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「マクドナルドの価格戦略」

2007-09-21 16:44:19 | Weblog
「マクドナルドの価格戦略」

マクドナルドのハンバーガーが地域によって価格が違うのはご存知ですか?
ビックマックのセット価格は、640円、620円、590円、580円、560円と5段階に設定されています。

9月10日からも全国的にセット商品の価格を見直すとのことです。
県ごとに値上げ、据え置き、値下げとなんと9段階に区分されていて、大きく値上げするのは、東京、神奈川、大阪などで、値下げするのは宮城、山形、島根などです。

地域ごとに価格が違うのは、地域ごとに人件費や店舗の賃料が違うためですが、必ずしもそれらが安い地域が商品価格も安くなっているとは限らないようです。
東北で言えば、人件費・賃料ともに高い水準にある宮城県は値下げになっており、それらが安い秋田県が値上げになっています。

これは地域別の価格設定を行なうに際して、単純にコストをベースにするのではなく、各県での商品ごとの「顧客満足度」に沿って価格を設定しているからだということです。
「デマンドベースプライシンク」と呼ばれる価格設定手法です。

店の販売データを数年分さかのぼって分析し、商品ごとに価格の変動と販売実績の変動の関係性を抽出し、「売上ができるだけ高くなるよう」に商品ごとの価格を設定しているのです。

圧倒的な商品力に加えて価格に関しても高度な戦略を導入して最大の効果を上げる、ライバルや中小企業にとってはまったく困ったことです。

よく「ウチは中小企業だから大手のようにはいかない」という声を聞きます。
でもそんな考え方をしている限りその会社に成長はないでしょう。
厳密にいうと大手は中小企業にとっての競合先ではありません。しかしそれは、「大手がやっている努力をウチがしなくてもよい」ということではありません。
戦略の知識がないなら勉強すればいいし、いくらでもその機会はあります。

貴社のその価格にはどんな根拠があるのですか?そこに「戦略」はありますか?

ビジネスに「正解」や「絶対」はありませんが、「正解を見つける努力」がそれに近づく唯一の方法であることは確かです。

ご参考まで。



奈良の経営コンサルタント 橋本経営事務所 橋本嵩史 
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