イキイキと生きる!

縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

激しい憎しみから和解をもたらせるだろうか (間を考える旅 7/10)

2017-12-18 | 旅・雑記帳

 興福寺に行ったところ、宝物館はちょうど工事中で阿修羅像などを拝観できなかったが、山田寺の仏頭(国宝)は東金堂で拝観できた。しかも、その時まで知らず驚いたが東金堂の本尊は後世のもので違うが、日光菩薩と月光菩薩は山田寺から白鳳時代のものということで一緒に拝観でき感激を新たにさせていただいた。

 五年くらい前から、持統天皇を中心に飛鳥や奈良を旅するようになったのだが、その時以来、山田寺は深い関心の的であった。というのは、山田寺は持統天皇の祖父である蘇我倉山田石川麻呂の寺であるからだ。石川麻呂は大化の改新で鎌足や中大兄皇子と共に働き、その後要職を占めたものの、どういうわけか蘇我日向の讒言で一族(女子の持統天皇は免れた)が滅んでしまうのだ。石川麻呂謀殺の蔭には持統天皇の父である天智天皇も関係していたとする説もあり、当時の関係者の愛憎の深さに身震いしてしまう。石川麻呂が自害した場所も山田寺だったのであるが、持統天皇の父の天智天皇の時代から再建が始まり、持統天皇が壬申の乱で政権をとってからは、山田寺は復興・発展し、685年には丈六の本尊(今回東金堂で拝観した仏頭のお像)が完成し、平安時代には藤原道真が訪れたりしている。その後中世に廃寺となるが、この薬師三尊像は運良く興福寺に移転されたようだ(強奪されたという説もある)。その後紆余曲折があったものの、1937年に仏頭が再発見されるなどし今に至っている。

 

 

 古代は石川麻呂事件、山背大兄皇子事件など政治的な一家自害等の悲劇が起こっている。その憎しみや怨霊への恐れなどは実におぞましいが、それは、遠い話ではなく今でも世界を滅ぼすような国際的な戦争や対立から、私達の日常に散見できる不仲や喧嘩にまで及ぶようである。

 激しい怒りや憎しみ。それは、もう修復不可能で、和解と平和は絵にかいた餅ではないだろうか?こころ(成育史)と身体だけからなるとする人間であれば、多分、そのように修復不可能で果ては暴力や排除、時には殺戮までもたらすかもしれない。人間とは、そこまで時に簡単に行く存在だと思う。ただ、人間がこころ(成育史)と身体以外に愛そのものの神秘的な何か(魂)があると信じると別のものが見えて来るようだ。

 愛そのものの魂が相手にも、こちらにもあると信じると、激しい憎悪も客観的に一つの試練としてとらえることもでき、和解と平和への光も感じることができる。実にネガティブな感情ですら、試練克服への大きな意味をもつようになってくる。

 開き直って、排除と憎悪の世界に突き進むのも人間なら、逆に愛と和解の世界に向かうこともできるのではないだろうか。自分の経験からすると、長い人生の中では排除と憎悪へ道をすすむより、愛と和解の世界を志向することが、ドン・キホーテのようでありながら、良いように思う。そして、日本の古代からの歴史には悲惨な排除と殺戮の歴史もあると共に、愛と和解の歴史もあることを忘れてはならないと思う。

間を考える旅 7/10

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 生き方へ 人気ブログランキングへ <・クリック応援いつも感謝しています!

 ------------------------------------------------------------

縄文中期の関東・中部地方を中心にした愛と魂の物語です。

「縄文小説 森と海と月 ~五千年前の祖先の愛と魂~」購入方法

1.紙の本の入手については・・・

  四ツ谷サンパウロ書房さんへ 定価(1,500円+税)送料別。

  電話:03-3357-8642(書籍・視聴覚)

    住所:〒160-0004 東京都新宿区四谷1-2  

2.電子書籍版は定価(1,000円+税)でアマゾンさんで、

  Kindle unlimitedでも読めます。サンプルもあります。

縄文小説 森と海と月: 五千年前の祖先の愛と魂

森 裕行


  なお、カスタマーレビューを書いていただけると励みになります!

 尚、私の電子書籍は現在この縄文小説だけです。同姓同名の方の

 著作がありますのげご注意ください。私の著作の確認はこちら

 ------------------------------------------------------------

+++スマートフォン等のブログ表示で心理学関係の広告が掲載されることがありますが、私が推薦しているわけではありません。ご注意ください。 

 

 



コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。