ひと日記

お気に入りのモノ・ヒト・コト・場所について超マイペースで綴ります。

Blue Blazer & White linen handkerchief

2010-05-15 04:00:00 | 白井さん




 今回も信濃屋さんのお店先での撮影です。

 今更言うまでも無いことですが、信濃屋馬車道店さんはその名の通り馬車道沿いにお店を構えていますのでお店の前には常に人通りがあります。この日の撮影中も、ファインダーを覗く私の背後を通られた方がお知り合いだったようで、白井さんは『あ!どうも!』とちょっとびっくり&照れくさそうに笑顔でご挨拶(一枚目の写真)。次にお店先にあるテーブルと椅子を発見。さっとお掛けになって更にパチリ!(2枚目)。青いソックスが鮮やかに目に飛び込んできます。

 

   

 この日、白井さんはいの一番に『珍しいものを見せてあげるよ(笑)。』と仰って一冊のパンフレットを私に見せてくださいました。

 先日、信濃屋さんの長年の顧客のお一人であるH様が、アメリカ合衆国テキサス州サンアントニオに現存する“アラモの砦”跡を実際に訪れてこられたそうで、現地で入手された観光用のパンフレットをお土産代わりに白井さんに届けてくださったとのこと!無知な私は先だって白井さんから教えていただくまでその存在すら知らなかったのですが、アラモの砦は“合衆国の開拓史”を語る上では絶対に欠かすことのできない有名な場所(こちらをクリックするとアラモの砦の公式サイトにジャンプします→Daughters of the Republic of Texas: Welcome to the Alamo)。西部劇をこよなく愛す白井さんですから、きっとH様との服飾談義の中にもその地名が登場したことがあったのでしょう・・・なんと義理堅く、また粋な計らいでしょうか!

 『あ、このベスト“バックスキン(鹿革)”だって。昔の人は洒落たもん着てたよな。』

 なんて仰りながら、白井さんは遠い異国の地の過去と現在の風景や文物を、目を細めてご覧になっていました。

   

 さて、今回は“It is necessary to build a basic wardrobe!”久しぶりにブレザーの着こなしです。

 『ん?縞のネクタイじゃない!』

 そう思われた方も多いのでは。これまでのブレザースタイルには必ずセットになっていた縞のネクタイではなく、今日はクラシックな織り柄のネクタイを合わされた白井さん。私も早速その点について伺ってみました。

 『ブレザーでも絶対に縞じゃなきゃいけないってことではないんだよ。メタルボタンなんかだとやっぱり何となく気分として縞を合わせたくなるんだけど今日のはこれでもいいんだよ。』

 とのこと。

 それから今日のブレザーはゴージラインが低くクラシックな印象を受けます。襟の形も特徴的で、以前ご紹介した“ガエターノ・アロイジオ(伊)”のチョークストライプのスーツの襟型に似ていると感じました。今日の更新で38回目となった“白井さん”ですが、私も38回目にしてようやくゴージラインや襟の形の違いが目に入ってくるようになりました。早速その点についても伺ってみたところ、

 『いや、アロイジオはまだこの頃はいなかったんじゃないかな(笑)。この頃は48の8(S)を着てたんだよなぁ~でもまだなんとか着れちゃうんだから凄いね。ちょっと丈が短いけど(苦笑)。』

 とのこと。信濃屋さんでルチアーノ・バルベラ(伊)の取り扱いを始めた頃のブレザーとのことでした。因みにサイズ表記の“(S)”というのは“Short”の意味。つまり着丈バランスを表わす表記なのだそうです(イタリア語だと“C”の場合も)。更にその上にはレギュラーの“R”、ロングの“L”、とあるそうです。“L”は一般的な日本男性の身長ではかなり丈が長めになってしまうので国内での取り扱いは稀なのでは、とのこと。また信濃屋さんのスタッフ・Y木さんから伺ったお話では、信濃屋さんではスーツやジャケットをメーカーに発注する際、特に指定して信濃屋さん独自の“着丈バランス”にすることが多いそうです。Y木さんはさらっと仰っていましたが“信濃屋流スタイル”へのこだわりの一端が垣間見えるお話でした。

 

 白井さん、『そうそう、ハンカチは何を使ってる?』

 私、   『え?いや~安いやつですよ(照)。』

 白井さん、『いや、そうじゃなくて色は?素材は?』

 私、   『え?何か柄とかが入った綿のやつですよ?』

 白井さん、『ふふふ、それじゃいけないね~(笑)。今日はハンカチの話をしようか。』

 そう仰って白井さんが私に見せてくださったのが今日のタイトルに書いた“White linen handkerchief”・・・白い麻のハンカチでした。

 『残念ながら今はもう無いんだけど、ロンドンのバーリントンアーケードの一番先の左の角にあったリネンショップで買ってきたやつ。イニシャルは後から“ハンドエンブロイダリー(手刺繍)”で入れたんだけどさ。これは良いよ~一見リネンに見えないくらいにしっかりと目が詰んでて。周りはヘム。ボーダーなんてのもあるよね。俺はねティッシュって使わないんだよ、家でもね。昔からず~っと使うのはハンカチって決めてるんだよ。そして、ハンカチは白、そして麻、これは“絶対”だね。強調してくれて構わないよ。“紳士は白い麻のハンカチを持つべし”なんてね(笑)。昨今のブランドの綿の柄の入ったハンカチなんて問題外だね。いつから出回るようになったんだか(苦笑)。そうそう、そういえばルチアーノ(・バルベラ)も鼻かむ時は白い麻のハンカチだったっけ(笑)。』

 昔の洒落た人は良質の白い麻のハンカチを、半ダースとか1ダースとか、まとめて買っていったそうです。良い麻はたとえハンカチとはいえ決して安くはないもの。これぞまさに本当の“大人買い”ですね(汗)。私が単に物を知らないだけなのかもしれませんが、こんなことは初めて聞きました。白井さんは冗談っぽく笑いながら仰っていましたが“強調して構わない”なんて言葉を使われるのは極めて異例なこと。もう一度強調します・・・

 “紳士は白い麻のハンカチを持つべし”

 蛇足ながら、信濃屋さんではもちろん白い麻のハンカチを取り扱っています。 


 

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