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説明は薄いが最近の健康関連疑似科学を通覧できる短い本

2017-07-15 14:28:13 | 読書ノート
左巻健男『暮らしのなかのニセ科学』平凡社新書, 平凡社, 2017.

  疑似科学糾弾本。著者は、『水はなんにも知らないよ』(Discover21, 2007)をなども書いている理科教育学者。トピックとしては次のものが採りあげられている。「がん」治療をうたういくつかの薬、がんの放置治療、サプリメント、さまざまなダイエット法、血液サラサラ、経皮毒、デトックス、食品添加物を控えること、ミネラルウォーターの衛生度、アルカリイオン水、悪玉活性酵素除去水、水素水、ホメオパシー、波動、マイナスイオン、ゲルマニウム、プラズマクラスター、抗菌商品、EM菌、などなど。

  挙げられたトピックを見ればわかるように、内容はてんこ盛りであり、説明は要点のみで詳細とは言い難い。疑似科学推進者の主張を採りあげていちいち丁寧に論破してゆけば、それぞれのトピックで一冊の本ができるだろう。だが、そういう作業を避けて「最近の疑似科学的主張を簡単に通覧できる」というのが本書のメリットである。ロジックさえ掴めればよいので、詳細な批判本よりわかりやすいとも言える。最近はEM菌が義務教育の領域に入り込んでいるらしく、特別に章が割かれて批判されている。EM菌に関しては著者と推進者の間で訴訟になっているようだ1)

  疑似科学的な言説が教育の世界に入り込むことは小中学校のみならず、大学でもよくある。話しかけかたによって水の結晶が変わるとか、体の末端には毒がたまるのでエビのしっぽは食べてはいけない、などと本当に信じている大学教員に僕は出会ったことはある。また血液型性格診断を信じる大学教員はごく普通にいる。なので、大学教員の専門領域以外の知的レベルをそう簡単に信用してはいけないということは強調しておきたい。面倒を避けるために僕はいちいちそういう話に反論したりはせず、スルーしているのだが、駄目だろうか。

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1) 著者ブログによれば、暗黒通信団から『EM菌擁護者と批判者の闘い』を上梓するとのこと。
  http://d.hatena.ne.jp/samakita/20170711
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