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ボブ・ディランのノーベル賞受賞を祝って(こじつけ)

2016-10-17 13:55:25 | 音盤ノート
Dire Straits "Brothers in Arms" Vertigo, 1985.

  ノーベル財団はボブ・ディランと連絡がとれたのだろうか、などと考えながら思いだしたのがこのバンド。パンク全盛時代の英国になぜか登場した、ボブ・ディランのフォロワーである。オーソドックスなカントリー、ロカビリー、フォーク・ロックに、巧くて渋いギターソロとディラン風のボーカルがのるというスタイル。ギターとボーカルがMark Knopflerというこれまたおっさん風のルックスの持ち主で、全然かっこ良くなくて、「30歳以下お断り」のような音楽である。

  しかしながら、確か1980年代末ぐらいまでは、このアルバムが「英国でもっとも売れたアルバム」だったはず(今は異なる)。MTVを批判した'Money for Nothing'が米国でもヒットして──皮肉なことに、アニメーションを用いたビデオクリップの出来がよかったため──、日本でもこのアルバムの時だけ収録曲がラジオでかかっていた。しかし、売れてはいたが時代の主流のスタイルとかけ離れており(というか時代遅れだった)、評価されることの少ないグループである。

  1990年代に、失業した男たちがプライドをかなぐりすてて全裸ダンサーになるために奮闘する『フル・モンティ』という英国映画があった。劇中、興奮してしまった登場人物を鎮めるために周囲いる一人が「何か退屈なものを考えろ」とアドバイスするシーンがある。その際に、周囲にいた全員が一致して「ダイアー・ストレイツ!!」と答えるのには笑った。まあ、あちらではそういうイメージなんだろう。

  でも当時のパンク/ニューウェーヴ至上主義を離れて聴いてみれば、決して悪い作品ではない。曲のバラエティは広いし、意外とシンセイザーを効果的に使っているし、スローな曲でも少ない音のギターソロで緊張感を高められる技術がある。数枚ある他のアルバムも完成度が高く、このような優れたフォロワーを持ったディランの偉大さも分かるだろう。歌詞については知らないが、音楽性はディランより高いと思う。

  注意すべきは、このアルバムはCDとLPの代わり目の時代の発行されたために余計な実験をしており、CDとLPの収録分数が異なっている。CDは数曲でフェイドインとフェイドアウトが長めにとられたロングバージョンとなっているが、その部分に工夫があるわけでもなく、いかにも冗長である。LP盤のほうが密度が高く、こっちが標準だったら後世の評価は変わったかもしれない。いや、変わらないか。
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