人材開発・組織開発コンサルタントZOFFY雑感

個人的関心ごとについてコメントしています。

モチベーション・コントロール・プログラム

2006-01-12 21:39:58 | 人材開発の仕事
2006年01月12日の~人事労務屋のつぶやき 独立編~で「リンクアンドモチベーション社」の記事が取り上げられていた。私もこの会社には注目している。同社は他にない「モチベーション」という切り口を中心に事業を展開する珍しいコンサルティング会社である。

以前、同社の「ガリレオ」というモチベーション・コントロール・プログラムを聴講したことがある。この「ガリレオ」というプログラム、大まかな流れを見ると①自己特性の理解、②コントロール可能な領域の理解、③視点の切り替えの観点の理解、⑤きっかけ活用の観点の理解、というステップで進められる。この流れをオリジナルケース(先輩社員とできの悪い後輩のケース、無人島に漂着した数名のキャラクターを元にしたケース、ブロックを使った宝探しゲームなど)を使って理解を深めていく。モチベーションを維持していくには、自分がコントロールできること(自分、未来、思考・行動など)とできないこと(他人、過去、感情・生理反応など)を見極め、自分がコントロールできる領域に意識を向けることを大切で、こうした視点の切り替えを日頃から行えるよう自身を見つめ直す必要があることを伝えていく。これをフォーカス&スイッチといい、下記の6つの道具からなる。

   ①タイムスイッチ(時間を切り換える。短期→長期など)
   ②ズームスイッチ(視界や視点を切り換える。他を見てみるなど)
   ③ロールスイッチ(立場や役割を切り換える)
   ④ゴールフォーカス(目標・目的に立ち戻る)
   ⑤チャンスフォーカス(隠されたチャンスに目を向ける)
   ⑥リスクフォーカス(やらない場合のリスクを考えてみる)

アスリートや成功者は、自分のコントロールできないことに意識を向けない。コントロールできることに意識を集中する。だからすばらしい成果を出すことができるのだそうだ。

最後の落としどころは「自分で“きっかけ”をマネジメントできるようにすることが大切」というメッセージを、リンカーンアメリカ大統領の事例で解説する。
リンカーンは、自身に不幸事があった翌年には、必ず仕事面で大きな政策を打ち出し成功を収めたという。彼は、自身の不幸事があったとき「これをきっかけに○○しよう」と決意を新たにし、不幸事を跳ね除け前進していったという。自分の気持ちをコントロールできる人は、不幸事も取りとめのない事も、何でも「きっかけ」にすることができる。そんなメッセージを伝えてこのプログラムは終了する。

仕事がらいろいろな研修プログラムを見てきている私だが、いろいろな工夫があって、コンパクトにまとまった良いプログラムという印象を持っている。入社2年目から5年目あたりの社員ターゲットとしたプログラムだが、我がグループでは中高年社員のモチベーションアップを目的とした研修として使えそうである。


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2 コメント

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TBありがとうございます。 (人事労務屋・田代)
2006-01-12 22:10:13
ZOFFYさん、こんばんは。

TB&ご紹介ありがとうございます。



勤務していた会社では入社2年目にこのプログラムを導入しました。昨年秋に実施したようですが、退職後でしたので、実際にみる機会はありませんでした。



内容をわかりやすく書いて戴いたので、彼らのプログラムのよさをここで再認識しました。私も受けたくなりました。自分でコントロールできるものだけに意識を向ける―本当に大切なことだと思います。



いつも大変すばらしい記事をありがとうございます。
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Unknown (ZOFFY)
2006-01-13 15:56:39
田代さん。こんにちは。



リンクアンドモチベーション社には、マーケティング力(事業ドメインの切り方や小笹社長自身のプロモーション)、自社で良いものを作ろうという意欲など、自分自身参考にしたいなぁと思うことが多く、注目しています。



また、同社に関する記事、楽しみにしています。
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