米国で人気のネット婚活レポート（２）

ネット婚活してますか？


　　

米国で人気のネット婚活

　

「出会いがない」は万国共通

　今回筆者は、ニューヨーク、ロサンゼルス、ワシントンDCなど、5都市で
展開するイベント企業、プロフェッショナルズ・イン・ザ・シティ社（PITC）
開催のスピードデートに2回潜入した。

　PITCが、このイベントを始めたのは5年前。
当初は独身者を集めて、飲みながら会話を楽しむ、合コン的なものだったが、
「4分間デート」として、スピードデート形式を、取り入れたところ好評を博し、
現在では、各都市で1カ月に5～7回程度、行うまでになった。

　お邪魔したのは、「女性21～29歳、男性24～32歳まで」の若者を対象
とした回と、年齢制限のない「食べ歩きが好きなグルメな男女」を対象にした
回の4分間デートだ。

　男性に参加の動機を聞いてみたところ、「若者対象」の回では、全員が
「出会いがない」ことを理由に挙げた。

　「会社の下っ端で、5人の先輩は全員50代の男性。出会いの機会はゼロなんだ」
（ジョンさん　不動産関係・29歳）、
　「僕は引っ越してきてまだ半年。仕事が忙しいし友人も多くない」
（ジュリアンさん　弁護士・25歳）
　「職場には若い女性が一人もいない。カジュアルな雰囲気で、たくさんの女性と
会える機会はなかなか訪れないから」
（ジェフさん、メーカー・25歳）

　なんとなくおとなしそうな（草食系？）が多く、まるで日本人に話を聞いて
いるようだ。

　ところが、実際にスピードデートが始まると、彼らは皆、弾丸のように
喋り始めた。話の流れは「出身はどこ？」「仕事は？」から始まって、
趣味へと進むのが定番のよう。

　イベント終了後には、出会えなかった数人が、見切りをつけてさっさと帰った
のに対して、女性に声をかけて本番デートに切り替える人、数人の男女で
集まって、即席グループ交際に発展させる人もいて、実に見事なものだった。



　

妙齢男女の婚活事情

　一方、「食べ歩きが趣味の人対象」の回では、婚活＆在米暦の長い日本人女性、
カンナさん（仮名、会社経営・39歳）に4分間デートを、体験してもらった。

　このイベントでは、年齢制限がないだけあって、男女共に“妙齢”の
オトナばかり。カンナさんが一番若いくらいだった。

　筆者は、カンナさんの隣のテーブルに座って、耳をそばだてていたのだが、
ほとんどの男性とは、なかなかいいムードで、話をしているようだ。
　若者のスピードデートと比べると、男性は落ち着いていて、人の話を聞いたり、
会話を繋げていくのが上手い。さすが年の功だ。

　終了後、カンナさんに感想を求めると、「楽しかった。ここに来る人は、
皆相手を探してるってわかっているから、堂々と『あなたのことが知りたいの』
って言える。それがよかった」と笑顔を見せた。
　もしやこれは、イケる人がいた？

　しかし彼女、「交際や結婚の相手としては？」と聞くと、「うーん……」と沈黙。
「遊び友達としてならいいけど、結婚まではなぁ」「4分間で自分を出して、
相手のことを知るのは、難しいよね」。

　オトナ婚活者は、その場に残って、デートの続きもせずに、全員あっさり
帰っていた。やはり1度じゃ結果は出ない。そう簡単には見つからないと
判っているから、貪欲にならずに次回を待つ（PITCのスピード・デートには、
リピーターが多い）ということなのかもしれない。




　

楽天的!? さらっと明るい米国人の婚活

　若者版とオトナ版、2回のスピードデートに行って思ったのは、
米国人の婚活は、さらっとしていて明るいということ。若くなくても、
職業が華やかでなくても、容姿に自信がなくても、自分を絶対卑下しない。
　出会いがなくても落ち込まない。考え方が実に楽天的だ。

　PITC社長のマイケル・カーラン氏は、米国流婚活のコツを、何があっても
諦めないでGet out & meet（とにかく外に出て、会うこと）だと言っていた。
　この陽性スピリットは、日本の婚活者も見習うべきかもしれない。

　さて、スピードデートの後、カンナさんはどうなっただろうか？　
　実は彼女、3人の男性とマッチングされ、全員ともう一度会う約束をした。
残念ながら仕事が忙しくて、まだ再会は誰とも果たしていないが、
「今は皆とメールで、軽くジョークを言い合って、楽しんでいる」そう。

　スピードデートにも、再びチャレンジする予定ということなので、
今後の発展に期待しておこう。



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