歌舞伎芝居日記

10年の歌舞伎芝居を振り返るタイムスリップ日記。

Y074 嵐徳三郎(葉村屋)

2010-09-22 08:51:20 | 日記
一番狂言「十六夜清心 白蓮女房お藤」
忘れられない役者である。見た役の中で選ぶとなれば表題の役の存在感に尽きるだろ。正直黙阿弥狂言の感触とは違うのだが、引いて余りあるぼってりとした大きさであった。ここまで厚みのある役者も珍しいかもしれない。そして何度も書いたが「封印切」井筒屋おえんのVTRだ。とにかく色を商売とする人間の色気と冷酷さ。それを包み込む器。人生の苦い部分を知ってるおえんであった。秀太郎、竹三郎ももちろん良いのだが、それとはまた違う雰囲気がある。何度も言うがこのあたりの感覚は当代上村吉弥がきっちりと受け継いでほしい。最後に「本朝廿四孝・筍掘り」母越路で当てた様に、生きていれば時代物の老けが一手独占になったかもしれない。来月秀太郎がやる「盛綱陣屋」母微妙など絶対見てみたかった。大きさと格で圧巻だったろう。あと「近松心中物語」で魅せた丹波屋八右衛門など「封印切」でも見たかった。きっと面白い敵役になったはずであろう。返す返すも残念である、徳三郎は政岡、戸無瀬、玉手御前が出来た。上村吉弥には特に望むが、真ん中をはれるだけの力を付けた上で、最高の脇役になって欲しい。それが必要なのだ。
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十六夜清心
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