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リスナーの期待と本人たちがやりたいことにズレ

2016-12-28 21:31:30 | 音盤ノート
Tom & Joy "Antigua" Yellow Productions, 2005.

  ボサノバ要素のあるフランス産アシッドジャズ。このデュオは、一作目の名義がTom & Joyce、次の編集盤の名義がTom & Joyce Hoze、オリジナル二作目となる本作の名義はTom & Joyとなっていて、ややこしい。なお日本盤にはボーナストラックとして、アルバムタイトル曲のリミックスと、デビュー曲'Vai Minha Tristeza'の日本語ヴァージョンが収録されている。後者は日本語云々以上にアコースティックなアレンジが聴かせる。

  収録曲はアコギが活躍する爽やかな曲と、ファンキーな曲の二つに分離している。冒頭1曲目こそAntonio Carlos Jobimの名曲'Meditation'で一作目のボサノバ路線を踏襲しているものの、続く2-3曲目はブラス隊が活躍するアシッドジャズである。どうだろう、大半のリスナーは、このアルバムの洗練されたジャケットやデュオ名からボサノバのほうを期待して聴いているのではないだろうか。全体としてはバラードやボサノバ系統のゆったりした曲のほうが多いのだが、数曲あるファンキーな曲がアクセントというには目立過ぎてしまっており、アルバム全体の統一感を損ねている気がする。それらを飛ばして聴けばなかなか佳曲揃いの作品といえるだろう。

  これが彼らの最後のアルバムで、調べてみるとThomas Naimの方は現在もソロで活動しているよう(ジャズロック?)だが、Joyce Hozeの方は何をやっているのか不明だった。一作目ほど話題にならなかったので、たぶん売れなかったのだろう。また、本作でファンキーな曲にチャレンジしているように、本人たちもボサノバよりもジャズのほうに関心が向いていたという事情もあると推測する。
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