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人に有害なカビ毒!

2008-07-08 20:46:16 | 食中毒に関するメモ
さて、先日は突然の休刊申し訳ございませんでしたm(_ _)m

前回はカビの種類と特徴についてお話しいたしました

今日は、そのカビの中でカビが作り出す代謝産物により、人に有害を与える化学物質『カビ毒』についてお話しします

カビが作り出すカビ毒は、現在約300種類以上確認されています
カビ毒は、熱に対して非常に強く、通常の調理や加工の温度(100℃~210℃)や時間(60分以内)では、完全に分解することはできません。
例えば、ゆでた場合では食品に50~80%のカビ毒が残り、ゆで水には10~15%ほどが検出されます。従って、ゆでるだけではほとんどカビ毒は分解しないことが言えます。
また、油で炒めたり、米を炊飯してもカビ毒はほとんど減らないことが確認されています

では、これら分解することが難しいカビ毒の中で特に食品衛生上問題のある物について以下に示しましょう

 ①アフラトキシン
  ・アフラトキシンには、アフラトキシンB1をはじめB
   2、G1、G2、M1など10種類以上に分類されて
   いる
  ・アフラトキシンB1は、天然物でもっとも強力は発が
   ん性物質
  ・熱帯、亜熱帯地方で、トウモロコシ、ピーナッツなど
   がこのカビに汚染されてアフラトキシンが産生される
  ・中毒症状は、肝機能障害、肝臓がんなどで、カビ毒(
   マイコトキシン)の中でももっとも強う毒性を持つ
  ・主にピーナッツやトウモロコシ、麦などの食品が、貯
   蔵や輸送の管理が不適切であった場合にアフラトキシ
   ンが産生される
  ・真菌そのものは、熱に弱く50~60℃,10分程度の加熱
   で死滅するが、カビ毒(マイコトキシン)は熱によっ
   ては分解することはほとんど不可能
  ・アフラトキシンB1とB2は、汚染肥料を食べた動物
   の体内で代謝されて作られ、乳汁に放出されることが
   わかっている
  ・国産品での検出は報告が無く、ずべて輸入食品

 ②黄変米
  ・米を黄色に変色することからその名がついた
  ・主にペニシリウム属のカビにより起こる
  ・中毒症状は、肝臓障害、腎臓障害、神経毒
  ・東南アジア、エジプトなどに分布し、米がしばしば汚
   染される
  ・代表的な黄変米は次の3種
    a)イルランジウム黄変米
      ペニシリウム・イスランジウム菌によるもので、
     産生する毒素はルテオスカイリン、シクロクロロ
     チン。肝機能障害や長期投与で肝ガンを誘発。
    b)トキシカリウム黄変米
      ペニシリウム・シトリナム菌によるもので、産
     生する毒素はシトリニン。毒素は比較的遅延型で
     腎臓障害を起こす。
    c)トキツカリウム黄変米
      中毒症状として、麻痺、呼吸困難、痙攣を起こ
     す神経毒

 ③麦に関する物
  1)麦角中毒
   ・麦角は、ライ麦、大麦、小麦等の麦の開花期に真菌
    である子嚢菌類による麦角菌が蕾へ感染し、昆虫を
    介して他の穂へと感染させる
   ・麦角は硬く、休止状態で、内部に寄生する麦角菌は
    冬期の寒さや、乾燥に耐えることができる
   ・麦角が脱穀中に除去されないまま殻粉にされ、それ
    を食すことでひき起こる中毒を麦角中毒という
   ・麦角中毒の症状は、急性症状として下痢、腹痛、悪
    心、嘔吐などの消化器症状や頭痛、灼熱感など
   ・麦角中毒の慢性中毒症状は、楔間収縮による下肢等
    (足先)の壊疽による激しい疼痛や、痙攣、てんかん
    様発作の神経症状、知覚障害など
   ・ヨーロッパなどパンを主食とする国では発生率が高い
  2)フザリウムトキシン
   ・畑などの土壌に多く生息し、特に麦やトウモロコシ
    についてカビ毒を作る
   ・日本などの温帯、寒帯に分布し、麦類が汚染され赤
    色に変色したものから、トリコテセン系の中毒を起
    こす
   ・トリコロテレン系カビ毒の中毒症状としては、悪心、
    嘔吐、腹痛、下痢が主で、その他造血機能障害、免
    疫機能抑制作用などがある

 ④オクラトキシン
  ・オクラトキシンA、オクラトキシンBは、アスペルギルス・
   オクラセウスあるいはペニシリウム・ビリディカータムといったカビより
   作られるカビ毒である
  ・オクラトキシンAの汚染は、コーヒー豆、豆類、大麦、
   小麦、はと麦、ライ麦、そば粉などから検出される
  ・感染後の症状は、腎毒性および肝毒性を示す

 ⑤シトリニン
  ・腎細尿管上皮変性を起こすカビ毒
  ・はと麦、そば粉、ライ麦などから検出


以上、健康的に問題を生じるもとは、カビ本来ではなくカビから産生されるカビ毒によって起こることがおわかりになったことと思います

ただ、カビ毒はカビという段階を経て毒性物質が産生されるわけですから、みなさん生活環境上にも気をつけましょう

でわ。。。


参考:食中毒予防必携 第二版(日本食品衛生協会) より一部抜粋
ジャンル:
食と健康・美容
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