労組書記長(←元)社労士 ビール片手にうろうろと~

労組の仕事している勤務社労士がもしや誰かの役に立ってるんかな~と思いつつ飲んだくれて書いてるっす~(* ̄∀ ̄)ノ■☆

伊坂幸太郎

2008-10-03 | 📖いい本読んでます?
 

 友人が波乗りに行くときに、車に「貸したるわ」と言って置いていったのことをすっかり失念していた、こないだそれを、ふとしたことから車内で発見、急いで読んだ普段あんまり本を読んでいるとは思えないその友人が何でこの本を買ったのか、そしてなぜ俺に貸してくれたのか、そんなことすらも忘れてしまっていた。で、彼に、「なんでやったっけ?」彼曰く、「本屋でタイトルみて衝動買い、でその話をおまえにしたら読みたいって言うたから、おまえの方が読むのん早いやろうし、先に渡してん。」えっ?そうなん?悪いことしたかも!「でも俺もそのことすっかり忘れていたわ(笑)」この会話で、俺の交友関係を知っている人には、この友人が誰のことかはわかったと思う

 先にフィッシュストーリーを読んでみた。短編が4つ、「動物園のエンジン」「サクリファイス」「フィッシュストーリー」「ポテチ」。巧妙なプロットを、そして独特な世界観がある「セリフ」を軽快な筆致で書き上げてあるんで、「何かが残る・なんだか人生に役立つ」的なことはまったくないんやけど、けどけどなぜか読み応えあり。いくつかの物語が時系列上で絡む構成になっている「フィッシュストーリー」は、かなり映像的なお話で、映画にしたらおもしろいだろうなと思って読んでいたけど、なんと2009年春上映に向けて、伊藤純史主演で撮影が始まっているそうな。しかし一番興味深かったのは、単行本書き下ろしの「ポテチ」。なんだか目の前で場面が繰り広げられていると錯覚しそうなくらい、会話が生き生きしていて瑞々しく、ほんとにすばらしい。映画にするならセリフ回しはまったくこのままでお願いしたい。

 そしてそのままの勢いで「ゴールデンスランバー」を読み出した。まさにJ・F・ケネディ暗殺のオズワルドさながらに首相暗殺の濡れ衣を着せられた男の二日間に亘る逃亡劇を描いたかなりの長編で、5部構成になっているが、最初の第1部から第3部までは、物語の伏線だけで、さほどページ数は割かれておらず、第4部が物語のほとんどを占めているというなんとも不思議な構成。現実の中にうまく嘘をからめてある筆致が、先に読んだ「フィッシュストーリー」で感じたこの作者の特徴なんだなあって思っていたから、こっちの作品で「首相公選制」を物語の伏線として重要な要素としていることで、俺、そこで「ドン引き」そのあたりでかなり読む気が失せてしまったんやけど、気を取り直して読み進めていくうちの数多い登場人物の人物像が一人一人ほんとうに魅力的で、そしてお互いの人間関係を巧妙に絡めてあって文字を読んでいるだけやのに体温が伝わってくるのがすごい。

 仙台が舞台になっている(フィッシュストーリーの中の3作品も)。作者が仙台在住らしく、「(自分が住んでいる町なので)嘘がつきやすいから」彼の多くの作品で仙台を舞台にしているらしい。先日、7月12日~15日の4日間、俺がうろちょろしていた仙台、土地勘が生々しいおかげで感情移入がより容易になったのも引き込まれた理由かな?この作品は2008年の「本屋大賞」受賞、かなり納得。映画化したらおもしろそうやけど、2時間という時間割でいい作品になるかどうかはかなり難しそうだな。この伊坂 幸太郎さんは「死神の精度」の作者であるということを、この2冊を読み終えて知ったのやけど、映画「死に神の精度」の出来を考えたら、この作品は映画化はよした方がいいのかな?今夜、波乗りにいくときに友人に会うから、ちゃんと借りたものは返そうね

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 過労死が原因で過労? | トップ | 浦島太郎さんのウェット選び »

コメントを投稿