研究授業(10)

2012-09-23 | 研究授業への思い
研究授業を構想する際、

自分がついついやりがちだったのが
構想の初期段階で
======================
「さぁ、どの場面を見せようかなぁ・・・」
「どの場面がやりやすいかなぁ・・・」
「どんな提案をしようかなぁ・・・」
======================

と思ってしまうことでした。

それはやはり違うと気づいたのは、
(恥ずかしながら)ここ数年のことでした・・・。

今は、
指導案前段部分に書く通り、やはり最初は
「児童の実態」から考えます。

そして、そのナマの実態を捉えた上で、
「この子どもたちに、
 この単元でつけなくてはならない力はなにか?」
と、じっくり考えた上で、指導構想を立てていきます。
もちろん、研究授業ですから、与えられた研究主題とも
しっかりリンクさせて考えていきます。

数年前の自分は
ーーーーーーーーーーーーーー
「華やかな授業を見せよう」
「授業技術を提案しよう」
ーーーーーーーーーーーーーー
という傲慢な気持ちでいました。

20代のときなどは、
研究授業は「教師の腕自慢の場」とも錯覚していました。

もちろん子どもたちにも力をつけさせようとは強く強く
思っていましたが、やはり冒頭に書いた、


======================
いきなり、
「さぁ、どの場面を見せようかなぁ・・・」
「どの場面がやりやすいかなぁ・・・」
「どんな提案をしようかなぁ・・・」
======================

という気持ちが強かった事は事実でした。

そんな中、

「児童の実態を受けて」
「子どもたちに力をつける」

という意識で授業構想を立てるようになってから、
自分の授業は、どんどんとシンプルになっていきました。

授業の中で、(あくまでも)余計な「エゴ」が、
そぎおとされていったのかもしれません。

(シンプルになった気がしたのは自分の中でだけで、
 客観的に見ると、
 まだまだまだまだゴテゴテしているのですが・・・)



コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

研究授業(9)

2012-09-18 | 研究授業への思い
過去、
多いときは1年の中で5回研究授業をしたことがありました。
(もっとやられている方が、周りにはたくさんいらっしゃるのですが・・・)

これまで平均するとだいたい1年に3、4回のペースで
研究授業を行ってきました。

ただ、ここ数年は、1回、多くて2回というところです。

過去、さまざまな研究授業を行うことで、
自分自身は(ちょっぴりながらも)
力をつけてこれたと思っています。

しかし、やはりこの回数が減ると、成長のペースも落ちます。
正直焦ります。

先輩教師の中には
========================
「毎日自分は日々の授業をとおして研究している。
 だから研究授業は必要ない!」
=========================
とおっしゃられる方がいます。

でも、自分はそこまでの意思の強さがないので(涙)、
そのかわり
(不定期ですが)
授業の板書をwebにアップしています。


拙い授業をさらす事で、
自身の授業に緊張感が生まれます。
また、見た方から率直な意見をいただけます。

研究授業には全く及びませんが、
それでも「自身の授業を振り返る」という意識や
「見られている」という緊張感を
(無理矢理)自分自身に持たせることができます。

野口先生の話される「他律的自律」が
自分の場合は、「板書写真のアップ」になっています。

自己満足に過ぎないかもしれませんが、
これからも続けていこうと思っています。
(毎日やれば本物なのでしょうが、そこは自分の意思の弱さ・・・
 「写真を撮る」「アップする」という手間が、眠気に負けてしまいます・・・)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

研究授業(8)

2012-09-17 | 研究授業への思い
教育実習の時、
私は社会科で研究授業を行いました。
今も忘れません「火事」の単元です。

とにかくひどい授業で、
事後研ではたくさんのことを
ご指導、ご指摘いただきました。

褒められるところなどないよなぁと凹んでいたら、
唯一褒められたことがありました。

それは
=================
早く終わってしまった授業を
さっと切り上げた事
==================
でした。

教材研究不足により、
40分で全てを終えてしまったのです。
スカスカの授業でした。

あと5分・・・どうしよう。。
余計な事をやろうかなぁ?とも思いましたが、
やっぱりやめて授業を終了させました。

そこを褒めていただいたのです。

「時間内にしっかり授業を終えた」

初の研究授業で、この褒め言葉をいただいたことが
今の自分自身にも強い影響を与えています。

ですから研究授業に限らず、私はチャイム前に終了
もしくはチャイムがなったら
1分以内に授業は終了しようと心がけています。

研究授業はもっとシビアです。
あの原体験もあり、とにかく時間で切るようにしています。


昨年度、市の一斉研で社会科授業を提供したときのことです。
最後の「まとめ」に取り組ませようとした瞬間に
チャイムが鳴ってしまいました。
=======================
「あと5分あれば・・・(まとめができる)」
=======================
という考えも一瞬頭をよぎりました。
しかし、やっぱり45分で切りました。

案の定、「まとめ」をさせないことについて、
事後研で指摘されました。

「問題解決的な学習過程」についての提案をメインにしていたので、
「まとめ」まで行えなかったのは致命的なミスでした。

でも、その致命的なミスを取り上げていただくことで、
============================
「なぜまとめまでたどり着けなかったのか?」
「授業に無駄な部分があったのはどこか?」
============================

というように、自分の授業の問題点が研究会でより焦点化されました。

5分オーバーして、まとめまでたどり着いていれば、
自分の授業の欠点は明確にならなかったかもしれません。
それでは勉強になりません。


結局、自身の授業構想や子どもへの対応に問題があったから、
「まとめ」まで行けなかったのです。
授業技量の高い先生であれば、45分で終了させていたのです。

===============================
・授業時間をオーバーしてでも、しっかり教えるべき事は教える!
・45分の授業時間はしっかり守る!
===============================
どちらの考えも重要であると思います。
先ほどの例で言えば「まとめ」の姿を提示することも
授業研としては大切だったと思います。

ただ、やはり自分は後者のほうを意識してしまいます。


もちろん、その日にできなかった「まとめ」は
後日、子どもたちにしっかりと行わせました。





コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

研究授業(7)

2012-09-17 | 研究授業への思い
30代になると、研究会では
いろいろな質問をするようになりました。
しかし、それは今考えると
「自己満足」的なものが非常に多かったような気がします。

例えば、社会科の授業であれば
=======================
社会科の言語活動である「解釈」という活動を
どう捉えて授業されたのですか?
=======================
指導案に明記されてあった”概念的知識”について
6年の歴史の授業においては
どのように考えられておられますか?
=======================

などのような質問です。

たまたま自分が知っていた、もしくは勉強していた
専門的な領域の用語を、
得意げにしゃべっていたのです。

これは授業者と自分の、一対一の対話になってしまい、
周りは「何を言っているんだ?」
という雰囲気になりました。

こんな個人的な質問は、本来授業が終わった後、
授業者の方に労いの言葉をかけながら、お聞きすれば良い事です。

自己満足に過ぎない質問は控える・・
その過ちに気づいてから、研究会での発言内容が変わってきました。

=========================
周りにも「学び」が広がる
価値のある答えを引き出す質問をしよう
=========================
と心がけるようになりました。


例えば、
=========================
(小中連携で授業をされた先生に対して)
「小中学校で、お互い授業を参観された際、
 校種の違いで驚かれた事はなんですか?」

「授業で活用された絵資料の扱いについては、
 本日の流し方以外にもいろいろ考えられたと思うのですが、
 どのような構想を他にお持ちでしたか?」

「研究主題の”討論”までもっていくために、
 単元計画の中でどのような工夫をされたのですか?」


「とても構造的な板書に感動したのですが、
 児童の思考をどのようにまとめようと
 いつもこころがけていらっしゃるのですか?」
=========================

「授業者の授業力を、向上させてあげよう」
「自分の知識を、見せつけさせよう」
といった不遜な考え方ではなく、
==========================
如何にこの研究会で参会者全体の学びを深めるか?
==========================
ということを意識するようになりました。

そのような意識のもと質問をすると、授業者の方は、笑顔で
自分の考えを話してくださるのでした。

そして参会者の方々がうなずいたり、メモをとったりする姿が
目に入るようになりました。

独りよがりの質問を繰り返していたころには
全く見られない光景でした。


ただし、やはり本当に授業の中で気になって、
全体の場で確認した方がいいと思った項目については
当然質問しました。
また、協議の柱に沿って、自分の質疑は妥当かどうかも
毎回確認をしていました。



コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

研究授業(6)

2012-09-17 | 研究授業への思い
20代の頃、
研究授業&事後研に参加したときはいつも
===========
「代案・対案を出す」
===========

ということに情熱を燃やしていました。

==================
「ここはちがうのではないか?」
「自分ならこうする」
「こうやってみたらどうか?」
==================


代案、対案を出す事は(もちろん!)とても大切です。
しかし、自分の場合は、
授業技量も低い、未熟な教師のくせに
生意気にも一丁前のことをしゃべった気になっていました。

授業者の方には、
ピント外れなことばかりで
大変失礼な事を言ってきたかもしれません。
そう思うと、とても申し訳ない気持ちになります。

ただ、そういう機会をとおしたからこそ、
おかげさまで「授業を見る目」を
少しずつ養うことができたのだと思います。

このように、20代のころは、
自信の若気のいたりについて
周りの先生方に、たくさん目をつぶっていただきました。

「大切に育てていただいたのだなぁ・・・」
ということを痛感するばかりです。


30代になると、
なぜか(?)「質問」が多くなりました。

=========================
「その授業行為の『意図』はなにか?」
どんな力を子どもたちにつけさせたかったのか?
扱った学習用語を授業者自身がどう捉えているのか?
=========================


ときには重箱の隅をつつくような質問もしてしまい、
(そのときには、そんなことを意識してもいなかったのですが・・・)
あとで落ち込んだこともありました。

心のどこかで
「おれはここまで知っているんだぞ」
「自分自身をよく見せたい」
という意識があったのだと思います。

でも、ある日、ふと思いました。

==============================
個人的な質問は、研究会が終わってから
授業者の方に直接お伺いすればいい。
自分の無駄な質問で、参観者の貴重な時間を奪ってはならない。
発言をするのなら「意味のある」「価値のある」
ものにしなければ・・・
==============================

そこから、自分の研究会への向き合い方が変わってきました。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

研究授業(5)

2012-09-16 | 研究授業への思い
初任時代のことです。

地区の初任研で指導主事先生(社会科授業の大家!)から
研究授業参観の大原則
についてお話しいただきました。

=================
1)研究授業の記録を細かく取る事
=================
 ・発問指示は特にも正確に 
 ・指導案に赤ペンでちょこちょこっと書くな
 ・ノートに記録を取り、それをもとに発言せよ
 ・授業記録をとることは授業者への礼儀



=================
2)事後研ではかならず批判する事
=================
 ・どんなにすごい授業でも必ず批判する事
 ・批判を無理矢理ひねり出す事が自分を成長させる
 ・批判する事が授業者への礼儀である


=================
3)子どもたちに話しかけない事
=================
 ・授業中の子どもたちに話しかけてはいけない
 ・ノートを勝手に触ったりしてはいけない
 ・私語は当然厳禁!


この3原則は強烈におぼえています。
そして十数年間、できる限り実践しています。
教職1年目で、とても大切なことを教えていただいたなぁと
感謝しています。


ただ、
2)の批判については、いろいろと考えることがあり、
今は若干変わってきています。
それは後ほど紹介します。






コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

研究授業(4)

2012-09-16 | 研究授業への思い
研究授業における事後研で、
たくさんのご意見を頂きます。

褒められる事が多い場合
それはやはりとっても嬉しいです。
気分もいいです。
しかし、それは(今思うと)
自分の成長にはあまりプラスになっていないような気がします。
むしろ「俺ってなかなかやるじゃん」
と、妙な勘違いや油断をして、
後々の指導で無意識のうちに
手を抜いてしまっていた気がします。


逆に、
たくさんの批判を頂いた場合。
これは、正直つらいです。
気分も落ち込みます。
でも、その時の事は、鮮明にずっとおぼえています。
そして
=======================
「今度こそは!」
「なるほど、そういう考えがあったのか」
「ここだけは絶対にゆずれないぞ」
=======================
と、自分自身を奮い立たすことに繋がりました。
がむしゃらに教師修行を続けることになりました。
自分の成長にプラスになっていることを実感します。


純粋に授業力を高めるだけなら、
やはり「批判」の中に身を置く事が大切だなぁと思っています。


ただ、モチベーションを高める意味では、
やはり「褒める」ことが大切です。

「褒める」と「批判」のバランスが
校内研究推進のキモなのだろうなぁと思います。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

研究授業(3)

2012-09-16 | 研究授業への思い
初任校時代
サークルの先輩から「研究授業を見る視点」
について沢山教えていただきました。

その中で一番印象に残っているのは

=====================
研究授業を見て
「この人の授業下手だなぁ」と思った授業が
実は自分(の授業)と同じレベル。

「普通だなぁ」と思った授業は、
実は自分よりも遥かに上手なレベル

「上手だなぁ」と思った授業は
実は自分より遥かに遥かに上のレベル

=====================

ということです。

自分の実践を客観視するいいきっかけとなりました。

正直、人様の授業を拝見して
「下手だなぁ」と思うような事はありませんが、
それでもいろいろな研究授業をとおして、
自身の授業レベルについて
「まだまだだなぁ・・・」
と確認できています。






コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

研究授業(2)

2012-09-16 | 研究授業への思い
長研時代
尊敬する上司先生から

========================
「授業の事後研では
 この授業は◎◎方式の方が~
 いや○●学習の方が~
 と、それぞれの研究団体のPRで
 貴重な90分が終わってしまうときがある。
 あんたなら、どうする?」
========================
と訊ねられた事がありました。

うまく答えられず戸惑っていると
上司先生は

========================
子どもたちに
「思考力・表現力・判断力等が身に付いたのか?
その1点だけに絞って、話し合いを行えば良い
========================
と話されました。

様々な指導法を交流し合いながら、
ベストの方法を探っていくのはもちろん大切なことです。

しかし短時間で、それを行うのはやはり難しいとも思いました。

それよりかは、やはり上司先生が仰られたように
====================
「児童に力がついたのであれば、
 それは結果的によい指導法だった」
====================
というとらえで、

方法ではなくて、まずは結果や事実について、
目を向けた事後研究会を行いたいと思いました。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

研究授業(1)

2012-09-16 | 研究授業への思い
過去、
=======================
授業準備でいっぱいいっぱい
もうこれ以上絞ってもアイデアが出ません・・・
=======================
というくらいに追い込まれて、そして
必死になって取り組んだ研究授業は
なんとか流すことができました。

逆に
================
「こんなもんでいいか」
「余力をのこして取り組もう」
「(授業を)提供しよう」
================
という傲慢な意識をもって臨んだときは、
だいたい失敗しました。
(手応えがありませんでした)



20代から30代前半にかけて
自分の取り組みは、前者の方でした。

しかし、30代中盤から現在にかけて、
ちょっと後者の意識のほうが強くなってきていました。

いろいろな要因要素があるのですが、
一番に「真摯さ」「謙虚さ」が失われてきているのかなぁ
ということを反省しました。

地区社研の仲間がいま社会科の研究授業に取り組み、
そして自身も11月に校内全体研究会(授業提供)を控え、
研究授業についていろいろ考える3連休になっています。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする