ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

神に、好かれそうなタイプ

2011-05-22 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
鹿に跨る能子「お弁当…」を手に持っていた。
義経「弁当ぉ?頼んでねぇ…」と、能子を睨んで「よ、義隆!?」も一緒に…乗っていた。
義隆「ムスッ」とした顔で黙って…スネていた。
能子「登山したいんだって。ヨッ」ストン、と鹿角君から降りた。
義経「ピクニックに行くんじゃねぇんだぞ」と能子を叱ったら、
義隆「…いつも、のけもんにして…」ブスッ…した。
義経「う゛…」
能子「お弁当…皆で、作ったんだよね。それに、鹿角君が一緒なら平気でしょ」
その様子を、じぃ…と見ていた、志津「アンタ、も…登ンかい?」と訝しい顔して、聞いた。
能子「いえ、私はお見送りです」ブンブン!と大きく右手を振った。
志津「ふぅ…ん?」能子の顎をつまみ、くいッくいッと左右に90度を向き変えて「似てる…」
義経「俺の妹だ」
能子「は、初めまして。私、妹の能子(よりこ)です」とご挨拶。
志津「アンタの妹の割には品がある」と能子の姿 格好 身なりを繁々見つめ、義経を疑った。
義経「悪かったな…品の悪い山寺育ちで。こいつとは、お育ちが違うんだよ」
志津「ふぅん。で…」チラッ見て、鹿に跨る「こっちの僕ちゃんは…?」
義隆「源 義隆…です」と名前だけ…答えた。
志津「アンタたち…鹿嶋の神に、好かれそうなタイプだね」ニヤッと笑った。
能子「え…?鹿嶋の神様?」キョ…トンとした顔したから、
義経「鹿に乗った、地震の神さんだ。お前みたいに自信の無さそうな奴が好きなんだよ。それより…」義隆に向かって「朝練は?」と聞いた。
義隆「…帰ったら、バイ…する」
義経「倍じゃ足りねぇ。与一に、三倍、お願いしますって頭下げろ…」と登山許可を出した。
能子「おしッ」と匠に「行ってらっしゃいッ!」とお弁当を手渡したら、
匠「え?」とびっくり、面食らって、反射的に左手で受け取って…しまった!と思った。
義経「!?」
能子「サウスポー…なの」
匠「さ…」と視線を外し、右腕を上げて出陣の掛け声「エイエイ、オーッ」と言ったから、
義経「シッ」と人差し指を口に当て「ボリューム下げろッ!」と小声でデカイ声を注意した。
能子「クスッ」と笑って、義隆に「よかったね」とグーなポーズで、ウインクした。