hiroのおくすり手帳

元薬剤師で、現在障害を抱えながらも、
誰かのお役に立ちたい、
そんな想いのお薬のブログです^^

貼り薬について

2011年07月23日 | 市販のお薬「貼り薬」
<各医薬品の定義について>



・貼り薬とは・・・?



貼付剤とも呼ばれ、貼り薬と同じ意味です。



患部に貼って治療を行うものであり、一般用医薬品では筋肉痛、肩凝り、打ち身、捻挫など筋肉の炎症を治療する目的の物が多いですが、医療用では喘息など呼吸器疾患に用いるものもあります。



また、外用薬は次のように分類できます。



1)パップ剤



パップとはオランダ語で『のり状の薬剤を貼り付けて治療を施す罨法(あんぽう)のこと』で、ハップ剤とも呼ばれます。薬剤に水分を多く含み肌への刺激は弱い一方で、厚みを伴い患部から剥がれやすいのでテープや包帯を併用する必要があります。



2)プラスター剤



プラスターとは硬膏(こうこう)のことで、パップ剤とは構造が異なり脂溶性の高分子の基剤に成分を含んでおり、水分は含まれておりません。このことから、主に温熱療法に用いられます。



また粘着力が強いので、大きさも親指大ぐらいからあります。
(良く用いられる「シップ剤」と言うのは、パップ剤とプラスター剤を併せた呼び方です。
シップ剤はその支持体の材質と作用範囲から両者に分かれるそうです。)



○「基剤」とも呼ばれ、その形状をつくっているもので薬剤(有効成分)ではない成分のことです。
例えば、液体の薬であれば基剤は水(精製水や滅菌精製水など)、軟膏であればワセリンなどを指します。



3)テープ剤



プラスターより更に薄型の貼付剤です。剥がれにくいものもあります。医療用で用いられることが多く、吸収性に優れることから、フェルビナク製剤の貼り薬テープ剤が主流です。



フェルビナクとは、非ステロイド系の抗炎症剤です。これまではインドメタシンと言う成分(同じく非ステロイド系の抗炎症剤)が主でしたが、フェルビナクはインドメタシンに比べ、1.2倍皮膚からの吸収が良いと言われているので、良く用いられています。



4)パッチ剤



極めて薄いシール状になった小型の薬剤で、口腔、舌、皮膚の炎症部に貼付します。患部の治療だけでなく、患部を保護する目的もあります。



冷シップは、保湿性に優れた基材に消炎鎮痛薬と天然ハッカ(メントール)など冷感刺激のある成分を加え、冷たくスースーした感じがあります。



また、温シップトウガラシエキスなど温感刺激がある成分を加え、温かく血管を広げ患部の循環を良くする効果があります。



冷やした方が良いか温めた方が良いかは症状によって異なり、急性の炎症や痛みを伴う場合には冷シップを、慢性化して炎症がなくお風呂などで温めると楽になる様な場合は温シップを使います。

頭痛薬について

2011年07月11日 | 市販のお薬「頭痛薬」
<各医薬品の定義について>



・頭痛薬とは・・・?



頭痛薬とは、頭痛の症状を緩和する医薬品のことです。
解熱鎮痛作用を持つものが多い「風邪薬」と似ている部分があると思います。



しかし、だからと言って頭が痛いだけの時に風邪薬で済まそうとするのは辞めて下さいね。
(また、風邪の時も同様に頭痛薬で済まそうとはしないで下さい。お互いに代用ができるわけではありませんので、「頭痛の時は頭痛のお薬」を、「風邪の症状に伴う頭痛には風邪薬」をきちんと服用して下さい。)



風邪薬(特に総合感冒薬)は微熱、頭痛、発熱、悪寒、鼻汁の過分泌、咽頭痛、咳、声枯、食欲不振、下痢、嘔吐、筋肉の痛みなどと言った風邪(風邪症候群)の諸症状の緩和に効果を出すように、解熱剤(解熱鎮痛剤)・鎮咳去痰薬・抗ヒスタミン剤などを複合した医薬品です。



特に、抗ヒスタミン作用を持つものは服用後眠くなることがあります。



もしも、抗ヒスタミン成分を含む風邪薬を頭痛薬の代わりに飲んでしまった・・・という場合は、
車の運転や高い所での作業は是非、控えて頂きたいと思います。



頭痛薬の中には生薬を含む製品もあり、ケロリン[成分:アセチルサリチル酸600mg・無水カフェイン60mg・ケイヒ末60mg、一包800mg。添加剤としてバレイショデンプンを含む]という医薬品には、体を温める作用・発汗・発散作用、健胃作用を持つケイヒ(シナモン、スパイスの仲間です)が含まれております。



ハッキリエースa[成分:アセトアミノフェン690mg・エテンザミド690mg・カフェイン水和物225mg・シャクヤクエキス150mg(原生薬換算量600mg)・メタケイ酸アルミン酸マグネシウム459mg。添加剤として乳糖水和物などを含む]という医薬品などにも、シャクヤクと言う消炎・鎮痛・抗菌・止血・抗けいれん作用がある物が含まれております。



シャクヤクは漢方ではポピュラーな生薬で、葛根湯、十全大補湯、芍薬甘草湯、大柴胡湯、当帰芍薬散など多くの漢方方剤に配合されています。

5.「のど(咳・たん・のどの痛み)」に効く薬とはどんなもの?

2011年05月18日 | 市販のお薬「風邪薬」
○のどの症状は、咳や痰がでるという症状と、
腫れや痛みがひどい症状
と大きく二つあります。
咳や痰の場合は、咳を止めたり痰が絡むのを抑えてくれる効果の高いものを選びましょう。
また、腫れや痛みがひどい場合は解熱鎮痛薬や炎症を抑える効果があるものが良いそうです。



・咳を鎮める成分:塩酸メチルエフェドリン等は気管支を広げる作用もあります。
(リン酸ジヒドロコデイン・リン酸コデイン>[気管支ぜんそく発作中の患者様には禁忌です。もともと便秘がちな方はその悪化に、眠気やめまいにもご注意下さい。]、
臭化水素デキストロメトルファン、クエン酸チペピジン、塩酸ノスカピン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸メトキシフェナミン等)





・たんを絡まりにくくする成分:たんが切れ易くなります。
(塩酸ブロムヘキシン、カルボシステイン、グアヤコールスルホン酸カリウム、塩酸メチルエフェドリン[咳・たん双方に作用]、
塩化リゾチーム[鼻やのどの炎症を鎮め、たんも切れ易くする]等
)




・のどの炎症を抑える成分
(塩化リゾチーム[卵の卵白由来の成分です。
卵白アレルギーの患者様は強いアレルギー反応<アナフィラキシーショック>を起こすことがあり、大変危険です。絶対に控えて下さい!]
トラネキサム酸、イブプロフェン [解熱鎮痛作用]等)




・のどや口の中の殺菌・消毒をする成分:うがい薬、トローチ等に含まれております。
(ポビドンヨード、塩化ベンザルコニウム等)




 
○こうして見ると成分だらけでこんがらがってしまいそうですが、
ベンザブロックという製品のように「鼻の症状が辛い方(黄)」「特にのどが辛い方(銀)」「特に熱が辛い方(青)」等、
詳しい成分やその働きまでは把握出来て無くてもお客様、患者様が選びやすいように分類分けしてあるのもございますので、
興味がありましたら是非手にとって見てみて下さいね。



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4.「発熱(熱、関節の痛み)」に効く薬とはどういうもの?(胃を保護してくれる成分と総括)

2011年05月15日 | 市販のお薬「風邪薬」
お薬というと、やはり胃が荒れるということを心配される方も多いですよね。


では、胃を保護してくれる成分を含む薬とはどういったものでしょうか?


薬の作用によって荒れやすい胃を保護してくれる物です。
バファリン[成分:アセチルサリチル酸330mg、ダイバッファーHT(合成ヒドロタルサイト)100mg]
と言う製品中のダイバッファーHT等制酸剤(胃酸の分泌を抑制してくれる)を含む成分が当てはまります。





さて、何度かに分けまして、「発熱(熱、関節の痛み)」に効く薬について書いてまいりましたが、

○商品によって書いてあることは違いますが、服用が長期化するようであれば医療機関への受診を強くお勧め致します。

服用することにより胃に負担を掛けていることもありますし、別の病気(インフルエンザ等)である可能性もあるからです。
またお薬中の成分による眠気が気になる場合は、薬局・ドラッグストアの薬剤師に「眠くならない風邪薬はありますか?」
と尋ねてみるのが早いと思われます。


みなさんの風邪薬選びのひとつの参考になりましたら幸いです^^


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3.「発熱(熱、関節の痛み)」に効く薬とはどういうもの?(鎮静作用を含む薬)

2011年05月14日 | 市販のお薬「風邪薬」
鎮静作用を含む薬とはどんなものでしょうか?




鎮静作用を含む薬とは、気持ちを和らげ、落ち着かせてくれる鎮静剤を含む物です。



イブA錠[成分:イブプロフェン150mg、アリルイソプロピルアセチル尿素60mg、無水カフェイン80mg(2錠/回)]
と言う製品中のアリルイソプロピルアセチル尿素



ナロンエース[成分:イブプロフェン144mg、エテンザミド84mg、ブロムワレリル尿素200mg、無水カフェイン50mg(2錠/回)]
と言う製品中のブロムワレリル尿素等が当てはまります。



これらは眠気も誘う作用もありますので、それを和らげる為と頭痛を和らげる目的で
無水カフェインと言う成分が含まれております
(弱い解熱作用もあります)。
尿素系の鎮静剤は抗ヒスタミン作用ほどの眠気ではないですが、
薬の効き方には個人差がありますから服用後に車の運転や高い所での作業をされる方はお気を付け下さい




○ピリン系・非ピリン系の両方の商品に含まれますイブプロフェン鎮痛作用は強く、
比較的胃を荒らす作用が少ない優秀なお薬
です。

逆にアスピリンは鎮痛作用を持つ物の中では胃を荒らし易いそうです。
しかし、該当成分を含むバファリンは胃を保護してくれる成分を含むことで
とても「胃に優しい」お薬になっています。



ここで幾つか挙げましたお薬だけでなく他の商品も良い物が沢山ありますので、
もし興味を持たれたら是非お薬の成分にも着目して下さいね。きっとより良いお薬選びの手助けになることと思います。


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