのかなあ。。。



こちらの本、読んでみたいと思います。

夏休みの宿題ということで。
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「虚妄の成果主義」から... (ZOFFY)
2005-08-09 00:43:02
ラムラボさん。コメントありがとうございます。

この本の内容は、高橋伸夫氏のベストセラー「虚妄の成果主義―日本型年功制復活のススメ」にも引用されています。内発的動機付けを抑制する成果主義人事制度は良くないという論調でした。「ユダヤ人の洋服屋」の挿話は、デシの著書「人を伸ばす力」から引用されています。
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