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英国風の米国産「異種ジャンル混交」黒人音楽

2017-03-20 23:02:36 | 音盤ノート
Khari Simmons "Sunflower" Miramar, 2013.

  アシッドジャズ。ボサノバを採り入れたフュージョンかつジャズファンク。Khari Simmonsの初ソロアルバムである"Clementine Sun"(Solunari, 2012)の曲順を変更し、追加曲やリミックスを加えた日本編集盤である。ジャケットもジャズレーベルのCTI風に変更されている。ゲストとして、Incognito, Julie Dexter, India.Arie, Sabrina Malheiros, Monday満ちる等が参加している。

  収録12曲中の6曲がシモンズのオリジナル(共作含む)で、残りは他人の作品。Stevie Wonderの'Never in Your Sun'と英国のロックバンドKeaneの'Is It Any Wonder?'のカバー以外は初出不明。Jiva (参考 1 / 2)のサウンドからの大きな変化はないものの、オーガニックな感覚というか「知り合いが集まって作りました」的な手作り感は微妙に後退し、プロフェッショナル音楽家によるジャストなタイム感覚での手練れた演奏を聴かせる。インスト曲ではホーン隊が活躍しており、ジャズ的な面も強く見せる。ソウルとジャズの垣根を気にしない佇まいは米国的というより英国的である。

  良作ながらあっさり気味に展開してしまうJiva二作と比べると、ゲストが多彩なこのソロ作のほうがメリハリがあってより楽しめる。クオリティは高い作品なのだが、注目されないままのようであり、アトランタを離れて英国移住すべきではないか、などといらぬことを考えてしまう。
コメント
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