明日に向かって撃て

地元の指名娘の家はフィリピンでは一般的な家庭のように思える。
・・私とそう年の違わない両親がいて、何人かの兄弟がいるのだが、当然そのうち一人はオカマ。
怖いけれど家族思いのお父さん。
穏やかな地方都市で両親と暮らしているせいか素直だし、ある程度のエチケットとマナーも身につけている。
しかるに一方、様々な理由で片親しかも都会暮らしだったりすると（お父さんは服役中という人もいたなぁ）「貧すれば貪する」で、
「何でもあり！」、「かまうかや！」になりがちである。
まあ、これも一般的と言えば一般的ではあるが、困ったことに私はこのタイプが好きである。
当然、人生のパートナーを選ぶ時には前者を選択した方が正しい選択だとは思うが、私にはどうしても選べない。いけない、いけないと思いつつ後者を選んでしまう。
平坦で退屈な人生は性格的にそぐわないから仕方ないか。

敵前逃亡

先週の土曜日に、麻雀のお誘いと台風を自分の言い訳にして「買い物・お食事・同伴の３点セット」を延期した。
日本のえらい政治家がよくやる手法で、問題を先送りしただけのことだから、当然、後日にそのツケが回ってくる。
意を決した私はある提案をした。
「買い物は前からの約束だから約束は守ろう。食事も食べないと死んじゃうから食べよう。でも同伴は無駄だろう。二人の将来のためにお金はキープしようよ！」
・・○○総理大臣、どうだろう。私を北海道開発庁（今は国土交通省か）の長官にしてくれたら、巧みなネゴシエーションで北方領土の２つ３つの島を返還させようではないか・・
「素晴らしい考えだわ。ビーチですてきな結婚式をしましょうね。愛してるわ。」
・・４つの島が全部返還されるかもしれないが、その代わり北海道自体を盗られてしまうかもしれない・・
そんなわけで一緒にパスタを食べたが、店に行く時間を過ぎても平チャラで追加のケーキを注文したりしている。
実に太いアマである。そんなふてぶてしい猫のようなところが私は気に入っているのである。

最後の勝者

松坂の好投を見ていると友人から昼食の誘いがある。食事を一緒に終えた後、
「まだ早いから（何が？）スロットでも打ちに行こう」ということになった。
ところが財布を覗くと軍資金がウスく、銀行に行ったのだがカードの磁気に読み取りエラーが起こってお金をおろせない。
「いざとなったら友人に借りればいいや」とお気楽にウスいままで勝負することにする。新台を５０００円打ったがうんでもなければすんでもない。仕方なく青ドンちゃんに移動して４回転目に３連ドンちゃん１確をゲットしその後立て続けにビッグ４連チャン、４００はまったが３連チャンで結局２万円浮く。
・・・そのころ友人は善戦空しく、敗走しはじめていた・・・
後で知ったことだが友人は私よりもさらにウスい勝負をしていたらしい。
（私はそんな奴にお金を借りようと思ったのか！）
あぶく銭ができたから「軽く飲みに行こう！」ということになり彼女に電話をする。
「来るのか？」
「今考えているところ」
「考えなくていい！！」
結局合計２万円を使い切る。最後に勝つのはいつでもフィリピーナだ。

＊ｋｕｌｉｇｌｉｇ＝cicada＝蝉・・フィリピンではクリクリなくんだろうな・・

シャドウシティ

オフィスの窓から外を眺めると今日の東京の街は白っぽい。

雨の日はいつでも憂鬱だし億劫である。
できれば一日中家から出ずにいたいものだがそうもいかない。
明日も雨模様らしいので買い物の約束はキャンセルするつもりでいる。
家で一人で音楽でも聴いているつもりだ。
そういえば、前の家に残してきたオーディオセットはどうなったのだろうか？結構いい音を出していたのになぁ・・
失ったものや、図らずも残してものは美化されるものだが、自分で捨てたものには嫌悪感しか残らないのは何故だろう。

午前３時、非通知

週に１度くらい午前３時あたりに非通知で電話がかかってくる。
大体気がつかないで寝ているのだが、もし気づいたとしても絶対に出ることはない。
しかし、いったい誰なのだろう？
昨日は会社近くの店のババエと、となり駅の店のババエには電話で話しているから彼らではないだろう。
ご近所の店のババエだって普段は通知でかけてくるし、それほど頻繁に電話をかけてくるわけでもない。
いずれにせよ引っ越しておいて良かったのかもしれない。
・・・私の後にあの部屋を借りる人にぜひ聞いて欲しい。
「鍵は絶対に換えておきなさい！」
「チェーンを忘れずに！」
「表札はひらがなで！」

補足：anay＝termite＝しろあり

危ない土曜日

「寒くなったので靴ではなくジャンバーを買ってくれ！」
「いいけど、木曜日が給料日、金曜日は会社の飲み会だから土曜日か日曜日だね。」
「じゃ日曜日・・・（指を折って何かを数えて）・・・だめだ。生理が始まっちゃうから」
「それって体調が悪いって意味で他意はないよね？」
「何？」
「なんでもない。オレにとっては日曜日のほうが安全かなぁ・・・」

無関係の話

友人の所に私の元指名娘がヘルプに来たそうだ。
友人の指名娘は「歌の神様」からほとほと愛想を尽かされているので、この時とばかりに「one sweet day」をデュエットしたそうだ。
人の迷惑を考えない、ウケねらいのナイスな選曲である。
ついでに「whole new world」や「papa ka ba」も歌ったら・・そこまでやるとシャレにならないか！・・

「○○（私のこと）は新しい恋人ができたのか？」と聞かれて
「さあ？」と、とぼけたそうだ。
もし、もう一度聞かれたら正確に伝えて欲しい。
まず、君とは「恋人」ではなかったはずだから、「新しい恋人」という表現は正しくないこと、
次に現在「アサワコ」と調子をこく池袋の女にだまされていること、、、
まあ、私がどんな目にあおうとも君には関係のない話だが・・

地獄絵

久しぶりに地元の店に顔を出した。ヘルプにおばさんがつくが厚かましいにもほどがある。
その１：タタイが２年前に死んだので墓参りに帰るのだそうだ。
「何で死んだの？」「キャンサー」
「いくつだったの？」「９２」
・・生きすぎでしょ！・・ところで君は何才？？？？？
その２：「私ふられちゃったからさ。でもお土産買ってくるよ。何がいい？」
「まさか、オレのこと？？？？？」
その３：「でも彼女とは友達だから、あなたフィリピン来るでしょ。その時には３人でボラカイに行こう。私行ったことないからね。」
！！！絶句！！！
彼女が戻って来たので、
「あのゾンビ何才か知っているか？」と尋ねると
「４０って言っているけど知らない。」と答えたので、
「オレ４８、オレのお父さん７８、わかるか？わかったら２度と彼女のことアテなんて呼んではいけない！マミと呼びなさい。そして老人は敬いなさい！」
「ｏｐｏ」

次のヘルプは厚かましいデブ！（；；）
「痩せないと身体に悪いよ」
「私、すぐに痩せられるから。１週間で３キロ楽勝よ！」
「最低１０週間は続けて下さいね！」

もう帰らして頂きます！

補足：balang＝locust＝イナゴ
locustは農作物に被害を与える群れをなすイナゴやバッタのことで、貪るという意味にもなる。

ビートル

salagubang＝duneは砂丘、beetleは甲虫
（・・ビートルは、カブトムシのことだと思っていたが、蛍やクワガタ、カミキリムシやゲンゴロウ、テントウムシ等、甲虫全般を指す言葉らしい）
日本語にすると砂色したコガネムシといったところか。
どうも、フォルクスワーゲンビートルとカブトムシのリンクが強すぎて、ビートル＝カブトムシだと今まで思っていた。
往々にして、恋愛においても勘違いや思いこみから始まることが多い。
気がつかないでいた方が良いことも多い。

細かいこと

putaktiはイラストで見ればわかるようにミツバチのことである。
今まハチ＝bubuyogと認識していたが違ったていたようだ。
チクッと針をもつ虫という認識では間違いではないが、私にとっては区別されて呼ばれるべきものだ。
フィリピン人はそういったことには実におおらかで適当ある。
さて、友人と「長谷川平蔵のかっこよさ」如いては「男のかっこよさ」について話をした。
「いき」とか「いなせ」の話であるが、鬼平を見ているとつくづく「男はかくありたいものだ」と思う。
しかし、そのことは日本の男だけのこだわりで、海を渡ったフィリピン人に理解されるかというとよくわからない。
もしかしたら、彼らにはどうでもいいことなのかもしれない。

奥が深い

早速、昆虫カードを開封しカマキリを探す。
そうだ3か月ほど前に私を悩ませたあのカマキリである。
何人かのピーナに聞いたのだが、カマキリに相当するタガログ語は誰もわからず、ウイキペディアのタガログ版で調べた結果、mandadankalであることがわかったのだった。
それは英語のmantisが変化したもの（あるいはスペイン語）だろうと推測された。彼女たちにそれを告げると、皆初めから知っているような口ぶりで「マンダダンカル！」と叫んでいた。おそらくほとんどのフィリピン人が滅多に口にしない単語なのだとは思った。
私たちも木や花の名前の一つ一つなんて知りはしない。ましてや元々見たこともない学術名・分類名くらいしか付いていないものの名前を知っているのは専門の学者くらいなものであろう。
だからその時は、フィリピンにはカマキリはあまりいないのだろうとも思った。

「いるじゃん！」

おまけにsamba-sambaなんていう、「いかにも！」って感じの名前が付いている。
まあ女の子は虫の名前なんか知らなくてもまあ仕方がないか。

因みに鎌はkaritカリッ（ト）というらしい。
このように私は興味本位だけで単語を覚えている。
多分かなりの単語を覚えたと思うが、ウケルけど役には立たない。

昆虫カード

どうしても昆虫図鑑が欲しくて某スロット店で軽く勝負をかける。
１万円うわったところで即ヤメしてお店に向かうと、今日はナンバーワン娘の誕生日だった。
直径２メートルくらいの生花が二基（一基推定三万円。五万といわれても不思議ではないくらい豪華）飾り付けてあって、とても賑やかであった。
学生の頃、カップ焼きそばを食べながら麻雀を打っていたら隣の卓の背広のオヤジが出前の寿司なんかつまんでいてうらやましいと思った。
社会人駆け出しの頃、自分の店のようにクラブで振る舞う先輩を見てうらやましいと思った。
今思えばナンデもないことだがそんなことが、当時は「いつかはオレも・・」みたいな、そしてそれが何かをがんばる原動力だった気もする。
さて、そうは言っても、今の自分には全く関係のないことなので、店のイベントを全く無視して二週間ぶりの彼女との再会を楽しむことにした。
お土産は昆虫図鑑ではなく昆虫カードだったが、それでもずいぶん探したのだそうだ。（本当か？）
私は大満足である！
世の中には何をやっても人を苛つかせたり怒らせたりする人間もいれば、その逆にいい加減にやってもうまくいく人間もいる。
それを相性と呼ぶなら彼女との相性はかなり良いと言えるだろう。

お帰り

金曜日に帰国し成田から真っ先に「ただいま」メールをよこした。・・・と言う。
「月曜日に会う？」という内容は先ほどの「真っ先によこした」という言葉とは明らかに矛盾していた。
別に腹も立たない。「しばらくは（お金が）いそがしいからだめだね」と断ると
「私に会いたくないのか？」と脅される始末だ。
確かに昆虫図鑑も欲しい。しかし、高くつくことは容易に想像できる。きっと個人輸入したら１０分の１くらいだろう。
さてどうしたものか？

チクチクする

引っ越しやら何やらで金穴に陥って家でじっとしていると友人から「メシでもおごるから出てオイデ」とのありがたいお誘いを受ける。
食事後、「目標１万円」を合い言葉に低確率パチンコで勝負した。貧しきものに善行を施した友人は見事目標達成！
施された私も６割の目標を達成し、再出禁の店に繰り出した。
とりあえずの指名をして後はかまわずに歌いまくっていると、いろいろなことがチクチクしてくる。
元指名とは狭い店の中でなるべくニアミスをしないようにお互いが意識をして行動するからかえって不自然だ。そんなことからも余計に周りの視線がチクチクと突き刺さる。
同情や反感や無責任な様々な感情は、まるで低周波治療器のようにチクチクとするのだが肩は凝るばかりだし酔いも全く回らない。
２時間で切り上げて（治療を終え）居酒屋で水割りを呑むと一気に酔いが回ってきた。それでも 退屈な休日に彩りを加えてくれた友人には感謝したい。

人の気持ち

昨日は、以前に席を並べて仕事をしていた人と飲みに行った。忘れずに声をかけてもらえることはありがたいことである。彼女は今はメンテナンス系の仕事をしていて、週二回ほど夜中に起こされるのだそうだ。「きつくないの？」と聞くと「そういう仕事がしたかった。」と答える。
そんなこと全く気がつかなかったよ！
本当に人の気持ちはわからないものである。
さて、そうこうしているうちに彼女の帰国の日を迎えた。今頃は支度をして空港に向かっていることだろう。昆虫図鑑が待ち遠しいが会えるのは来週だ。彼女の気持ちも同じようにわからないのだが、それはまあいいだろう。