サンアントニオからこんにちは

矯正歯科医な分子生物学マニアがアメリカ(テキサス州サンアントニオ)からお送りするアメリカでのポスドク留学生活ブログです。

NFAT

2007-04-06 | 実験
NFATファミリーは、T細胞が産生するサイトカインIL-2やGM-CSFの転写制御因子と
して遺伝子クローニングがおこなわれたが、心筋、骨格筋、心臓の弁の発生、血管ネットワークの形成、神経ネットワークの形成、軟骨細胞、破骨細胞など様々な組織で機能する分子であることが明らかになっている。
NFATファミリーは5種類の遺伝子、NFAT1,2,3,4,5から構成される。共通の構造は、N末側にあるカルシウム制御ドメインとそのC末側にあるDNA結合ドメインである(図参照)。ただし、NFAT5については、カルシウム制御ドメインを持っておらず、NFATファミリーに含めるかどうか議論のあるところである。DNA結合ドメインはNF-κB/RelファミリーのDNA結合ドメインと類似しており、NFATファミリーはNF-κB/Relファミリーのサブグループとも考えられる。NFATを紹介する時、いつも指摘する点として、その名称の混乱がある。
各NFAT遺伝子の発見者の間で、名称の統一を積極的におこなう姿勢がなく、様々な名称が未だに用いられている。NFAT1-5とNFATc1-4の対応関係が特に問題である。NFAT1=c2、NFAT2=c1、NFAT3=c4、NFAT4=c3、NFAT5には対応するNFATcの名称はない、となる。

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