ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

修験開祖の白髭のじーさん

2010-11-19 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
どっかのじじぃが伸びきっていた。きゅ…ん、と。
河合「お、おい、じーさん、大丈夫か?」と声を掛けても返答なし。しかし、息はあるから生きている。じじぃの額に八角頭巾(ときん)をしている所を見ると…、
義経「ここの山伏か?鳥海山って修験の山なん?」火山で霊力火力は在りそうだが…、
河合「確か…遠い昔、かの有名な役行者(蔵王権現 修験開祖)も弘法大師(真言密教開祖)様も円仁さん(その弟子、立石寺開祖)も登ったらしいぞ」
義経「へぇーへぇー、そうなん?佐伯さんもぉ?どこの山でも登る人だな…」ただの書道家でただならぬ登山家なんだぁ。佐伯さんって。ふぅん。そうぉ。
河合「…このじーさん、ここにほって置くわけにいかねぇな」手当てしないと。
義経「よし。じゃ、負んぶして山小屋までLet’s Goだ!ほれ、河合さん」負んぶ!負んぶ!
河合「俺がぁ?」
義経「俺がするのか?どう見たって子供(義経 148cm)が白髭ご老体背負う形になる。ヤだ!」
俺、弁当持っているし、こっちのちっこい赤鬼を抓んで持ってく。ひょいっと首根っこ掴んで持ち上げた。ぷらんぷらんとちょっと揺すってみたけど、起きない。完全伸びてら…。
河合「…ちぇっ」どうせなら女子を負んぶしたいなぁとブツクサ言いながら、白髭のサンタクロースには程遠い貧相な顔の貧乏神っぽいじじぃをひょいと背負った。
とり憑かれたくない有り難味の全く感じられないじじぃだよ…。ヤダヤダ。
義経「ま、そういうなって。そうそう幸福の女神には出会えないって。そうだ!ほれ」と懐から取り出したのは、瑠璃のバックからこっそりくすねていたお面と佐伯さんお手製の蜂蜜梅飴で軽症の青鬼くんにあげた。(90ページほど前 参照)
河合「それ、瑠璃姫の…」メーテル面じゃねぇ!?
義経「あぁ。あいつ、機嫌と調子が悪くなるとすぐお面被るから没収した」今頃、あたふたしてんじゃね?顔色隠せねぇって、真っ青になった瑠璃の顔が眼に浮かぶ。ひひっ。
河合「…しらねぇぞ、後どうなっても…」気功で飛ばされっぞ。
義経「大丈夫。もう見切った。同じ手、二度はくわん。ほれ、河合さんも」飴をあげた。
青鬼「けけ♪」と飴に喜んで、じじぃのモノと思われる登山ステッキの元祖 木杖をひょいと持ち上げ、義経の後から着いて来た。
ちなみに、この木製ステッキはいつしか金属製になり、金剛杖と呼ばれる様になった。
それより、岩石投げられ地面に叩きつけられ、有らぬ因縁付けられたことすっかり忘れている青鬼くんだった。