チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

團伊玖磨の行きつけの酒場・千代菊と交響詩「長良川」(1976年)

2018-02-17 23:21:09 | 日本の音楽家

月刊食堂別冊『居酒屋』(1976年)より作曲家・團伊玖磨(1924-2001)の行きつけの酒場、千代菊(東京・八重洲)です。



團さん(右)のとなりは千代菊株式会社の当時の社長・坂倉文吉氏。

團伊玖磨氏と坂倉文吉氏との付き合いは、坂倉氏の叔父で建築家の坂倉準三(1901-1969)が團氏の父の團伊能(1892-1973)に大変可愛がられていたということもあり、千代菊の醸造所がある長良川で一緒に鵜飼いをしたのがきっかけ。

坂倉文吉氏の依頼で團伊玖磨氏は1976年にソプラノ・ソロと管弦楽のための『長良川』(詩は江間章子、えま しょうこ1913-2005)を作曲しました。お酒の良い香りが立ち上ってきそうな曲なので聴いてみたいです。

千代菊は歴史的には関ヶ原の戦いの直後に創業され、長良川、木曽川の地下水脈から汲み上げた水に美濃の豊かな米を加え作られているということです。

ちなみにネットで調べた限り八重洲の居酒屋千代菊はどうやらすでに閉店?



2 コメント

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ふたたび。 (Edipo Re)
2018-02-19 08:46:36
江戸の昔からの流れで戦前までの東京では灘五郷の下り酒が圧倒的な勢力を有していて、今でも老舗と言われる飲食店が灘の生一本に拘っているのはその故なのですが、それでも'60~'70年代の地酒ブームで勢力図にいささか変化が生じ、同じ頃に多くの地方の蔵元が東京での更なる販路拡大を狙って直営店を続々オープンさせたと仄聞しています。ほとんどは家賃の高い銀座などを避け神田、八重洲、新橋、新宿辺りに出店し現存する店も少なくないかと。
さて千代菊ですが、八重洲の店は知りませんでしたが記事と同じ頃、今も六本木や銀座で盛業の田舎家なる高級炉端焼店(!)のCMで「酒は千代菊!」と高らかに謳っておりました。蔵元と何か関係ありかも。またまたCMネタでスミマセン。
また團伊玖磨氏ですが「パイプのけむり」でチマチマした懐石などは面倒臭く、お造りも椀物も炊き合わせもみんな御飯に乗せて食べたいと書いておられたのを記憶しているのですが、お家柄と相違して庶民的な店を好まれたのかも。店名は失念しましたが半蔵門~番町辺りに氏や各界の名士の皆さん行きつけのお茶漬け屋があったと小耳に挟んだ覚えが。和風サロンみたいな処だったのでしょうね。
転居以来ささやかな蔵書の大半を近所のトランクルームに段ボールごと詰め込んだままなので、記憶頼みの不確かな情報ばかりで申し訳ありません。今後も更新を鶴首しています…。
Re: ふたたび。 (チュエボー)
2018-02-22 16:13:38
Edipo Reさま、いつもありがとうございます!

> ほとんどは家賃の高い銀座などを避け神田、八重洲、新橋、新宿辺りに出店し現存する店も少なくない

そうですか!直営店系を見てまわりたくなります。それと最近はきれいな店ももちろん良いけど、木造のボロボロで食べ物や飲み物の匂いが染み込んだ店舗が人気?「田舎家」はいまもあるようですね。ホームページを見ると確かに高級で値段も高いです。

團伊玖磨氏は家系図を見ると本当にすごいお家柄ですね。当時作曲家になるには才能だけではなくお金持ちでないとダメだったんでしょうか。「パイプのけむり」、いつかまとめて読んでみたいです。

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