「ああ、四兆円オリンピックか」
Nが吐き捨てるように言った。
「Nさん、金の話より前に宮城でボート競技を開催する意義を世界発信してよ。あなたのグールグブログは世界のリーダーが読むからねえ」
仲間がNにこう言う。
「ホントだねえ、宮城開催に反対する人が多いからなあ。でも宮城で開催したら盛り上がると思うよ。それに世界に対する日本の信用度が増すだろう」
Nが仲間に微笑む。
「近日中に一筆書いてくれるよね。アメリカの大統領候補も読むだろうからねえ」
「うん、近日中になんとかする」
二人はガッチリと握手した。
「宮城で開催する経済効果は計り知れないものがある。東京オリンピックの後、世界の人々が宮城を訪れるようになるだろうね。それには企画が必要だ」
Nがニヤリと笑う。
「Nさんは昔の恋人にそっくりな小池百合子東京都知事を助けずにはおれないからねえ」
この仲間の言葉にNは苦笑してものが言えなくなった。
*この物語はフィクションです。