浮気に男女差なし?
アルフレッド・キンゼー博士は60年ほど前に、
米国では、男性の半数と女性の4分の1が
結婚後に浮気をしたことがあるとの
研究結果を発表し、社会に衝撃を与えた。
調査に採用された標本抽出法に
選択バイアスがあったため、
今ではこの数字を信用する人はいない。
しかし、博士が示した結果は
「男性が浮気をする可能性は女性よりはるかに高い」
という長年の認識に沿ったものだった。
その後、さまざまな研究者がこの見方に
疑問を投げかけてきた。
妻が浮気をする確率は夫に追いつきつつあるかもしれない、
とこうした研究者は考えている。
配偶者や子どもとして離婚を経験した多くの米国人なら、
こうした裏切りが長期的にどのような悪影響をもたらすか、
よくわかるだろう。
このテーマに関して最も信頼のおける研究の1つが、
米国立科学財団(NSF)が実施する一般社会調査(GSS)だ。
質問内容は1972年から変わらない。
2010年の調査では、結婚後、
浮気をしたことがある男性の割合は19%となり、
1991年の21%から低下した。
一方、浮気をしたことのある女性の割合は
1991年の11%から2010年には14%にまで上昇した。
インディアナ大学、キンゼー研究所、
グエルフ大学が2011年に実施した研究では、
浮気の経験のある男性の割合は23%、
女性の割合は19%となり、男女差がはるかに小さかった。
こうした数字は、浮気に男女差が
なくなってきていることを示しているが、
少し注意が必要だ。
研究者の悩みの種は、こうした調査では、
配偶者にうそをついているだろう人たちから
本当のことを聞かなければならないことだ。
それは調査対象の抽出に慎重な研究者にとっても同じこと。
実際に浮気をしている人は調査結果よりも多い、
と研究者はみている。
また、米国では、男女のいずれにとっても、
浮気がまん延しているわけでも、
避けられないことでもないということは
強調しておいたほうがいいだろう。
調査を行うと必ず、回答者の圧倒的過半数が
一夫一婦制を尊重しており、
浮気は有害だと考えているという結果が出る。
女性の14%が浮気をしているという
GSSの調査結果を信じるなら、
86%は浮気をしていないということにも目を向けるべきだ。
調査を正確に行うことは難しく、
専門家の意見が一致することはあり得ないが、
浮気をする女性の割合は実際、
男性に迫っているようだ。
心理学者としての仕事の上でも、
自分が所属する社会集団の中でも、
浮気するだけでなく、積極的に浮気の機会を
求める女性を多く見かけるようになった。
その理由は、自分の魅力を確認したい、
精神的なつながりや評価を求めたい、
エゴを満たしたいなど、聞き覚えのあるものばかりだ。
労苦も伴う長い婚姻生活という現実から解き放たれ、
新しい関係にわくわくすることは言うまでもない。
オランダのティルブルフ大学が2011年に実施し、
専門誌「サイコロジカル・サイエンス」
で発表された研究によると、浮気は経済力や
社会的権力と相関関係にあるという。
経済力や社会的権力が増大すると、
男女ともに自信がわき、影響力を持つようになる。
これまで男性が慣れ親しんできたやり方で、
今や女性も権力を行使することができるようになった。
社会が変化していることも影響しているのかもしれない。
生物人類学者のヘレン・フィッシャー氏が今年、
恋愛や結婚のための紹介サイト、
「マッチ・ドットコム」を対象に実施した研究によると、
女性は男女関係について昔ながらの考え方に
とらわれなくなってきていることがわかった。
面白いことに、男性は女性とは反対方向に進んでいるようだ。
この調査では、既婚女性の77%が個人的な空間が必要だ
と回答したが、男性は58%だった。
また、女性の35%は友人と定期的に夜、
外出したいと答えたが、男性は23%にとどまった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121021-00000001-wsj-int
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