hiyamizu's blog

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ナージャ・サレルノ=ソネンバーグ『ナージャ わが道をゆく』を読む

2017年05月15日 | 読書2

 

ナージャ・サレルノ=ソネンバーグ著、麻生九美訳『ナージャ わが道をゆく』(1995年8月15日晶文社発行)を読んだ。

 

表紙裏にはこうある。

もし音楽に恋してしまったら、ぼんやりなんかしていられない。毎日が挑戦なのだ―。

きらめく才能と個性あふれる演奏で、クラシック界に旋風をまきおこしたナージャ。パンツ姿で舞台に登場し、指揮までしてしまう型やぶりな魅力で聴衆を魅了する。

ピアノ教師の母、オペラ好きの祖父のもと、貧しくも心豊かな幼き日々。名門音楽院でのじゃじゃ馬ぶり。楽器に触れることさえできなかった長く辛いスランプ。しかし、国際コンクールで見事に優勝をかちとる…。

いくつもの壁をのりこえ、自分のスタイルを貫いてきた、いま最もブリリアントなヴァイオリニストが語る「私の音楽人生」。

 

 この本は、著者が28歳のときの聞き書きによる自伝で、「NADJA On My Way」(1989年出版Crown Publishers)の翻訳だ。

 

この本は、鶴我裕子の本(『バイオリニストは目が赤い』 or『バイオリニストに花束を』)の中で紹介されていた。

 

訳者あとがきによれば、ナージャ・サレルノ=ソネンバーグは、日本での評判も「クラシック界の異端児」、「自由奔放」、「型やぶり」との評価で、「このごろは(演奏が)みな同じに聴こえる。ところがナージャの演奏は、音を聴けばすぐナージャだとわかる」と言われるという。ナージャ自身も、教えられたとおりに作品を演奏しようなんて思わない、・・・権威者がいうことに即座にしたがうようなことはしない、と語っている。

 

 

ヴァイオリンという楽器を発明したのがどういう人なのか知らないけど、たぶんその人物が、拷問台も、中国の水責めも、虫歯もというぐあいに、かんべんしてほしいものをつぎつぎと発明していったんだろう。ヴァイオリンは堅い木でできているから、首筋にアザができる。・・・何もかもが不自然で、きもちがよくなくて、やっかいで、優雅じゃない。

 

今までの人生で、わたしは理屈が通らないことにがまんしたことは一度もない。

(こう言い切れる人ってスゴイ! 私なんて・・・・・・、長くなるから止める。ナージャは理屈が通っていることでもあくまで抵抗するんだから、お友達にはしたくない)

 

・・・七か月もの長いあいだ、わたしはヴァイオリンを弾くのをやめた。(弾くことができなかった)人生最悪のときだった。

・・・

・・・自分が持っているものを残らず注ぎ込んだのに、「残念でした。あなたは何か他のことをしなさい」といわれるのはとてもつらい。

 まだ小さかったとき、バレエのクラスで、わたしはそのことに向き合わなければならなかった。

・・・

1981年のW・ナウムバーク国際ヴァイオリン・コンクールが二カ月後に迫っていた。

  そして、世捨て人になり、驚異的ハードな練習を重ね、そして、優勝した。

 

コンクールで一位にならなくたって、一流のキャリアを積む方法もまちがいなくある。その一方で、すごく有名なコンクールで一位になったのに、ゆっくりと無名の演奏家になっていく人も大勢いる。

 わたしは「勝ち抜く熱意」というものを固く信じている。気力があれば、そしてすばらしい才能があればその人は成功するだろう。

 

 

ナージャ・サレルノ=ソネンバーグ(Nadja Salerno-Sonnenberg)

1961年ローマ生まれ。8歳で家族と米国ニュージャージー州に移住。

カーティス音楽学校、ジュリアード音楽学校でドロシー・ディレイに師事。

1981年史上最年少でニューヨーク・ナウムバーグ国際バイオリン・コンクールで優勝。

個性あふれる情熱的バイオリニストとしてコンサート、レコーディング、テレビ出演と活躍。

 

 

麻生九美(あそう・くみ)

1946年東京生まれ。翻訳家。早稲田大学卒業。

訳書、ローフス『子どもたちにとって死とは?』(晶文社)、アリソン ルーリー『永遠の少年少女―アンデルセンからハリー・ポッターまで』、カルロ・フェルトリネッリ『フェルトリネッリ イタリアの革命的出版社』、ジェイムズスティーブンソン( 文・ 絵)『モンティー』(評論社)など。

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