携帯電話

プリペイド携帯を彼女に届けてもらった。これでJ40とJ20を明確に識別できる。ウスラ1万円の出費だったが一つも痛くない。すぐにJ20から電話がかかってきた。
「ありがとね。マハルコ～あなたにキスおくるよ」と電話の向こうでウマウマ言っている。「あなたキスは？」と催促されるがトノはさすがに恥ずかしいぞ！それでもしつこくせがまれ、やむを得ず「ちゅ！」っと。
あー、また一段階段を上ってしまったようだ・・・・

お殿様

「いま帰ったよぉ！Ｊちゃ～ん」
さっそく会いに行くなんてまるでバカオヤジみたいだがバカオヤジだから仕方ない。
Ｊちゃんを呼びに行く間、しばしヘルプのアテと歓談する。
「何で昨日来ない！普段あまりお化粧をしない彼女がお化粧をして貴方を待っていたのに・・・」
「なんて愛いヤツ」私はバカオヤジを通り越してバカトノになっていた。
「絶対に彼女を騙さないでね！」と釘をさされるが冗談じゃない！

私は人を騙そうと思った事なんてただの一度もない！

結果として守れなかった約束が掃いて捨てるほどあるだけである

しばらくして「あいたかったよぉ！！」と、お化粧を施したＪちゃんが登場する。
「ちこう！」
「こころからあいたいはまことでございますぅ」・・私が中国に行っていた間に変な日本語を覚えてしまったらしい。でも、可愛いからトノは何だって許そう！

勘違い

電話が鳴り出す。画面を見ればＪちゃんだから、すぐにコールバックする。
「ん？彼女電話もってないじゃん！」
あわてて電話を切り、考える。私の脳がコアデュオより速く動くのはこんなときしかない。CPU占有率をmaxにした結果、導き出される答は1つだ。
「やつか！いまさらなんなんだ？」
それは金田一先生が言うように恐ろしい偶然であった。
同じ名前が続くなんてことは！
そこでとりあえずJ40・J20とおおよその年で区別することにした。われながら名案である。上海では自分のノキアをそのまま使うつもりであるが、きちんと表示されるのか不安が残る。

舌のねも乾かぬうちに

大人だから我慢をして帰り家の近くで野菜炒め定食を食べていた。ふと気づくと留守電が入っている。
「わたし・・さびしいです・・」
「ごはん、ごはん、こんな誘惑には負けたらごはんがたべられなくなる」
「あなた・・こと・・すきだから」
「やさい、やさい、今日行ったら栄養とれなくなる」
「あいたいよぉ」
「わかったぁ！ごはんも栄養もかまうか！今から行くからねぇ～」

らん！らん！らん！、RUN！RUN！RUN！

土産

「クムスタカ」
「あまりげんきない」
「バキ？」
「あなたにあえないだから～ミスナキタタラガ～」
給料日前の出張を控えてなければ確実に会いに行っていた。まさか上海まで歩いていくわけにも行かないし、野宿するわけにも行かないので我慢した。
なんて大人なんだろう！
「帰ってくるまで待っててね！お土産持って行くからね」というと
「イカウ」と・・
そうか、ギフト＝お土産だものなぁ

きをつけろ！

「いつもきをつけてね」 ＝"take care always"を直訳したセリフだが、昔は聞くたびに何か違和感を得ていた。
・・・一体何を気をつけるんだろう？うっかりスロットで天井まで回さないようにしろってことか？それとも他の女に騙されないようにしろってことか？
でも今は素直に受け入れられる。
「・・いつも気にかけていてくれるんだな」なんてね

「たまには他のことも考えろ！」と思う日が来ないように気をつけよう！

友達の誕生日

電話でたどたどしく日本語を読んでいる。どうやらアテに教わって書き留めているようだ。
「やきど（火傷）はだいじょーぶですか？」
「わたしかわりしたいです」
・・・なんてかわいいやつなのだろう！
さて、昨日は友達の誕生日であった。47年も無駄飯を喰っている男で、なんら社会の役に立たない男だが友達だからしょうがない。その彼がお店に行くと聞いたので、彼女に「マリガヤン・カワアラワン！」を伝えて欲しいと頼んだ。後で知ったのだが彼女はショータイム中に依頼を実行したらしい。なかなかのエンターテイナーだ！

ヤキニク屋にて

チェーン店の焼肉屋は休日という事もあってファミリーで一杯だ。
「わたしいんらぶになったよ」
私の手を握りそんなに見つめられても・・・
まわりの家族連れがチラチラとこちらを見ている。たしか前回この店に来たのは3ヶ月ほど前の平日で、当時の彼女とその娘が3人。年齢的にも人数的にも見た目マッチしていたと思う。
しかし、今回は親子ほど年が違う。
しかも6人がけの席に隣り合って座り、おまけに食べさせてもらったりしている。
・・・介護を受けているようには見えないから、ほぼ全員が顔をそむける光景だ。
同日同店で不幸にも私の近くに座っていた皆様には心よりお詫びします。

ギフト

「かみさまにありがとうする」
・・・日曜だから教会に行くんですね。休日の早朝の電話は理解するまでに少し時間がかかったが、どうやら焼肉の神様に祈るのではないことはわかった。
「にほんきてかみさまぎふとくれた」
・・・理解するのに今度はもう少し時間がかかった。
「ギフトってぇオレのことですかぁ？！」

・・・ギフト＝贈り物＝お金＝お金をくれる人ってことですか！
最近、特に猜疑心の強くなった私はＪちゃんの言葉を素直に受け取れない。いつだってそうだ。悪魔は常に無邪気な笑顔でささやくものだ。
私は手を合わせ「神様どうか私を酷い目に合わさないで下さい」と祈り、また眠りについた。

人の話

久しぶりにパチンコなんてやると3000円で3箱出る。ムムちゃんありがとう！私は心の中で手を合わせ愛しいＪちゃんの所に急行する。（ムムちゃんに関係なく行ったとは思うけど・・）
先ず昔馴染みのアテがついて「彼女（前の）何があったの？」と聞くから「別れた。新しい恋の邪魔をするな」と釘をさす。それにしても流暢な日本語だ。
さて、愛しのＪちゃんだがお話をする時に恥ずかしいくらいに人の顔を見る。
「あこ、にほんごよくわからないだから」
人の話を聞こうとする真剣な態度がとてもいじらしい、いじらしい、いじらしい！
人が大事な話をしているのに「あーねむい」なんて言いながらメークを落としている奴とは大違いだ！・・・だから別れたんだよ！
不肖○○、バカオヤジの名誉にかけて君のために銀のよろいだろうがミッキーの耳だろうが何でも着よう！かぶろう！
明日は同伴だ！！

我慢しろ！

昨日はスロットで4回連続でお化けを引かされただけで終了してしまったので、すごすごと家に帰る。気がつけばワンセット分以上負けているではないか！後悔と自責の念に駆られ（Ｊちゃんゴメンネ！）なかなか眠れなかった。（単に暑く寝苦しかっただけとも言えるが）
目覚ましに起こされ眠い目をこすっていると電話が鳴り出す。
「おはようございます」
「マガンダンウマーガ。まだ寝てないの？」
「あなたのかおかんがえていたらねむれないよぉ」
・・・ネクタイを結ぶ手が止まり、一瞬仕事を休もうかとも思った。
「こえきけたからいい。きをつけてしごと」
「今は我慢しろ！俺！」
私は軽くなった財布をポケットに入れ、ネクタイをきつく結びなおした。

バカオヤジ

稀にみるバカオヤジである。フトコロが不安で昨日回避したばかりなのにもう我慢できない。気を静めるためにスロットに行くと20000円走って21500円取り戻す。へのツッパリにもならない1500円勝ちである。しかーし1500円勝ったことより21500円出たことだけに着目し可愛いＪちゃんに会いに行くことにする。
「あいたかったよぉ」
「何飲む？ワイン？何でも好きなものを飲みなさい！」
「いつでもあいたいなんだよぉ」
「週末には美味しいもの食べようね！」
この調子で突っ走っているとすぐにガス欠になりそう・・・・

留守電

留守電にメッセージが3件
「きのうありがとねたのしかったよぉ」
「いつもからだにきをつけてね」
「あいたいよぉ」
のセットが3回だ。・・・初来日の際に「挨拶」として教え込まれた九官鳥言葉の連続が嬉しくてたまらない！しかしながら昨日はフトコロが不安だったので、家に帰るとすぐに酒を飲んで寝た。フトコロに不安がなかったら当然行っていたということだ

すでにレブリミットである！週末には焼肉だ！

嘘でもいい！

久しぶりに聞く
「あいたいよぉ」に何だか嬉しくなって出動する。行けば大歓迎で
「あなたハンサムだからむねがドキドキしちゃう」だって！
ボラボラでもシヌガリンでもかまわない！そんなこと言われたらここ半年伸びることもなかった私の鼻の下はどこまでも伸びていく。自分で言うのもなんだがすっかりデレデレのバカオヤジだ。
「一緒に焼肉を食べに行こう」と誘えば
「やきにくってなに？」だって！焼肉屋で
「とりあえずレバ刺しね！」なんてメニューを見る前から注文されていた悪夢のような日々は一体なんだったのだろう？こうなったらとことんいい客＝バカオヤジになってやる。
急にスロットルは全開だ！

原点回帰

ＰＰで遊びなれたオヤジから来日したばかりの若いタレントを守ることは元来先輩であるアテの仕事である。通訳をしたり同伴に付き添いながら一子相伝の技を伝えていくのだ。そういう意味でも初めに良い師匠につくことは大変重要なことだ。
さて、最近出会ったばかりの彼女はただでさえ若い上にベイビーフェイスだから周りのアテのみならずお店のスタッフもさぞ心配なことだろう。でも心配は無用だ。私は良いお客さんのままサヨナラを迎えたいと思っている。週に一度程度お店に行き飲み、食べ、歌い、踊り、できればアテ付きでもいいからディズニーランドに行きたいと思っている。
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