ジャンから奥穂へ向けての縦走は初めてとなる。
嬉しいような、それでもちょっと緊張を強いられるような思いだ。
ジャンの側壁をトラバースした。
なんか変な感じだった。
新鮮であるような気もするのだが、ぎこちないトラバースでもあった。
AM君が後からついてきた。
技術的には問題はないだろう。
強いて不安を言えば、ジャンのてっぺんでリラックスし過ぎてしまった感があり、気持ちを完全にリセットできているかどうかだろう・・・。
ロバの耳の岩壁を下る。
やはり復路の方がやや難しいような気もしたが、それは初めての逆ルートであることも理由の一つだと感じた。
AM君が来るのを待った。
大丈夫のようだ。気の緩みは無い。
ロバから馬の背に向かう途中の上りで、ほんの僅かな区間だったがルートを間違えてしまった。
本来のルートよりも数メートル左側の岩壁を登ってしまった。
上りながら思ったことは「なんかやたら小さい浮き石が多いなぁ。まぁこんな感じだろうし、このまま上まで行けそうだし・・・。」
そう思っているとAM君から一言。
「○○さ~ん、たぶんルートこっちだと思いま~す。」
名前を呼ばれてその方角を見ると、確かにペンキによる印が見えた。
「あっ、やばい。どうりで浮き石だらけだと思ったよ。まぁ行けそうだから行ってみるよ。」
本来であればすぐに正式なルートへと戻らなければならない。
わかってはいたが、「行けそうだから」という勝手な思い込みでそのまま登ってしまった。
結果として何事も起きなかったが、決してほめられた行動ではない。
悪い意味での「慣れ」が出てしまった。
馬の背の登り口へと着いた。
「へぇ~、見上げてみると結構な急登攀なんだなぁ・・・」
「何度来ててもやっぱり逆って違いますか?」
「そうだねぇ、さっきのロバの耳なんてどうにも動きがぎこちなくて・・・」
それでも上りの方が幾分楽なようにも思えた。
いたってスムーズな上りで馬の背を攻めた。
風に煽られながらのナイフリッジは、なんど経験しても緊張する。
ここでAM君が来るのを待つことにした。
あまり間隔を開けすぎないこともペアを組んだ時の重要なポイントとなる。
彼の動き、技術を見ながら思った。
「これなら劔岳も問題ない。よっしゃ、来年の夏は一緒にタテバイヨコバイかな。」
奥穂に戻ってきた。
「腹減ったなぁ」
「いやぁかなり空いてきました。」
「小屋に着いたら何かたべようか?」
「いいっすね!」
最も危険な地帯を越え、ホッと安心した後はどうしても腹が減る。
美味い珈琲も飲みたくなった。
嬉しいような、それでもちょっと緊張を強いられるような思いだ。
ジャンの側壁をトラバースした。
なんか変な感じだった。
新鮮であるような気もするのだが、ぎこちないトラバースでもあった。
AM君が後からついてきた。
技術的には問題はないだろう。
強いて不安を言えば、ジャンのてっぺんでリラックスし過ぎてしまった感があり、気持ちを完全にリセットできているかどうかだろう・・・。
ロバの耳の岩壁を下る。
やはり復路の方がやや難しいような気もしたが、それは初めての逆ルートであることも理由の一つだと感じた。
AM君が来るのを待った。
大丈夫のようだ。気の緩みは無い。
ロバから馬の背に向かう途中の上りで、ほんの僅かな区間だったがルートを間違えてしまった。
本来のルートよりも数メートル左側の岩壁を登ってしまった。
上りながら思ったことは「なんかやたら小さい浮き石が多いなぁ。まぁこんな感じだろうし、このまま上まで行けそうだし・・・。」
そう思っているとAM君から一言。
「○○さ~ん、たぶんルートこっちだと思いま~す。」
名前を呼ばれてその方角を見ると、確かにペンキによる印が見えた。
「あっ、やばい。どうりで浮き石だらけだと思ったよ。まぁ行けそうだから行ってみるよ。」
本来であればすぐに正式なルートへと戻らなければならない。
わかってはいたが、「行けそうだから」という勝手な思い込みでそのまま登ってしまった。
結果として何事も起きなかったが、決してほめられた行動ではない。
悪い意味での「慣れ」が出てしまった。
馬の背の登り口へと着いた。
「へぇ~、見上げてみると結構な急登攀なんだなぁ・・・」
「何度来ててもやっぱり逆って違いますか?」
「そうだねぇ、さっきのロバの耳なんてどうにも動きがぎこちなくて・・・」
それでも上りの方が幾分楽なようにも思えた。
いたってスムーズな上りで馬の背を攻めた。
風に煽られながらのナイフリッジは、なんど経験しても緊張する。
ここでAM君が来るのを待つことにした。
あまり間隔を開けすぎないこともペアを組んだ時の重要なポイントとなる。
彼の動き、技術を見ながら思った。
「これなら劔岳も問題ない。よっしゃ、来年の夏は一緒にタテバイヨコバイかな。」
奥穂に戻ってきた。
「腹減ったなぁ」
「いやぁかなり空いてきました。」
「小屋に着いたら何かたべようか?」
「いいっすね!」
最も危険な地帯を越え、ホッと安心した後はどうしても腹が減る。
美味い珈琲も飲みたくなった。