チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

ブダペスト四重奏団が1952,54年と続けて来日したワケ

2014-05-27 21:55:46 | 来日した演奏家

あのブダペスト四重奏団が、1952年の秋に来日公演したばかりなのに、翌々年の1954年1月にはもう再来日しています。ポール・マッカートニーっぽ?

↑ネット上でも有名な、映画『ゴジラ』(1954東宝)のDVD本編が始まってから4分後に映るチラシ。「再度来日」の字が見えます。


矢継ぎ早の再訪にもかかわらず、54年2月2日(火)、3日(水)の日比谷公会堂は両日とも満席だったそうです。このへん、室内楽という地味な分野にも興味を持っていた当時の日本のクラシック・ファンには尊敬の念を禁じ得ません。

特に公会堂の第二夜は「現代音楽特集」として、バーバー、バルトーク(6番)、ミヨー(12番)のすべて日本初演という意欲的なプログラムだったらしく、招聘元のNHKもなかなか味なことやってくれてたんですね。今からするとあんまり現代音楽っぽくないしむしろ楽しそうですけど。

ところで52年、54年とたて続けに来日したのにはワケがありました。
なんと、1952年来日巡演中、岡山で第1ヴァイオリンのヨーゼフ・ロイスマンが、9月12日、演奏会を終えた帰途自動車をよけようとしてドブへ落ち、左手首の骨にヒビが入ったので予定を打ち切って14日朝に帰京、ロイスマンは聖路加病院で入院治療、快癒まで1か月の静養が必要と診断され、24日には本拠地のアメリカへ帰ってしまったらしいのです(週刊朝日昭和29年2月7日号及び音楽之友昭和27年11月号)。【※↓1952年来日公演日程・曲目】
翌々年の来日はいわばその埋め合わせだったんですね。

「ロイスマンが怪我をしたということで私達(日本側の関係者)は心配して、医者を呼ぶとか、あらゆる手を尽せるだけやりたいと大騒ぎしてやっていると、他の3人は至極のんびりと写真を撮るとか、そこらを歩き回ったりしていたらしいです。そして我々が非常に心配しているのを見て、お前ら何をそんなに心配するのかと言われる。これからの演奏のこともあるし、やはり四人のうち一人でも怪我をすると、演奏の面でもあなた方はお困りになるじゃないかと言ったところが、彼らはロイスマンは彼自身の不注意で怪我したのだから、そんなに心配する必要はないと言うのですね。」(音楽之友昭和29年2月号石坂圭三氏の発言)

日本人なら「切腹もん」って考えても不思議じゃないですよね。それにしてもヴァイオリニストにとって、左手首ってかなり大切そう。。大事に至らなくてよかったです。

一番左がロイスマン(Joseph Roisman, 1900-1974)

 

↓『音楽芸術』昭和29年4月号より。

 

※1952年ブダペスト弦楽四重奏団演奏会日程(音楽之友昭和27年10月号より)


9月1日(月)東京 日比谷公会堂 Aプロ
   2日(火)東京 日比谷公会堂 Bプロ
   5日(金)名古屋市公会堂 Cプロ
   7日(日)大阪産経ホール Aプロ
   8日(月)大阪産経ホール Bプロ
 10日(水)京都公楽会館 Cプロ
 12日(金)岡山市公会堂 Cプロ

(以下中止)
 14日(日)広島東洋座 Cプロ
 16日(火)福岡 電気ホール Cプロ
 21日(日)仙台 市公会堂 Cプロ
 23日(火)札幌 市民会館 Cプロ
 28日(日)東京 日比谷公会堂 ?プロ
 29日(月)東京 日比谷公会堂 ?プロ

Aプロ
1.モーツァルト 第17番
2.シューベルト 死と乙女
3.ドビュッシー 弦楽四重奏曲
4.バルトーク 第2番

Bプロ(ベートーヴェン・プロ)
1.ラズモフスキー第3番
2.ハープ
3.第16番

Cプロ
1.モーツァルト 第17番
2.シューベルト 死と乙女
3.ドヴォルザーク アメリカ
4.ベートーヴェン ラズモフスキー第3番

 

(追記)『音楽之友』1952年12月号41ページの「ラジオ音楽評」にこんなことが書いてあります。

「ブダペスト弦楽四重奏団の9月18日夜の第二放送は第一ヴァイオリン奏者が不幸にも手に負傷した為に弦楽トリオの形としてしかきけずまことに残念だった。」

。。。これって、やっぱり第一ヴァイオリンなしの三人で四重奏曲を演奏したのを放送したってことですよね!? マージャンじゃないんだけど? どんなんだったか聴いてみたい。

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