歌舞伎芝居日記

10年の歌舞伎芝居を振り返るタイムスリップ日記。

四代目尾上松緑襲名披露・五月大歌舞伎(平成14年5月)

2010-02-20 01:42:32 | 日記
5・6月は2ヶ月続きの辰之助改め松緑の襲名披露興行。今月夜の部は「勧進帳」である。新松緑は顔や声の幼さが気になったが、今回は出から全く変わった。顔は凛々しく、声も太くなってきた。少しづつ弁慶としての違和感が無くなってきたと出の時には感じたが、勧進帳の読み上げ辺りから台詞は元に戻ってしまった感がある。1つは声をつぶしていて、甲の声が出ていなく単調になってしまった。もう1つは富樫の菊五郎が世話に砕けすぎである。情に訴えかけるのは否定しないが、あそこまで砕けると緊張感が無くなる。ただし、そこを除けば品格もあり、当代の富樫である。戻って、新松緑の弁慶は踊りの弁慶である。決まるところの形の良さは若手屈指であるし、延年の舞辺りが見ごたえがあった。もちろん飛六法も若さ溢れながら、形が良いので迫力も倍増する。それにしても襲名とは魔力である。大きく役者が成長するものである。今回の辰之助など昨年の「土蜘」辺りから、幼さが消えつつあったが襲名でさらに変貌した。6月の「船弁慶」はさらに期待したい。そして秀逸は富十郎の義経。滅多に観られないが間違いなく本役である。台詞は謳わず極力抑えている。(弁慶と富樫が、あそこまで世話っぽくなるとやりにくいかもしれないが)そこには冷たさもあり、達観した様子も感じられ、しかもふくよかさも品もある。さらに女形が演じる場合とは違う芯が通った印象を受ける。花道で顔を上げた時の神々しさにも似たものは近年の義経には感じられなかった。それにしても弁慶・富樫・義経を全て本役で演じられる人は富十郎以外いるのだろうか。三津五郎位か。四天王では常陸を松助が受け台詞に手強さがあり結構、団蔵はいい加減台詞を無駄に力むのはやめてほしい。長唄は最初の入りを間違える唄はいるなど締まりが無い。襲名なのだから気合を入れてほしい。(加筆:勘太郎の話を少しだけ。勘太郎はまもなく勘九郎襲名の運びとなっておる。いずれは勘三郎への道が続いているのだろが、芸質から言うと吉右衛門が合っている様な気がする。勘三郎がよく言う中村屋から弁慶のできる役者が出ると言うこと、当然出来なくはないだろう。勘三郎より勘太郎のほうが線の太さがあるだけに十分可能性があるだろう。そうすると勘三郎の名前はどうするのか。七之助は女形だけにイメージが違う。そうなると誰になるのだろうか。野次馬根性で失礼、しかし播磨屋の芸には勘太郎がふさわしいだろう。ちなみ襲名の件はあくまでも妄想であることをお許しくだされ)
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