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女優列伝Ⅱ 原ひさ子さん2  生産性向上がむずかしい?

2017-07-11 20:05:49 | 日記
A.女優列伝Ⅱ 原ひさ子さん2
 映画の中の、あるいはドラマの中のといってもいいが、「おばあさん」のイメージ、つまり高齢女性がどのような存在として描かれてきたか?それを演じた女優という点からちょっと考えてみた。「老婆」という言葉はいまは日常的に使うのを憚られる語になってしまったが、そこには負の女性性としての「おぞましいもの」、「目を背けたいもの」という霊力を帯びた老いた魔女のイメージと、他方で、「弱いもの」、「哀れなもの」という生命力を失った庇護すべき存在のイメージがかぶせられてきて、いずれにしても否定的なものと見られるから死語に追いやられたのだろう。
しかし、言葉は避けられても、このような「老婆」のイメージには、その人にも若い時があったという動かぬ事実に目をつぶり、若く溌溂と美しいポジティヴな女性性と同時点で対極に置く視線があり、これはどうも男性の視線に傾いているように思う。「若い女は美しい」と「老婆は醜い」が対になっている。それも「おぞましい老魔女」のほうは、生命を産み出す体力と霊力をもはや失っているのに、なお欲望にかられて何かを求めるエネルギーを発揮することを、「おぞましい」と見るのに対し、「庇護すべきおばあちゃん」のほうは、子を産み育て守ってきた母が、衰えてささやかに死に向かっている姿を「あはれ」と感じる息子の視線である。
 たとえば「卒塔婆小町」三島由紀夫(「近代能楽集」のひとつ)が描くのは、そこに過去と現在を交錯させて、若い女であった小町がおぞましい老婆になっているという設定で、夢幻能の演劇的構想を組み立てる。これは「おぞましい老魔女」の時間軸を遡ることで、華やかな若い女を輝かせようという意図がある。これに対し、原爆の被爆後を題材にした「黒い雨」今村昌平(井伏鱒二原作小説から)や、知的障害者を登場させる伊丹十三監督の「静かな生活」(大江健三郎原作小説から)で、原ひさ子さんが演じる「おばあちゃん」は、「老婆」であることを受け容れ、庇護されることを静かに肯定している。原さんは、そうした「可愛いおばあちゃん」を的確に演じている。
 あるいは老人ホームに入る男性高齢者を主人公にした新藤兼人監督「生きたい」での「おばあちゃん」は、加齢のもたらす身体の衰えに抵抗する「ジジイ」の「おぞましさ」を描く中で、その醜く見える抵抗の滑稽さを、さらに反面で浮き出すような存在になっている。これも、逆の形だがやはり男性的な視線を感じる。
 では、「おじいちゃん」と「おばあちゃん」は、入れ替え可能なものとして描かれることは可能か。もし、女性的な視線に立ってみた場合、エイジング問題は「おぞましさ」や「あわれみ」とは別の次元で、どんな描き方ができるだろうか。「おじいちゃん」「ジジイ」の場合、男性作家は好んで生殖能力やエロティシズムの喪失に目を向ける。谷崎潤一郎や川端康成をはじめ、この「ジジイのこだわり」を焦点化した老齢様式を作品化したものは後を絶たない。しかし、女性作家の場合は、どうもそこはかなり違うような気がする。だとすれば、「おばあちゃん」のイメージは違ったものになるはずだ。ただ、それをうまく描いた映画があるだろうか?



B.生産性向上?
 世界各国、とくに工業先進国といわれてきた欧米や日本で、生産性の上昇は近年低下を続けているという。経済成長を可能にした技術革新や貿易と消費の拡大が、停滞しているのがその原因と推測されるが、より深い問題があるのではないか。

「今年の政府・骨太方針の副題は「人材への投資を通じた生産性向上」。働き方改革や規制改革、イノベーションと投資の拡大などで生産性向上を図るという。労働力人口が減り続ける日本では、生産性を高めなければ経済成長を実現できないのは明らかだ。しかしそれは簡単ではない。
 先進国、新興国を問わず世界各国で生産性上昇率は低下を続けているし、その理由もはっきりしない。
 例えばアメリカ。労働市場の流動性が高く企業の新陳代謝も活発で、グーグルやアマゾンといった企業が、先端イノベーションで世界をリードしている。それでも非農業部門の生産性上昇率は、1995~2005年の年平均3.0%から、16年には0.2%まで大きく低下した。
 この事実は、一部の先進的な産業や企業だけで国全体の生産性を上げるのは難しいことを示している。1990年代後半のIT革命期は、インターネットが広範な産業、企業、地域で活用されて生産性が高まり、多様な仕事と雇用が生まれて高成長が実現した。そのようなダイナミズムが失われてしまったことが、生産性低迷と成長減速の背景にある。
 日本はどうか。大企業と中小企業、正規と非正規、東京と地方など経済構造の分断は大きく、成長機会や成果の波及が進まない。生産性上昇を支える労働者のスキルは、企業内教育訓練の縮小や非正規雇用の増大によって劣化しつつある。働き方改革が目指す雇用流動化は、それを増幅する可能性がある。安倍政権は、一部産業・企業の優遇を好むが、それは潜在的な成長産業・企業の存在を見落としている懸念がある。これでは「生産性を上げる」と言われても、信じられない。(山人)」朝日新聞2017年7月11日朝刊、12面金融情報「経済気象台」。

 「経済気象台」の筆者は、この生産性上昇率の低下について、その理由もはっきりしない、と書いているが、大きく見れば資源、人口、そして世界市場の全体構造が、先進各国が利益を獲得してきた基本条件、つまりグローバルへ拡大する市場が飽和し、「発展途上国」が「発展」したことで格差から得ていたうまみのもとが枯渇してきたからではないか。
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