タイトル---聖賢の言は已むことを得ざるなり。第1785号 25.11.15(金)
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聖賢の言は已むことを得ざるなり。『近思録』
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聖人や賢人の言葉は、世を救い、自分を修めるためにのみ、やむを得ずして発したもので、決して無用の言を弄したものではない。
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【コメント】
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今日は墓参りに行って参りました。超多忙の一日でした。忙しいから元気なのだと思います。
標題の言葉は、日々漢籍を読んでいると、そのように感じる局面が多いように思われます。
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今朝の学問館580回。『南洲翁遺訓』追加、七
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〈事の上は、理と勢との二つ必ずあるべし。-----------「理に当たりて而る後に進み。勢を審からして而る後に動く。」ものにあらずんば、理勢を知るものと云うべからず。〉
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何事においても其の対応処分にあたり、必ず「理」と「勢」の二つのことがある。---------「理にあたりて而る後に進み。勢を審らかにして而る後に動く」の通りに行動出来る者でなければ「理性」を知っておる者とは云えないのである。
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「理」とは。「勢」とは。
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「理」とは、天理即天地自然の原理のことであり、「すじ」・条理・倫理など根本にかかわる筋道のことと、道義・道理・義理など物事の筋にかかわる筋道のことと分けることも出来る。
「勢」とは、勢いのことであり、おのずと進んでゆく力。即ち水勢・火勢・地勢などのように天地自然の動きによることと、人の力が加わって変わるもので相手の人によって方策も変化するというものと二つが考えられる。(小野寺時雄著『南洲翁遺訓』)
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短歌の紹介
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社会的偉業を為すと決めたなら
自得でするべし我が力 翫習 『知命と立命』1147
素せずして社会の幻惑流されて
野望を持てばこれ空虚なり 翫習 『知命と立命』148
-----------翫習の巻-----------
世の中は金溜める人使う人
倹約す人浪費する人 6047 『言志録』143
倹約家工場橋と建設し
多くの偉大な仕事成し遂ぐ 6048 『言志録』143
資産無駄浪費する人倹約家
奴隷となるは神の定めぞ 6049 『言志録』148
仲人のお骨郷土に帰りけり
額づき合掌有難きかな 6050 博庵語録