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消費者による選択・監視

2007-04-19 | 書記長社労士 公共交通
業者の処分情報、ネットで検索 国交省がサイト開設へ(朝日新聞) - goo ニュース

 昨日、国土交通省から発表があった「消費者による選択・監視~事業者のネガティブ情報の公開~」(国土交通省が保有するネガティブ情報等の公開のあり方に関する報告書)に関して。

 非常に良い取り組みだと思います。

対象事業者・分野は
 ◆ 建設業者/不動産業者/マンション管理業者/指定確認検査機関(建築確認・検査業務を行う民間機関)
  /建築基準適合判定資格者(建築確認・検査業務を行う資格を有する者)/一級建築士
 ◆ 鉄道会社/旅客船会社/航空会社/バス、タクシー、トラック事業者
 ◆ 自動車整備工場/自動車メーカー、自動車販売会社等[道路運送車両法関係]

目的は
 ◆ 消費者による選択・監視を活用することによる事業者の適正な事業運営の確保
 ◆ それを通じた安全・安心の確保、公正で自由な競争の確保

公開対象は
 ◆ 全ての行政処分
 ◆ 行政指導(一般消費者等に具体的に損害・被害をもたらすなど、社会的影響の大きいもの)
 ◆ 自動車メーカー、自動車販売会社等の道路運送車両法違反に係る刑事告発
 ◆ 国土交通省直轄公共工事の指名停止措置

 これまでこのような処分情報をネットで検索するには、たいへんな手間が掛かりました。
国土交通省本省及び地方支分部局のホームページに点在していて、さらにその情報がどこにあるのかそれぞれのサイトでバラバラで、よっぽど根気がなければ、若しくは必要に迫られてなかったら、探し出すのを諦めてしまうような状態です。

 それを本省のサイトに一元化して、事業者の名称を入れるだけで簡単に検索できるシステムを構築して、トップページから最短3クリックで欲しい情報へ行き着くようにするそうです。

公開期間
 ◆ 原則 最短2年
 ◆〔建設業者、不動産業者〕5年
 ◆〔バス、タクシー、トラック事業者〕3年
 ◆〔指定確認検査機関、建築基準適合判定資格者、一級建築士〕5年

 ただしこのポータルサイトで公開される情報は平成19年10月以降のものとなるそうですから、それ以前のネガティブ情報はこれまで通りの難解な検索方法で探さなくてはなりません

 だからこれらの対象に事業者は、10月以降に処分を受けないよう事業のあり方をちゃんと改善しておかなくてはなりませんね!

 交通運輸にだけ関していえば、運行の安全確保、環境への配慮、安全衛生の確保など法令を遵守するのにはたいへんなコストが掛かります。

○ 保安設備の設置、機材や車両の点検整備、運行管理者や保安要員の配置、乗務員の教育訓練、過労運転の防止など
○ NOx・PM法への対応、バリアフリーの対応など
○ 労働基準法など労働諸法制の遵守、健康診断や長時間労働防止対策など
○ 労働保険料・社会保険料の負担、事故の場合の損害補償対策など

 しかし現実にはこれらのコストを適正に支払わないで平気で運行している事業者も少なくありません。
キチッと法令遵守している事業者は、そんな違法業者と運賃や運行などの競争をさせられているわけです。

 利用者の安全と安心をキチッと担保して同じ条件のうえで適正な競争をすべきです。

 「悪貨が良貨を駆逐する」

トラック事業(貨物自動車運送事業法・貨物運送取扱事業法) 1990年12月
航空事業(航空法)・貸切バス(道路運送法) 2000年2月
鉄道事業(鉄道法) 2000年3月
路線バス・タクシー(道路運送法) 2002年2月

それぞれ、参入規制と運賃・料金規制が大幅に緩和されました。

 規制緩和によって、サービスや運賃・料金の多様化が促進されたのですが、過当競争、収益性・採算性の悪化など熾烈な市場競争に直面し、不採算路線・不採算部門からの撤退や各社のステータスの低下が起こっています。

 市場競争が悪いと言うつもりはありませんが、しかしその規制緩和による競争は法令などを遵守した「適正な競争」のもとでおこなわれるべきです。
そのためにも、10月からの「ネガティブ情報等の公開方法の改善」が、適正競争に少しでも寄与してくれたらなって願うばかりです。

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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ネガティブ情報等の公開?! (まるなか)
2007-04-19 23:33:13
?それ。
全然知らなかった。
ちょっと勉強してみます。事業者にとっては厳しいだろうがちょっとした緩みから全て崩れてしまうごごじせい時世ですから、こうった情報の公開が世直しにつながればいいですな
  新しいもん (  まるなかさんへ)
2007-04-20 00:12:05
  検討されていたのは知っていたけど、かなり早い結論でびっくりやもん!

  やっぱキーワードは「コンプライアンス」ですもんね。

  すべてのステークホルダーに対して!
ふ~ん (まるなか)
2007-04-20 21:05:39
コンプラコンプラコンプラ。
利害って利と害って書くやん、ステークホルダーって重い意味があると思うのよね。責任とか認識とかって。

以前よりはコンプラに関して、かなりの範囲で理解を得やすくなった気はしますよ。法の遵守の認識が、社会的な責任という観点で考えるようになってきつつある。
  そうですね。 (  まるなかさんへ)
2007-04-20 21:44:57
  コンプライアンスって言葉が一般的になったこと自体がスゴいこと!

  それだけ反面教師になった会社・事例がたくさんあったから。

  ステークホルダーも最近、市民権を得た言葉。

  コンプライアンス【compliance】の本来の意味は、後ろにwith○○を付けて、
  ○○の命令に従うってことですよね。
  法令遵守は「超訳」と思う。

  ステークホルダー【stake holder】も本来は賭金預り人だよね。
  利害関係者は「超訳」だよ。
  
直訳でなくか。 (まるなか)
2007-04-20 23:46:39
やっと思い出した、これつながった。
ネガティブ情報という言葉初めて耳にしたけれど、国交省が耐震偽装や鉄道事故を受け行政処分など処分情報を公開ってヤツでしたね。
覚えておきます、情報はなるだけ使わないとね。ありがとうございます。

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