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人生3分の2が過ぎた。気持ちだけは若い...

「あまちゃん」の大震災

2013年09月02日 | Weblog

本日放送のNHK朝ドラ「あまちゃん」は、くしくも2年前のあの大震災その日。
ボクは、テレビは最近、ほとんど観ないのだが
朝食時にあるこのドラマだけは毎日観ている。

あの震災からもうすでに2年半近くが経過したのだ。
脚本家のクドカンは、震災当日のリアルな映像を全く使わず
見事に、出演者の表情だけで、この震災の大きさを表現した。
見事の一言に尽きる。
彼の演出は、駄洒落や言い回しが独特で、年配のボクらには
ちょっとした違和感を覚えたりするのだが
今日のドラマを観て、ボクは彼に一票入れたい気になった。
実際のところ、震災を表現するにはリアルな映像を使うのが
手っ取り早いと思うのだが、もうトラウマのようになった
あの毎日毎日テレビで繰り返し流された映像は、ボクも見たくは無かった。
クドカンは、テレビのニュースを観る出演者の表情や
夏ばっぱの村のジオラマなど、一見ちゃちな模型を使って
ボクらにあの震災の映像を喚起させることに成功した。
こちらのほうが実写の映像よりもずっとリアルだった。

ドラマ的には、主人公のアキがデビューしてもう終わりなんじゃないかと
思っていたところだったが、放送は9月いっぱいまであるので
このあと、どんな展開があるというのだ?と思っていたが
そうか、この震災があったのだと気づいた。
このドラマが始まった頃、ボクは「八重の桜」に続いて
NHKはまた、東北舞台のドラマかよと、ちょっと政治的な配慮の臭いを嗅いだのだが
実際、ドラマが始まって岩手の三陸海岸の寒村の海女さんが主役の観光ドラマだと思って
あまり観る気もなく観ていたのだが、アキが東京に戻ってから俄然面白くなった。

たぶんドラマ的には、またアキは岩手に戻ると思うのだが
クドカンは、福一の原発の問題をどう扱うのだろう?
三陸に戻って海女の仕事に就くにしても、海の汚染の問題が残るはず。
ボクとしては、そこのところは曖昧にして欲しくはない。
直接的な表現は難しいかもしれないが
これだけの脚本を書ける人であり、出演者も
灰汁の強い、個性的な役者が揃っているのだから
たとえNHKドラマと言えど、何か一手打って欲しいものだと思う。

それにしても実際のところ、復興の進み具合は如何なものか?
あれだけ騒いだ瓦礫の処理問題も、もう片付いたのか?
「瓦礫の処理なくして復興無し」と連日のように騒いでいたマスコミは
いま、何をどう思っているのか?
まだ瓦礫の問題は残ったままなのか?
それとも瓦礫の処理は済んだが、それでも復興に手が付かないのか?
毎日くだらないドラマやワイドショーやお笑い番組ばかり垂れ流すくらいなら
ボクとしては、たとえ数十分でも良いから、震災後の現状のレポートを
続けて欲しいのだが、またそれがマスコミの使命であると思っているのだが
ジャーナリズムをかなぐり捨てたマスコミにこんなことを言っても詮無いとも思うが。

瓦礫処理の問題では、市民の反対を押し切って進めた我が北九州市も
その後の復興への関係はどうなっているのか?
具体的に何をやっているのか?
瓦礫の含有放射性物質に関しての疑問など、おざなりの説明会を開いただけで
なんら真剣な議論も無く、また誰一人市議会議員で疑問を呈した者もなく
市民の間に亀裂を深めてまで行った強制執行的な
瓦礫の処理はもうとっくに済んだはずだが、その後の経過は解からないままである。

時々催し物で見かける役所関係者のTシャツの「絆」の文字が
ボクには、とっても白々しく見える。


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