hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

伊坂幸太郎「グラスホッパー」を読む

2009年06月07日 | 読書2

伊坂幸太郎著「グラスホッパー」2007年6月発行、角川文庫を読んだ。

この本は、2004年7月に角川書店から刊行された単行本に加筆・修正し、文庫化したものだ。



3人がそれぞれ語り手になる。

元教師の「鈴木」は、妻を殺した男に復讐するため「令嬢」という組織にもぐりこむ。しかし、敵が車に轢かれる瞬間を目撃する。「押し屋」と呼ばれる殺し屋の仕業らしい。「鈴木」は彼の後を追う。

身長190cm以上の「鯨」は、狙った相手を自殺させる殺し屋だが、過去に殺した32人の亡霊に悩まされる。「押し屋」を殺してすべてを清算しようとする。

うるさくしゃべりまくるナイフ使いの蝉も、「押し屋」を殺して名を上げようとする。

風変わりな個性的な殺し屋が入り乱れ、「押し屋」を追いつめる。



この本に関する著者へのインタビュー(2004年6月)がwebKADOKAWAに載っている。

「僕の好みとして、強い人が何人か出てきて、彼と彼が戦ったらどっちが強いんだろうっていう「ワクワク感」が昔から好きなんです。」と伊坂幸太郎は語っている。




私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)

ストーリー展開は軽快だし、セリフのやりとりは、軽妙で、ユーモアに満ちている。人物のキャラは十分立っていて、それぞれの、ぼやき、反発などのセリフはハードボイルド風で生き生きとシャレている。

確かに新しげなミステリー小説といえようが、細かいところは強引な設定があり、「まあ良いじゃん」とそのまま進む雰囲気があり、完成度からいってこの作品が直木賞候補になるには疑問がある。
この筆力、会話力ある作者には、若干オフザケを抑えて、本格物を書いてもらいたいものだ。

 


伊坂幸太郎の履歴&既読本リスト

コメント
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