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テクノとしてふつうに良作

2009-12-17 08:39:43 | 音盤ノート
Carl Craig / Moritz von Oswald "Recomposed by Carl Craig & Moritz von Oswald" Deutsche Grammophon, 2008.

  カラヤン指揮ベルリンフィルによる1985-87年の録音(オリジナルは下記1参照)をもとに、米独の二人のエレクトロニカ系ミュージシャンが曲を再構成した作品。レーベルがクラシック専門のドイツ・グラモフォンだが、中身は完全にテクノである。

  Carl Craigのアルバムを聴くのは久々で、10年以上前に、名作の誉れ高い"More Songs About Food and Revolutionary Art"(SSR, 1997)を聴いて以来。そのときは、目新しさの少ないシンセサイザーミュージックという悪印象しかもたなかった。ちなみにMoritz von Oswaldについては全然聴いたことが無い。

  このアルバムは全部で8トラックあり、前半(トラック1-5)と後半(トラック6-8)に分かれる。前半はラベルのボレロを下敷きにして始まるが、曲が進行してゆくと完全にテクノのオリジナル曲になる。後半は、スペイン狂詩曲の冒頭部分をサンプリングして反復・展開させてゆく作品。原曲の骨格は残っていない。

  シンセサイザーによる前述の"More Songs"に比べて、オーケストラの音を元に使ったこの作品は一音一音が厚く聞こえる。また、トラック4と5はテクノ曲として素晴らしい。それらの点でこの試みは成功だったと言えるだろう。

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1) Herbert von Karajan ; Berlin Philharmonic Orchestra "Ravel / Bolero, Rapsodie Espagnole ; Mussorgsky / Pictures at an Exhibition" Deutsche Grammophon, 1993.
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