このブログを始めてから改めて判ったことだが、“色”というものは言葉で表現することがとても難しい。
『あれはオレンジじゃないよ、芸能人じゃないんだから(苦笑)。』
まずはこの日の白井さんの第一声から。前回の更新で、私はタイトルを『オレンジ色のアンコンストラクティッド・ジャケット』としたが、これがとんでもない大間違い(汗)。
『あれは“キャメル”だよ。』
実はかなり悩んだ末につけたタイトルだったのだが、なるほど!言われてみれば確かに“キャメル色”。うぅ~その手があったか!と、我が語彙の乏しさに暫し反省。
さて、この日白井さんが選択されたのはダブルの縞のスーツ。このところ鬱陶しい天気が続き、巷を見渡せば所謂“クールビズ”スタイルの方を多く見かけるが、白井さんの着こなしは全く“崩れ”ない。いつも通りの完璧なスーツスタイルだ。
『このタグ(Kiton)の色は珍しいんじゃないかな。』
“Kiton CUCITO IN ITALIA PER 1866 SHNANOYA YOKOHAMA”と刻まれた緑のタグ。かれこれ20年ほど前のキートン(伊)のスーツだ。間隔の広い細いストライプ柄、縞の服は久しぶりの登場だ。やはり夏らしく軽そうな、色は“グレー”だが、つるっとしたありきたりのグレーではなくて、色合いに深みのある上品な服地が使われていた。そうそう、白井さんご本人も最近気が付かれたそうなのだが、この服地、ストライプとストライプの間にうっすらとオリーブ色の縞も入っているのだ。どことなく上品な佇まいを感じさせるのはそのせいかも知れない。
ブルーストライプのワイドスプレッドカラーのクレリックシャツ、袖はボディーと共生地のバレルカフ。締め心地が気に入られているというフランコ・バッシのプリントタイ。チーフはタイにいくつか使われている色の中から1色拾ってオリーブグリーンのペイズリー柄を。因みに、ちょっと細かいディティールなので写真では判り難いが、上着の上襟と下襟が少し離れている部分は“閂留め”されている。
靴は、白井さんがあまりお好きではない、エドワード・グリーン(英)。EGにはまず見かけない6アイレッツは“白井さんスペシャル”バージョンだ。色はバーガンディに見えるが、これは最初からこの色だったのではないそうだ。どうやら始めはチェスナッツに近い色だったのを、白井さん自らの手で塗り変えていったのだそうだ。
『ネイビーの靴墨なんかを使ってね。でも素人がやるもんじゃないよ(笑)。』
とのこと。靴磨きや靴墨の扱い方、というのは“加減”。それは口ではなかなか教えられず、同様に、靴や服の“好み”も口で伝えるのは難しい、と白井さんは仰る。
『“感覚”だからね~。』(白井さん談)