ひとり旅への憧憬

気ままに、憧れを自由に。
そしてあるがままに旅の思い出を書いてみたい。
愛する山、そしてちょっとだけサッカーも♪

赤岳と横岳:まだまだ寒い夜

2017年06月09日 23時38分33秒 | Weblog
直線的なナイフリッジを過ぎ、北側(右側)へと急斜面を下った。
この先僅かに階段が雪面から顔を覗かせてはいたが、この階段を下れば確かシリセードで一気に樹林帯まで下りることができたはずだ。


二年ぶりのこのコースだが、「えっ、こんなに急だったか?」と思える程の斜度に見えた。
それでも毎回ここでシリセードで下ってはいたはずだ。
「おっしゃぁ! 一気に行くけど、加速には気をつけて。行けるところまでと思っているその手前で止まることが安全だから。」
と言って先に滑り降りた。
後からAM君が下りてくる。
すこし歩いて今度は樹林帯の中でのシリセードとなった。
「今度は加速してしまうと木に激突してしまうから、さっき以上に無理は禁物だよ。短めの距離を何回か繰り返した方が安全だから。」

この二回のシリセードのおかげで一気に時間と距離を短縮することができた。
行者小屋までもうすぐだ。

テント場に着いたのは17時頃になってしまっていた。
すぐに夕食の準備に取りかからねばならない。
今夜のメニューは・・・と言うより、今夜も「鍋」だ。
冬の定番と言えば「キムチ鍋」だが、今シーズンは未だキムチ味を食べてはいない。
コッヘルの大きさは十分なのだが、さすがに最初に入れた時の野菜ははみ出してしまいそうだった(笑)。

ニラ、エノキ、白菜の三種だけだが、空腹には最高に美味い!
第一弾の野菜キムチ鍋を食べ、いよいよ第二弾の「肉」だ。


キムチ鍋の場合は豚バラ肉が定番らしいが、今夜はちょっと贅沢にロース肉をチョイス。
購入してからほぼ丸一日が経過してはいるが、天然の冷蔵庫のおかげで新鮮そのものだ。
ロース肉、そして水餃子を一緒に煮込んでいただきま~す♪
肉も美味いが、何と言っても冷え切った体の中にキムチの辛さがしみ渡り、少し汗をかく程となった。
季節は3月の後半。
下界ではもう桜の開花予想がそこここで聞こえてきているが、ここはまだ明らかに冬。
厳冬期ではないにせよ、氷点下の世界だ。

鍋の〆はやっぱり雑炊ね♪
「キムチ味」に「マイルド豆乳味」をミックスし味に変化をつけた。
これはこの冬何度か実践してみた雪山料理の経験から得たとっておきの味付けだ。
美味い! 実に美味い!
体は十分に暖まってくれているだけに、落ち着いて食べることができた。

食後に珈琲を飲みながら明日の縦走予定ルートを地図で確認した。
天候は決して良くはないが、降雪になるほどではない。
問題は「風」だ。

コース上の危険ポイントの数では、今日以上になることは間違いない。
そこに強風が加われば決して無理はできないコースだ。
もちろん「赤岩の頭」付近での雪崩にも注意が必要となる。
自分自身にのしかかってくる責任も今日以上となるだろう。
「楽しみたい」しかし、やるべきことをしっかりとやらなければリスクはあまりにも大きい。
「明日は、今日以上に冷静さが必要かな・・・。でも楽しもうよ!」
そう言って一服をしに二人で外へと出た。
とんでもない寒さが襲ってきた。
せっかく暖まった体が急激に冷えてきた。
「う~~さっみぃ~。 じゃぁ明日は5時スタートね。」

星は見えてはいなかったが、明日は風が穏やかであることを祈るばかりだった。

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