【計23億円、住民に突然請求 神戸の区画整理「清算金」】
神戸市東灘区の住宅地の地権者1032人に先月、市役所から「清算金」の支払いを求める通知書が一斉に届いた。半世紀近く前から続く土地区画整理事業に伴う手続きで、請求額は1人平均約231万円にのぼる。なぜ、こんなことが起こるのか。
◇
「土地区画整理法の規定により、換地処分をします」
阪急御影駅近くの一戸建てに住む女性(62)は先月17日、配達証明郵便で市長公印の入った「換地処分通知書」を受け取った。「清算金明細書」の部分を読むと、「徴収」の欄に120万2350円とあった。清算金として120万円余りを払えという意味だ。
女性宅がある「東灘山手地区」(81ヘクタール)は、山手幹線などを整備する神戸市の「土地区画整理事業」の対象地区で、計画決定は1965年にさかのぼる。市の施行としては戦後最大(戦災復興と宅地造成除く)の面積となる約3千筆の宅地整備が終わり、個々の清算金の額が確定したのは昨年12月28日。半世紀近くかかった理由について市は「面積が広く、地権者が多かったから」と説明する。
地権者に初めて清算金の額が公開されたのは、その1カ月前の11月。女性が区内の施設で閲覧すると、所有地にかかる徴収金額が約120万円となっていた。しかし、積算根拠の説明はない。女性は「根拠を示して欲しい」との意見書を市に提出したが、12月に「あなたの意見は採択すべきではないと認めます」と書かれた文書が返ってきた。1月17日に受け取った「換地処分通知書」にも積算根拠は示されず、その後の問い合わせにも市から回答はない。
女性の自宅は95年の阪神大震災で全壊し、25年間の住宅ローンを組んで再建した。女性の夫(62)は「住宅ローンに加え、120万円の出費は痛すぎる。明細を見せずに巨額の請求をするのは、大阪府の橋下徹知事が言っていた『ぼったくりバー』と同じではないか」と話す。
地区に住む年金生活の男性(77)は区画の整形のために所有地の13%が削られたが、63万円を支払うよう通知された。「金額の根拠を求めても、市役所の計算に基づいてやっているとしか言われない。土地を取られて金まで取られるなんて納得できない」と言う。
◇
神戸市によると、東灘山手地区で清算金を徴収されるのは、6091人の地権者(法人含む)のうち1032人。徴収額は総額約23億8800万円で平均約231万円。徴収した清算金は評価額が下がった地権者4615人(抵当権者を除く)に分配され、平均約52万円になる。
区画整理では道路や公園の面積が増える分、宅地が削られる。今回は平均18.2%の宅地面積が減らされた。宅地によって削られる面積は異なり、この不均衡を地権者間で調整する手段が「清算金」だ。
清算金は、神戸市が路線価をもとに決める個々の土地の評価額が根拠となる。事業前の評価額は、区画整理がされない状態での現時点での価値に換算。事業後は「道幅が広くなったりして地区全体の住環境が良くなる」(市都市計画総局)ため、単価は事業前より全地点で高くなる。
単価が上がっても、土地が削られて評価額が下がった人には差額分が清算金として交付される。逆に、面積が小さくなっても、単価が上がった分、評価額が事業前より高くなり、清算金を徴収されることもある。
清算金の対象は事業完了時の地権者で、最近土地や分譲マンションを購入した人も含まれる。市は「売買時に重要事項説明で清算金の負担を決めているはず」と説明する。
市は昨年11月、清算金を示した換地計画案の公開期間を2週間設けたが、市役所などで閲覧したのは6091人のうち1020人(17%)だけ。地権者の多くは、清算金の額が確定した後の今年1月15日に発送された「換地処分通知書」で金額を知った。公開期間中に出された26件の意見書は、市職員OBと地権者で構成する土地区画整理審議会を通じてすべて不採択となった。今後、不服の場合は知事相手に審査請求をするしかない。
清算金は10年間の分割払いもできるが、支払わない場合は土地の差し押さえもあるという。神戸市の東灘山手清算推進室長は「手続きはすべて土地区画整理法などの法律や規則に基づいている」と説明。清算金の積算根拠を説明してもらえないとの住民の不満については「公開期間以降、地権者に詳しく説明している」と言う。(鈴木洋和)
◇
〈土地区画整理事業〉土地区画整理法にもとづき、宅地などの区画を整形して新たに道路や公園を造る事業。国土交通省市街地整備課によると、08年3月末時点で全国1302地区で進められている。兵庫県市街地整備課によると、阪神大震災の復興事業でも神戸、芦屋、西宮、尼崎、淡路の計5市13地区で実施され、12地区の事業が完了したが、清算金の徴収や交付の手続きは続いている。神戸市では過去に戦災復興の区画整理で52年かかった例もある。
◇
市街地の再開発や区画整理に詳しい専修大の白藤博行教授(行政法)の話 土地区画整理は一般市民の財産権を直接侵害するので、施行者には情報公開と十分な説明が求められる。しかし、土地区画整理法は事業を進める側に立った法律で、住民の視点が足りない。清算金の根拠を説明するように施行者に義務づけるべきだ。街づくりは行政と住民が協働して進めるという意識を、行政側はもっと持つべきだ。
(朝日)
ほぼ全文を引用しました。
『金額の根拠を求めても、市役所の計算に基づいてやっているとしか言われない。土地を取られて金まで取られるなんて納得できない』・・・
行政法、行政政策は全く知りませんが、単純に言うと、「決まったことだから質問は原則受付けません。不服があったり、お金を払わないなら出て行ってもらってケッコウ。」それってあり?
震災があり、一頓挫したかも知れんけど、事務処理に半世紀近くかかるというのは、行政の怠慢じゃないのか。
該当地域の辺り、長らく市有地として放って置かれた土地が、最近公園になったり、旧来の町名表示が改められたりという動きがあったのは、こんなことに起因してたわけのようです。
神戸市東灘区の住宅地の地権者1032人に先月、市役所から「清算金」の支払いを求める通知書が一斉に届いた。半世紀近く前から続く土地区画整理事業に伴う手続きで、請求額は1人平均約231万円にのぼる。なぜ、こんなことが起こるのか。
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「土地区画整理法の規定により、換地処分をします」
阪急御影駅近くの一戸建てに住む女性(62)は先月17日、配達証明郵便で市長公印の入った「換地処分通知書」を受け取った。「清算金明細書」の部分を読むと、「徴収」の欄に120万2350円とあった。清算金として120万円余りを払えという意味だ。
女性宅がある「東灘山手地区」(81ヘクタール)は、山手幹線などを整備する神戸市の「土地区画整理事業」の対象地区で、計画決定は1965年にさかのぼる。市の施行としては戦後最大(戦災復興と宅地造成除く)の面積となる約3千筆の宅地整備が終わり、個々の清算金の額が確定したのは昨年12月28日。半世紀近くかかった理由について市は「面積が広く、地権者が多かったから」と説明する。
地権者に初めて清算金の額が公開されたのは、その1カ月前の11月。女性が区内の施設で閲覧すると、所有地にかかる徴収金額が約120万円となっていた。しかし、積算根拠の説明はない。女性は「根拠を示して欲しい」との意見書を市に提出したが、12月に「あなたの意見は採択すべきではないと認めます」と書かれた文書が返ってきた。1月17日に受け取った「換地処分通知書」にも積算根拠は示されず、その後の問い合わせにも市から回答はない。
女性の自宅は95年の阪神大震災で全壊し、25年間の住宅ローンを組んで再建した。女性の夫(62)は「住宅ローンに加え、120万円の出費は痛すぎる。明細を見せずに巨額の請求をするのは、大阪府の橋下徹知事が言っていた『ぼったくりバー』と同じではないか」と話す。
地区に住む年金生活の男性(77)は区画の整形のために所有地の13%が削られたが、63万円を支払うよう通知された。「金額の根拠を求めても、市役所の計算に基づいてやっているとしか言われない。土地を取られて金まで取られるなんて納得できない」と言う。
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神戸市によると、東灘山手地区で清算金を徴収されるのは、6091人の地権者(法人含む)のうち1032人。徴収額は総額約23億8800万円で平均約231万円。徴収した清算金は評価額が下がった地権者4615人(抵当権者を除く)に分配され、平均約52万円になる。
区画整理では道路や公園の面積が増える分、宅地が削られる。今回は平均18.2%の宅地面積が減らされた。宅地によって削られる面積は異なり、この不均衡を地権者間で調整する手段が「清算金」だ。
清算金は、神戸市が路線価をもとに決める個々の土地の評価額が根拠となる。事業前の評価額は、区画整理がされない状態での現時点での価値に換算。事業後は「道幅が広くなったりして地区全体の住環境が良くなる」(市都市計画総局)ため、単価は事業前より全地点で高くなる。
単価が上がっても、土地が削られて評価額が下がった人には差額分が清算金として交付される。逆に、面積が小さくなっても、単価が上がった分、評価額が事業前より高くなり、清算金を徴収されることもある。
清算金の対象は事業完了時の地権者で、最近土地や分譲マンションを購入した人も含まれる。市は「売買時に重要事項説明で清算金の負担を決めているはず」と説明する。
市は昨年11月、清算金を示した換地計画案の公開期間を2週間設けたが、市役所などで閲覧したのは6091人のうち1020人(17%)だけ。地権者の多くは、清算金の額が確定した後の今年1月15日に発送された「換地処分通知書」で金額を知った。公開期間中に出された26件の意見書は、市職員OBと地権者で構成する土地区画整理審議会を通じてすべて不採択となった。今後、不服の場合は知事相手に審査請求をするしかない。
清算金は10年間の分割払いもできるが、支払わない場合は土地の差し押さえもあるという。神戸市の東灘山手清算推進室長は「手続きはすべて土地区画整理法などの法律や規則に基づいている」と説明。清算金の積算根拠を説明してもらえないとの住民の不満については「公開期間以降、地権者に詳しく説明している」と言う。(鈴木洋和)
◇
〈土地区画整理事業〉土地区画整理法にもとづき、宅地などの区画を整形して新たに道路や公園を造る事業。国土交通省市街地整備課によると、08年3月末時点で全国1302地区で進められている。兵庫県市街地整備課によると、阪神大震災の復興事業でも神戸、芦屋、西宮、尼崎、淡路の計5市13地区で実施され、12地区の事業が完了したが、清算金の徴収や交付の手続きは続いている。神戸市では過去に戦災復興の区画整理で52年かかった例もある。
◇
市街地の再開発や区画整理に詳しい専修大の白藤博行教授(行政法)の話 土地区画整理は一般市民の財産権を直接侵害するので、施行者には情報公開と十分な説明が求められる。しかし、土地区画整理法は事業を進める側に立った法律で、住民の視点が足りない。清算金の根拠を説明するように施行者に義務づけるべきだ。街づくりは行政と住民が協働して進めるという意識を、行政側はもっと持つべきだ。
(朝日)
ほぼ全文を引用しました。
『金額の根拠を求めても、市役所の計算に基づいてやっているとしか言われない。土地を取られて金まで取られるなんて納得できない』・・・
行政法、行政政策は全く知りませんが、単純に言うと、「決まったことだから質問は原則受付けません。不服があったり、お金を払わないなら出て行ってもらってケッコウ。」それってあり?
震災があり、一頓挫したかも知れんけど、事務処理に半世紀近くかかるというのは、行政の怠慢じゃないのか。
該当地域の辺り、長らく市有地として放って置かれた土地が、最近公園になったり、旧来の町名表示が改められたりという動きがあったのは、こんなことに起因してたわけのようです。











暴力団の取立てに匹敵するような・・・・・
これ、勿論、本当の話ですよね
4月1日でもないし・・・・・
神戸市って、神戸空港開港時のゴタゴタしたこととか、何かたまにヘンなことやります。
こないだ、表参道周辺の土地買収の記事が出てました。(※↓)
買取りでウマミがあるのなら文句はないでしょうけどね。
※東京・渋谷区の表参道地区周辺で、都の道路拡幅事業に伴う用地買収が急進展している。
事業は、表参道と交わる明治通り(都道)の渋滞解消策で、都心有数の一等地だけに、事業がスタートした2005年度当初は買収交渉が難航していた。ところが、最近は不況による地価下落が思わぬ追い風となり、買い取りに拍車がかかっている。