本と映画の日々  そして、ゆめのつづき

夢と知りせば、醒めざらましを・・。
放送大学のなんと、学生です。
ドラマ、映画感想、環境問題を!

広告

※このエリアは、60日間投稿が無い場合に表示されます。記事を投稿すると、表示されなくなります。

第60回カンヌ国際映画祭 結果発表 河瀬監督の「殯の森」にグランプリ!

2007年05月28日 | 日本映画
河瀬直美監督

河瀬監督の「殯の森」にグランプリ=パルムドールはルーマニア作品-カンヌ映画祭(時事通信) - goo ニュース



河瀬監督 グランプリおめでとうございます。

以前、「萌ノ朱雀」(96)の劇場上映にゲストとして見えていた。
姉さんタイプの人だった。

映画が終わった後、残った映画ファンを囲んでの、
ミーテインングとなったが、劇場は立ち見が出るほどの盛況で、
河瀬さんの顔を見るのに一苦労をしたことを思い出す。
「萌ノ朱雀」の原作本に河瀬監督のサインをしてもらい、握手をしてもらった。

先日、NHKで、「課外授業-河瀬直美」を見て、やはり姉さんタイプだと
再確認をした次第だ。

“失踪”したお父さんへの思いが河瀬監督の「 につつまれて 」公式HP

の作品となり、映画作家としての心象風景の核になっているとおもう。
(1歳半のとき両親は離婚、親戚の家で育つ)

「 につつまれて 」 [1992/40分/8mm→16mm]
イメージ・フォーラム・フェスティバル1993 奨励賞
1995 山形国際ドキュメンタリー 映画祭国際批評家連盟賞

“戸籍謄本と写真を手がかりに父親探しの旅に出る。
当時23歳の河瀬直美が”生まれながらの孤独”と 向き合い、
真っ直ぐなまなざしと生身の声で迫る、緊迫の40分。”

P.S.
殯(もがり)とは聴きなれない言葉だ。

“「喪上がり」が語源で、古代、天皇や豪族が亡くなった時は、
すぐに本葬にせず、人々は遺体を安置した仮小屋にこもった。
死者の魂を恐れ、慰めるとともに、復活を願うまつりをするためだ。
それが殯(もがり)だった。”

大化の改新(645)に際しての薄葬令で、この習慣は,衰えたそうだ。

しかし、視点を変えれば、
現代も行われている“お通夜”は、殯(喪上がり)の一種だと思えなくもない。

今作品の舞台のグループハウスも、老いと死の身近な場所であり、
死の世界にいたる異界との境に「モーニング・フォレスト」の森がある。

古代の殯(喪上がり)の仮小屋にあたる異界への入り口に、
森が果たした役割は大い。






第60回カンヌ国際映画祭特集 - goo 映画

結果発表



<パルム・ドール(最高賞)> 「4カ月、3週間と2日」
<審査員特別大賞「グランプリ」>「殯(もがり)の森」

<60回記念賞>ガス・バン・サント監督「パラノイド・パーク」
<監督賞>ジュリアン・シュナーベル(「潜水服は蝶の夢を見る」)
<男優賞>コンスタンチン・ラブロネンコ(「バニッシュメント」)
<女優賞>チョン・ドヨン(「シークレット・サンシャイン」)
<脚本賞>ファテイ・アキン(「エッジ・オブ・ヘブン」)
<審査員賞>「ペルセポリス」(マルジャン・サトラピ、バンサン・パロノー監督)、
      「サイレント・ライト」(カルロス・レイガダス監督)

<カメラドール>(新人監督賞)「メドゥーゾット-くらげ-」(エトガール・ケレット、シーラ・ゲフィン)
<「ある視点」賞> 「カリフォルニア・ドリーミン」(クリスティアン・ネメスク監督)

<国際批評家連盟賞・公式部門> 「4カ月、3週間と2日」
        同賞・並行部門 「バンド・ビジット」(エラン・コリリン監督)、
                「彼女はサビーネ」(サンドリーヌ・ボネール監督)
<全キリスト教教会賞> 「エッジ・オブ・ヘブン」



コンペティション部門は、
カンヌでは最も注目を集める花形部門で、
アート性と商業性のバランスがとれた選出に定評がある。


コンペティション部門  22作品リスト

<パルム・ドール(最高賞)>
「4カ月、3週間と2日」
『4 Luni, 3 spatamini si 2 zile (4 mois, 3 semaines et 2 jours)』 / 
監督:クリスティアン・ムンギウ (ルーマニア)
ヨーロッパでは、ここ数年じわじわと人気を高めるルーマニア映画。
1968年生まれのムンギウも注目の一人だ。
共産主義の堕胎が厳しく禁止されていた頃に、若い女性に起こった
悪夢のような出来事とは…。



<審査員特別大賞「グランプリ」>「殯(もがり)の森」
『殯(もがり)の森 (The Mourning Forest)』「モーニング・フォレスト」 / 
監督:河瀬直美  (日本)
『萌の朱雀』(96)でカメラドールを受賞し、
『沙羅双樹』(03)をコンペに出品した河瀬直美。
今までと同様、故郷・奈良の美しい自然を背景に、
老人介護に焦点をあてた問題作である。
グループホームで暮らす認知症の男性とわが子を亡くした介護士の女性が、
男性の妻の墓を探して森の中をさまよう姿を通し、人間の生と死の接点を描いた。



<60回記念賞>
『Paranoid Park』「パラノイド・パーク」 / 
監督:ガス・ヴァン・サント (アメリカ)
2003年に、コロンバイン高校の乱射事件を描いた『エレファント』が
パルムドールを受賞したガス・ヴァン・サント。
今回は、16歳のスケボー少年が、間違って警備員を殺害してしまうところから
ストーリーが展開される・・・。




<監督賞>ジュリアン・シュナーベル
『Le scaphandre et le papillon』「潜水服は蝶の夢を見る」 / 
監督:ジュリアン・シュナベール (フランス)
ELLE誌の名物編集長で、ある日突然全身不随に冒されたジャン・ドミニク・ボビーの
回想録を映画化。
監督は、『バスキア』(96)のジュリアン・シュナベール、
主演はフランス作家映画をになうマチュー・アマルリック。


<男優賞>コンスタンチン・ラブロネンコ
『Izgnanie (The Banishment)』「バニッシュメント」 / 
監督:アンドレイ・ズビャギンツェフ (ロシア)
2003に『父、帰る』がヴェネチア映画祭の金獅子賞を含め、
全5部門に輝いたロシアの若き新鋭ズビャギンツェフ。
長編第二作目が、初のコンペ入りを果たした今年のカンヌでは、
「タルコススキーの再来」「大型新人の誕生」と、大きな期待が高まっている。


<女優賞>チョン・ドヨン
『Secret sunshine』「シークレット・サンシャイン-密陽-」 / 
監督:イ・チャンドン (韓国)
カンヌでは、『ペパーミント・キャンディー』(99)を監督週間に、
『オアシス』(02)を批評家週間に出品したイ・チャンドン。
夫と息子を相次いで亡くし、絶望の果てをさ迷う女性の喪失と再起を描いている。


<脚本賞>ファテイ・アキン
<全キリスト教教会賞>
『Auf der anderen seite (The Edge Of Heaven)』「向こう側から」 /
 監督:ファティ・アキン (ドイツ)
2004年『愛より強く』がベルリン映画祭で最優秀作品賞(金熊賞)に輝いた、ファティ・アキン。
本作はファスビンダー作品で名を馳せた、往年の大女優ハンナ・シグラが主演。
ハンブルグを舞台に繰り広げられる、母と娘の社会派ドラマ。


<審査員賞>「沈黙の光」
『Stellet Licht (Lumiere silencieuse)』「沈黙の光」
監督:カルロス・レイガダス (メキシコ)
『Japon』(02)、『バトル・イン・ヘヴン』(04)と、
恐るべきスケールの作品を発表したメキシコの鬼才レイガダス。
メキシコ北部のメノナイト教徒の間に起こる禁断の物語を描き出す。



<審査員賞>「ペルセポリス」
『Persepolis』「ペルセポリス」 / 
監督:マルジャン・サトラピ&ヴァンサン・パロノー (フランス)
イラン出身でフランス在住のアニメーター、マルジャン・サトラピの自伝的作品。
イラク戦争をはじめ過酷な社会状況の下、
テヘランからフランスに移住した女の子の冒険物語。
声の出演に、フランスの大女優カトリーヌ・ドヌーヴや
ダニエル・ダリューが参加している。



(カンヌ映画祭 オープニング作品)
『My blueberry nights』「マイ・ブルーベリー・ナイト」 / 
監督:ウォン・カーウァイ (中国)
ジャズシンガーのノラ・ジョーンズ主演でアメリカが舞台。
失恋の痛手を負った女性のロードムービーで、
ジュード・ロウ、ティム・ロス、エド・ハリスなど、
ベテラン勢が脇を固める。


『Soom (Breath)』「息」 / 
監督:キム・ギドク (韓国)
『魚と寝る女』(00)、『春夏秋冬そして春』(03)、『うつせみ』(04)など、
独特のリアルで残酷なスタイルが賛否両論を巻き起こすキム・ギドク。
台湾の人気俳優チャン・チェンを起用して、嫉妬、希望、情熱がテーマになった恋愛詩。
わずか2週間で撮影期間、超低予算で作られた作品である。


『No country for old men』 / 
監督:ジョエル&イーサン・コーエン (アメリカ)
1991年の『バートン・フィンク』がパルム・ドールを受賞以来、
”カンヌの顔”のコーエン兄弟。
最新作はトミー・リー・ジョーンズ主演のウエスタン。
テキサスとメキシコの国境を舞台に、男たちの戦いが繰り広げられる。


『Zodiac / ゾディアック』 /
監督:デヴィッド・フィンチャー (アメリカ)
『セブン』(95)、『ファイト・クラブ』(99)で高い評価を受けた
デヴィッド・フィンチャーの最新作。
1960年から70年にかけて、アメリカ中を震撼させた連続殺人犯の実話をもとに、
手に汗握らせる、あっといわせる展開が期待される。


『Death proof』 / 「デス・プルーフ 耐死仕様」
監督:クエンティン・タランティーノ (アメリカ)
1994年に『パルプフィクション』でパルムドールを獲得したタランティーノ。
既に全米で公開された、本作の興行成績は思わしくなく、
カンヌ映画祭を直前に、監督自ら再編集を施した。
ロバート・ロドリゲスとの共同企画『クラインド・ハウス』の一本で、
ファンにとっては待望の作品。


『Promise me this』 / 「約束」
監督:エミール・クストリッツァ (セルビア)
『パパは出張中』(85)、『アンダーグラウンド』(95)で
すでに二度のパルムドールを受賞した。
本作は、セルビアの小さな村で巻き起こる大騒動で、クストリッツァお得意のジャンル。


『Une vieille maitresse』 / 「年増の情婦」
監督:カトリーヌ・ブレイヤ (フランス)
アシア・アルジェントを主演に、残酷さとエロス、
インモラルに満ち溢れた19世紀の作家バルベー・ドールヴィイの世界を映像化。


『We own the night』 / 「夜は我らのもの」
監督:ジェームス・グレイ (アメリカ)
『リトル・オデッサ』(1994)がヴェネチアで銀獅子賞を受賞したジェームス・グレイ。
本作は80年代末のニューヨークを舞台に、
ロシアンマフィアとクラブオーナーとの駆け引きが描かれるサスペンス。
ホアキン・フェニックス、マーク・ウォルバーグ、ロバート・デュヴァル出演。


『Les chansons d'amour』 / 「The songs of love 愛の歌」
監督:クリストフ・オノレ (フランス)
ヌーヴェルヴァーグへのオマージュ『パリの中で』(06)で評価を得た、
フランスの新鋭クリストフ・オノレ。
本作は、フランスの若手スター、ルイ・ガレルやリディビーヌ・サニエを起用した、
ジャック・ドゥミに捧げるロマンティックなミュージカル作品。


『Tehilim』 /「テヒリム」 
監督:ラファエル・ナジャリ (イスラエル=フランス)
ニューヨークに住むフランス出身のラファエル・ナジャリ。
『I Am Josh Polonski's Brother』(01)をはじめ、
NYのユダヤ人社会を描いてきたが、
本作の舞台は一転してエルサレム。行方不明の父親を探す、子供たちの切ない物語。


『Import Export』 / 「インポート・エクスポート」
監督:ウルリッヒ・ザイドル (オーストリア)
2002年、『ドッグ・デイズ』を批評家週間に出品したウルリッヒ・ザイドル。
第二のミヒャエル・ハネケと評される、独特のアイロニックで絶望的な世界観で、
好き嫌いが真っ二つに分かれる。
ウクライナとウィーンを舞台に、2人の男女の身に起きる、
想像を絶する不幸の連鎖とは…。


『Alexandra』 / 「アレクサンドラ」
監督:アレクサンドル・ソクーロフ (ロシア)
カンヌでは、『エルミタージュ幻想』(02)や『ファザー、サン』(03)など、
次々に作品がコンペで上映される、
ロシアの映像作家ソクーロフ。チェチェンの紛争最中、
戦地の孫を訪れた老婆に待ちうけていた見知らぬ世界…。


『The man from London』 / 「ロンドンから来た男」
監督:タル・ベーラ (ハンガリー)
『ヴェルクマイスター・ハーモニー』(01)など、
光を駆使した独特のモノトーンの映像美を誇るベーラ・タル。
本作は、ジョルジュ・シムノンの原作をティルダ・スウィントン主演によって映画化。


コンペティション部門  22作品のなかで、無冠だったが・・

ウォン・カーウァイ、
キム・ギドク、
ジョエル&イーサン・コーエン、
デヴィッド・フィンチャー、
クエンティン・タランティーノ

もう監督として世界的名声を得ていると思われる彼らでさえ、
初心に帰る。
カンヌ映画祭のクオリティの高さは、
再々チャレジをするに値する貴重な映画祭なのだ。
『映画』 ジャンルのランキング
コメント (4)   トラックバック (1)   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 「パイレーツ・オブ・カリビ... | トップ | 日本 週末映画ランキング ... »
最近の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2007-05-29 15:48:57
戦争を考えるために、小林よしのり著『戦争論』を読んでみてほしい。

ここが考えるスタートだと思う。
河瀬監督のカンヌ受賞 (作太郎)
2007-05-29 20:25:00
こんばんは。久しぶりのコメントです
河瀬監督 グランプリおめでとうございます。

「殯の森」今丁度BSで観ているところです。
それにしても、いつもながら緻密なデータ分析、頭が下がります。




河瀬監督のブログ (hito2km)
2007-05-30 21:54:33
作太郎様
コメント有難うございます。


河瀬監督のブログを見ると、
ほのぼのとします。
映画「殯の森」は未見ですが
「萌の朱雀」の悲壮さを突き抜けて、

希望の見える作品だとしたら、
母となった河瀬監督の幸せが成せる技でしょう。

次回作は長谷川京子主演で、
タイでのラブロマンスだそうです。

戦中世代の願い (hito2km)
2007-05-30 22:02:40
Unknown さま

コメント有難うございます。

小林よしのり著『戦争論』は読みました。
死が日常だった戦争の時代を知らないので、
難しい。

岸恵子の「あの時代のことは忘れないで欲しい」
というメッセージは、戦中世代の
願いでしょう。

無関心が一番怖いのだと思います。

コメントを投稿


コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
奈良市民に支えられ受賞…河瀬監督「戻って喜び伝えたい」 (映画館)
 【カンヌ(南仏)=津久井美奈】第60回カンヌ国際映画祭で27日、最高賞パルムドールに次ぐグランプリを獲得した河瀬直美監督「殯(もがり)の森」は、監督の出身地である奈良市を舞台にした作品だ。 主人公の老人を演じた、うだしげきさんは、同市内の古書喫茶の店...