歌舞伎芝居日記

10年の歌舞伎芝居を振り返るタイムスリップ日記。

Y073 市村羽左衛門(橘屋)

2010-09-20 22:14:23 | 日記
一番狂言「賀の祝 白太夫」
今考えるともっと見る機会があったのだが、価値が理解しきれていなかった気がしている。例えば表題の役など典型的だろう。確かに義太夫味の薄い人であることは間違いと思うが、それでも今現在の役者と比較すると段階が違う印象がある。そして年功を重ねてきた役者だけが得ることができる滋味など比類の無いものであった。だからこそ今、賀の祝など中々観る気持ちが起きないのである。おそらく今で言えば段四郎になるのだろうが、それ以降ちょっと思いつかないのが現実である。同じ様な意味であるが、出てきただけでピタリとはまっていたのが、「与話情浮名横櫛」和泉屋多左衛門など大店の雰囲気がスッと出る人である。これとは別に晩年には線の太い役も意図的におそらく見本を見せるという意味合いで魅せていた。よくやっている役では「菊畑」吉岡鬼一法眼、「本朝廿四孝」長尾謙信は大きさ、風格、特に堅い雰囲気が富十郎とはまた違う味わいである。また意外なところでは「伽羅先代萩」荒獅子男之助が面白かった。決して声の通りは良くなかったが、形が決まる所は流石である。やはり羽左衛門の晩年でも見られたことは誇りとすべき記憶である。
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伽羅先代萩 与話情浮名横櫛 市村羽左衛門
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