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「電通の残業協定「無効」 社員が一時違法状態に」について←ユニオンショップ協定を結んでいる労働組合は要注意

2017-07-12 | 書記長社労士 労働組合
 本日から、うちの組織の結成70年の節目となる、第84回定期大会がスタート!


 ところで、先日の朝日新聞に【電通の残業協定「無効」 社員が一時違法状態に 東京地検 朝日新聞7/8(土) 5:30配信】という記事があった。
「本社の労組の加入者が従業員の半数を超えていなかった」ことが原因で36協定が無効で、結果、違法に法定外時間外労働をさせてしまったことになったということ。(記事の全文は末尾に)

 労働基準法では、原則、1日8時間、1週40時間を超えて働かすことは禁止されているが(原則、残業は禁止やねんで!)、特別に(特別やねんで!)、「事業場の過半数で組織する労働組合または過半数を代表する者」と、時間外労働に関する協定を締結して、労働基準監督署に提出すれば、例外的に(例外やで!)、原則の労働時間を超えて、働かせることが可能となり、事業者は罰則(6箇月以下の懲役又は30万円以下の罰金)を受けることも無いと定められている。
この労使協定を「36協定(さぶろくきょうてい)」と呼び、この効果を「免罰効果」という。

 事業上で過半数を組織する労働組合があれば、そこと話し合って協定を結べばいいので、手続きは簡単なんだが、そんな労働組合が無いと、事業場の過半数を代表する者を選任しなければならず、その選任の手続きが、「実は」厳格で、煩わしい。
しかしながら、過半数労働組合が無いところ、いや、そもそも労働組合が無いところ、ってな事業場では、さっき書いた「実は」ってなところを知らずに、ええ加減な選任をしていることも多くて、そこはそこで問題なんだが、そのことを説明するのは、今日のところはちょっとおいといて。

 問題は、この過半数を見るときの分母(労働者の数)だ。
「過半数」の算定には、労働者であれば管理監督者、出向労働者(時間については受入、賃金については支払労働者)、送り出し派遣労働者、パートやアルバイト、さらには時間外労働が制限される年少者等(昭和46年1月18日基収6206号)、協定の有効期間満了前に契約期間が終了する労働者(昭和36年1月6日基収6619号)をも含むとされている。
正社員だけでは無いのだ!
(ちなみに、「解雇係争中の労働者(労働基準法に違反しないと認められる場合。昭和24年1月26日基収267号)、受入れ派遣労働者は含まない」とされている)

 ここで、その分母でカウントしなければならない労働者数を間違えると、今回の電通のように「正社員の労働組合には過半数が加入していたが、非正社員が増えたことで全従業員に占める加入者が半数を切ってしまった」ということが起こる。
会社と組合で、ユニオンショップ協定(社員は全員、労働組合の組合員でなければならない)を締結していると、そこの労働組合は社員の100%を組織する労働組合だと思い込んでしまうからだ。

 しかし実際に職場には、パートやアルバイト、有期雇用など、正社員で無い労働者がいて、最近では、定年後再雇用の労働者がいて、と、多様な働き方の労働者が存在するが、そのような労働者を、労働組合員にしていない場合に、正確に総労働者数をカウントすると、その労働組合は、事業場の過半数を組織する労働組合とならない場合があるのだ。
今一度、事業上の労働者数をきちんとカウントして、もし過半数を組織する労働組合になっていなかったら、36協定の締結手続きを見直さなければならない。

 その見直しの方法としては、「正社員」以外の労働者も「組合員」とする(組織化する)、または「事業場の過半数を代表する者を選任」する、ということになる。
なお、労働協約上、組合員の範囲に含まれていなくても、労働組合の規約上、組合員にされていれば(労働組合としては組合員にしているのに、会社がそのことを拒否している状態)、その組合員は、過半数を見る場合にカウントしても大丈夫。
会社が組合員として労働協約等で正式に認めるかどうかは、どうでもいいことであって、それは労働組合の判断でいいのだから。(憲法も労働組合法も、労働組合の組合員かどうか、会社の許可が必要なんて、そんなこと求めていないので)

 昨今、この36協定の問題や、来年4月以降の無期転換社員の対応、そして働き方改革の同一労働同一賃金対策で、会社側から、労働組合員の範囲を拡大して欲しいと、労働組合に申し入れているケースが増えていると聞く。
なぜ、そうなるのかってことは、またいつか、ブログに書いておきたいが、今日はここまで。

 広告大手、電通(本社・東京)の違法残業事件で、東京地検は7日、法定労働時間を超えて社員を働かせるために労使が結ぶ「36(サブロク)協定」が労働基準法の要件を満たさず、無効だったと発表した。1日8時間を超えて働く本社の社員が一時期、違法残業の状態にあったことになる。電通のずさんな労務管理が改めて浮き彫りになった。
 東京地検によると、電通の本社では、残業時間の上限を1カ月あたり50時間とする労使協定を結び、労働基準監督署に届け出ていた。労基法36条は「事業場の過半数で組織する労働組合または過半数を代表する者」と協定を結ぶ必要があると定める。しかし、地検が厚生労働省の押収した資料などを調べたところ、2015年10~12月、本社の労組の加入者が従業員の半数を超えていなかった。地検はこの期間の36協定を「無効」と認定した。
 東京地検は5日、法人としての電通を労基法違反の罪で略式起訴し、本社の部長だった3人を不起訴(起訴猶予)処分にした。3人については「協定が有効であると誤信していた」と判断。地検は、3人が有効だと思っていた協定の上限を超える時間に限り、部下4人に違法残業をさせていたと認定。協定が無効で、本社の社員が違法残業状態にあったことは事件化しなかった。
 電通広報部は取材に対し、「正社員の労働組合には過半数が加入していたが、非正社員が増えたことで全従業員に占める加入者が半数を切ってしまった」と説明。昨年11月の厚労省による強制捜査後に指摘を受け、選出した従業員の過半数代表者と36協定を結び直し、現在は違法状態を解消したとしている。
 ■大手企業では異例
 電通のように、労働法のルールを熟知しているはずの大手企業で36協定が「無効」と指摘されるのは極めて異例だ。
 36協定には、法定労働時間の1日8時間を超えて残業させる場合に働かせ過ぎを防ぐ役割がある。経営側は適正な手続きを経て協定を結ぶ責任があり、労組は協定の内容を厳しくチェックする必要がある。内容に不備があれば、労組が締結を拒否することもできる。
 労組に過半数の従業員が加入しているかどうかは、チェック項目のなかでは基本中の基本。電通の労使がそれを見逃していた事実は、「漫然と前例踏襲で協定を結んできた結果」(森岡孝二・関西大名誉教授)とみられても仕方がない。
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