伊藤浩之の春夏秋冬

日本共産党の市会議員です。市政のこと、政治のこと、身近な花や生き物など思いつくままにつづっていきたいと思います。

いわき市議会6月定例会、全議案可決で閉会

2017年06月22日 | 読書
 いわき市議会6月定例会は、市長提案の議案25件、専決処分2件の承認、人権擁護委員の推薦についての諮問1件を可決・承認し閉会しました。

 また、議会提出の意見書3件と決議1件を全会一致で採択しました。

 採択された意見書は次の3件です。

■福島県農林水産物の輸入規制解除に向けた取り組みの強化を求める意見書
■放射線教育の拡充と学校現場での避難児童生徒への対応を強く求める意見書
■福島県最低賃金の引き上げと早期発効を求める意見書

 また採択された決議は次の通りです。

■北朝鮮の弾道ミサイル発射に断固抗議する決議

 このうち、北朝鮮のミサイル発射に抗議する決議は、日本共産党が提出したもので、自民系の志帥会及び公明党からあった修正要請を受けて修正したうえで、全会一致採択になったものです。

 日本共産党市議団としては、市長提出の議案のうち3議案に反対し、私が討論を行いました。

 以下が討論です。



いわき市議会6月定例会での反対討論


 10番、日本共産党いわき市議団の伊藤浩之です。

 私は議案第3号、議案第5号、議案第11号、以上3議案に反対する立場から討論いたします。



 まず、議案第3号、いわき市個人番号の利用及び特定個人情報の提供に関する条例の改正について、申し上げます

 本案は、個人番号、いわゆるマイナンバーを本市の行う事務に活用するための条例改正案で、新たに特別児童扶養手当の支給に関する事務、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律による費用負担等の支給に関する事務、この2件を個人番号の利用範囲に加え、介護保険法による保険給付の支給等に関する事務に利用する特定個人情報を追加するために、所要の改定を行うものです。

 個人番号制度には情報漏洩の危険が常につきまとう。このことは、これまでもたびたび述べてきました。

 マイナンバーを利用したなりすまし被害の拡大などの恐れとともに、マイナンバーカードを盗用して今年度から運用が予定されているマイナポータルを利用した不正な行政手続きが行われたり、非常にプライバシー性の高い個人情報にアクセスされる恐れも拡大してきます。

 私は、システムのセキュリティー対策にも万全はありえないことを、この間も繰り返し指摘してきました。加えて、この6月定例会一般質問ではヒューマンエラーに触れた発言がされましたが、ここで指摘された問題にも非常に説得力を感じました。

 その発言は、「札幌のマイナンバーを含む個人情報の誤送付や誤配達、そしてスタッフサービスグループ内部の従業員による個人情報の持ち出し、さらには大阪市役所内の事務関連の書類の飛散事故、そして個人情報を含む携帯端末やノートPCの紛失、情報の入ったUSBメモリーの紛失事件。こういったものはシステム上のセキュリティー対策では防げません。このようないわゆるヒューマンエラーによる情報漏洩は、システム上の対策の構築だけでなく、ヒューマンエラーが必ず存在するという前提で、情報セキュリティー対策を考えていかなければなりません。複数の視点でセキュリティー対策を講じたうえで、必ず情報は漏洩するんだという前提でマイナンバーを運用していただきたい」という趣旨の発言でした。

 「必ず情報は漏洩する」。その前提から導き出される結論は、個人情報を危険な状況にさらし、住民に被害を及ぼしかねない事業からは撤退する、というものでなければなりません。

 従って、本市の行う事務で個人番号の活用を広げる本議案には、この個人番号による個人情報の漏洩等の問題を拡大することになりかねませんので、否決とすべきです。

 次に議案第5号、いわき市税条例等の改正について申し上げます。

 本案は、地方税法及び航空機燃料譲与税法の一部を改正する法律が公布されたことに伴うもので、震災などの被災地で被災代替償却資産を取得等した者に、その取得などの時から4年分のものに限り、課税標準を2分の1の額とする規定を定めるなど、所要の改定を行うものです。

 この中に、地域決定型地方税制特例措置、いわゆるわがまち特例の導入に伴い、保育の受け皿整備の促進のため、対象資産に係る課税標準の特例措置として、家庭的保育事業等に利用する家屋及び償却資産と企業主導型保育事業にかかる固定資産に対する課税の特例割合を2分の1と定めることが入っており、ここに問題がある考えます。

 子育て支援策を強化していくことは、本市のみならず、全国の大きな課題です。

 2015年、平成27年3月17日の参議院予算委員会で、安倍総理は、我々新しい政権がスタートして、5年間で40万人分の保育の受皿をつくるとして、待機児童ゼロを2013年、平成25年の政権発足ら5年にあたる2017年末までに達成するとぶち上げました。

 この「待機児童解消加速化プラン」に沿った政府の取り組みは、結局、抜本的な待機児童解消策とはならず、政府は達成が困難だとして、達成時期を2020年度まで引き延ばすことにしました。待機児童を抱え、自分もこの社会で生き生きと働きたいと願っている多くの親たちを、落胆させることになりました。

 そもそもなぜ待機児童ゼロを目標通りすすめることができなかったのか。それは政府の政策自身に問題があったからにほかなりません。

 政府は、待機児童ゼロに向けて、保育の受け皿の拡大と、保育者の待遇改善を打ち出しました。

 保育の受け皿では、保育所等の整備に対する補助率のかさ上げや保育事業の類型を増やすことで受け皿の拡大をすすめることにしていました。

 保育士の確保策として、新卒の保育士を確保するとともに、保育士の就業継続に対する支援や保育士の処遇改善を図ることに取り組むなどをあげていました。

 ところが、保育の受け皿の拡大策を打ち出しながら、一方では、狭めるような施策をすすめました。公立保育所の運営費や施設整備の財源に対する国庫補助が削られたために、公立保育所による待機児童対策にブレーキがかかりました。加えて、公立保育所の縮小や統廃合を促進するような、新たな計画づくりを自治体に求めました。これらは、待機児童対策に逆行する施策と言わざるをえません。保育士の確保に関しても、本来、必要な全体としての保育士の処遇の底上げを図らずに、部分的な対応にとどまってきました。

 こうした結果、「待機児童解消加速化プラン」にもとづく取り組みでは、公約通り待機児童ゼロを達成できず、新たな計画である「子育て安心プラン」を策定せざるを得なくなったのではないでしょうか。

 この問題ある「加速化プラン」に盛り込まれた保育事業の類型が、今回提案された課税の特例課税の対象となる、家庭的保育事業等や企業主導型保育事業です。

 この家庭的保育事業等や企業主導型保育事業については、子ども・子育て支援新制度で新たに位置付けられたものでした。私たちは、この保育事業が導入される際、2つの問題点を指摘しました。

 一つは、保育士の配置基準に、保育資格を必要とせず、研修のみでよいとされる保育者が含まれている点です。

保育の有資格者に代わって配置できる職員は、国の省令に基づき、保育士または保育士と同等以上の知識と経験を有すると認められる方で、国が定める研修の修了が必要とされております。しかし、大学あるいは短大等で学んだ有資格者と比べれば、十分な研修が保障されているとはいえず、保育の質の低下が懸念されています。

 保育士の資格を持ちながら保育士に就労しない、いわゆる潜在保育士が2015年の厚生労働省調査で76万人いるとされています。この有資格者たちを保育の場に引き戻し、学んだ知識と経験を生かした保育に取り組んでいただくことが何よりも大切です。

そのためには、有資格者が保育を離れる要因の一つとなっている、保育者の待遇を全体として引き上げる抜本的な改善こそ必要です。ところがこれを先送りしながら、資格を持たない保育者を導入していく。これでは、本質的な問題解決につながらないのではないでしょうか。

 ましてや企業主導型保育では、保育の有資格者は保育従事者の半数で良いとしています。残り半分は「子育て支援員研修」を修了した者で良いとされている。だからこそ企業主導型保育では、保育の質の低下が懸念されております。

 また、この企業主導型保育は、育児休暇・介護休暇をもっと取りやすくしたり、時間外勤務や深夜業は制限されることなどを定めた「育児・介護休業法」に逆行しかねないという指摘もあります。日曜日、祝日、夜間など、企業の都合が優先された就労を支える仕組みになっているため、過度に早期復職を促してしまいかねないと指摘されているのです。

 私は、この企業主導型保育に対する姿勢で揺らいでしまったことがありますが、学べば学ぶほど、この仕組みには問題があるということを痛感しております。

 2つには、食事の提供の問題です。

 自園調理を基本としながらも、調理業務の委託を容認していますし、連携施設などからの外部搬入も認めています。

 より安全な給食の提供、あるいは食育の上からも、また、体や脳の発達の著しい幼児期において、大切な栄養士により管理された給食を提供するうでも、自園給食とし、調理員の配置も基準とするべきであり、この面でも問題があります。

 以上、家庭的保育事業等や企業主導型保育の導入をすすめることになる条例改定案には問題がありますので、否決とすべきです。

 次に議案第11号、平成29年度いわき市国民健康保険事業特別会計補正予算、第1号について申し上げます。

 本案は、本年度の国民健康保険特別会計の収支を算定した結果、約4億円の赤字と見込まれるものの、2016年度、平成28年度からの繰越金により、事業運営は可能と見通せるとして、今年度の国保税は、現行のまま据え置くことを前提に編成された補正予算案です。

 昨年、私は、国民健康保険特別会計で数年にわたって20億円を超える繰越金を出している現状を踏まえれば国保税の引き下げをはかるべきという視点から一般質問を行いました。

 ただ、昨年度についてはその時点での処置が、「次年度以降を見据えての判断ということから、現実に来年度、今年度の国保会計がどんな決算になるのか、しっかりと見きわめていきたいと考えております」と述べて、国保税を据え置くことにした国民健康保険特別会計に反対する立場はとりませんでした。

 1年が過ぎ、今議会に2016年度・平成28年度の決算見込みを受けて、新年度の国保税の本算定予算案が提案されました。

 その中では、本年度の国民健康保険特別会計は、約4億円の赤字と見込まれるものの、2016年度からの繰越金により、事業運営は可能であるとの見通しとなったことから、2017年度の国民健康保険税率は、現行のまま据え置くことにしたとしています。

 繰越額を見ますと、2016年度、平成28年度については、昨年の本算定時に6億円の赤字が見込まれるとされていましたが、蓋をあけてみれば、実際の赤字額は約300万円にとどまり、単年度でほぼ収支の均衡が図られたこと、及び前年度からの繰越金が見込みより3億円増加したこと等により、繰越額は前年度と同じ約27億円という結果となりました。

 前年度に続き、今年度も繰越金が27億円確保されている。この現実から考えれば、国保税を引き下げ、加入者のくらしを支えることに繰越金を使う、こうした考えで予算編成をすることが必要だったと考えます。

 提案では、繰越金のうち3億円は今年度の事業運営につぎ込み、残り24億円は国民健康保険基金に積み立てることにしております。

 基金に積み立てる理由は、「国が示す、財政基盤を安定強化する観点」と「繰越金の使途を明確にする目的」としています。その上で、今後の基金の活用については、2018年度、平成30年度からの国民健康保険事業の都道県単位化で、国保税が県内統一がされるまでの当面の間、市が独自に税率を決定することから、単年度収支に赤字が生じた場合、この補てん財源として活用するといいます。

 そして、国保が都道府県単位化する2018年度の本市の国保運営を現時点の状況で見通した場合、約4億円の赤字が見込まれる、と答弁しました。

 国保の算定は、おおざっぱに言えば、本年度必要な医療費の総額を見込んで、そこから国県の負担分等を差し引き、残った分を国保税として加入者から徴収することになります。

 この国保の会計はあくまで必要な項目を見込みによってはじき出しており、見込み違いが生じることはある意味当然と言わなければなりません。

 2016年度についても見込み違いがありました。

 収入では、現年度分及び滞納繰越分の調定額が増となったり、収納率が86%から86.47%に改善することなどで歳入で2億円の増となる見込み違いなどがありました。

 一方、支出では、被保険者数及び一人当たりの医療費が見込みを下回ったことなどにより、歳出額の合計で約4億円の減となる見込み違いがありました。収入と支出の合計で約6億円の見込み違いが生じることとなり、収支の均衡がほぼ図られることになったのです。

 こうしたことを考えれば、将来の懸念を根拠にして、24億円もの基金を積み立てをする必要があるのか。私には決してそのようには思えないのです。

 仮に、国保税の収入割を1%引き下げた際の所要額は約3億円とされました。基金に積み立てる24億円のうち3億円を引き下げに使ったとしても、本市の国保税には約22億円の基金が残ることになります。

 仮に現行税率で来年度以降、4億円の赤字が続くとした上で、今年度約3億円の引き下げをすれば、赤字額は7億円になりますが、それでも3年分の財源を確保できることになります。

 その間は推移を見極めながら、次の国保税の在り方について検討していくことは、十分に可能なことになると思います。

 一般質問でもありましたが、本市のモデル世帯となる40代の夫婦2人世帯で、夫のみの所得が200万円の世帯の場合、国保税は32万5,900円にもなります。これを支払えば手元に残る生活費は、わずか約160万円です。暮らしが厳しくないはずがありません。

 本市の場合、法定減免は議案第7号、いわき市国民健康保険税条例等の改正についてが可決した場合には63%に達するといいます。それだけ生活が厳しい世帯が多いということができると思います。こうしたことを考えた時に、少しでも国保税を引き下げてほしいということが、国保加入者、市民の願いではないでしょうか。

 昨日新聞を開いていて、こんな記事が目に入りました。「住みよさランキング、本宮市全国50位、9年連続県内トップ」と報じた記事です。

 住みよさランキングは、東洋経済新報社が全国の都市を対象にまとめているもので、全国814市区を対象に「安心度」「利便度」「快適度」「富裕度」「住居水準充実度」の5項目について、各種統計調査をもとに順位をつけたものとされています。

 その記事に本市も紹介されているかと思って、興味をもって読み進んでいきました。残念ながら、本市の名称は出てきませんでした。

 県内13市では、本宮市の総合50位を筆頭に、相馬市が151位、須賀川市が同178位、南相馬市が277位、白河市が285位で続いたとされ、ここに名称の出てこない本市の順位はこれより低いということになります。

 この算出根拠に、国保税率が直接入っているわけではありません。しかし、国保税の引き下げが、例えば可処分所得を増やすことによって、小売業の年間商品販売額を増加させるなど、本市の住みよさランキングを押し上げる効果を発揮することは間違いありません。

 あらためて本市の国民健康保険特別会計の繰越金を見てみますと、2012年度、平成24年度に繰り越された額が約14億5,500万円、平成25年度は約27億9,900万円、平成26年度は約24億5,400万円、平成27年度は約30億7,100万円、平成28年度は約27億2,100万円、そして平成29年度については27億1,800万円が見込まれております。

 こうした現状を踏まえた時に、本年度の国保税は引き下げを図って加入者にその繰越分を還元するべきと考え、現行税率に据え置くことを前提にした2017年度、平成29年度の国民健康保険特別会計補正予算には問題があると言わざるを得ません。

 従って議案第11号は、否決とし、改めて国保税率の引き下げを図った形で再提案することを求めるべきです。

 以上、議案第3号、議案第5号、議案第11号について討論してきましたが、満場のみな様の絶大なるご賛同を心からお願いしまして、討論を終わります。


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