この夏、ある一冊の本に出会い、はまってしまった!
「嫌われる勇気」岸見一郎・古賀史健著(ダイヤモンド社)2013.12.12刊
『人は常に「変わらない」という決心をしている』48~52P
殆どの人は「人の性格や気質は変わらない」と思っています。
アドラー心理学では、性格や気質の事を「ライフスタイル」という言葉で説明する。人生における、思考や行動の傾向です。
その人が「世界」をどう見ているのか。「自分」の事をどう見ているのか。これらの「意味付けのあり方」を集約させた概念が、「ライフスタイル」なのだと考えて下さい。
狭義的には「性格」とする事も出来ます。もっと広く、その人の「世界観」や「人生観」まで含んだ言葉になります。=「私は悲観的な性格だ」と思い悩んでいる人は、「私は悲観的な“世界観”を持っている」と言い換えてみる。
問題は性格ではなく、自分の持っている世界観なのだと考える。世界観であれば変容させて行く事も可能だ。
ライフスタイルとは、「生き方」「人生のあり方」という意味です。
アドラー心理学では、ライフスタイルは自ら選び取るものだと考えます。あなたはあなたのライフスタイルを、自ら選んだ(10歳前後)のです。
ライフスタイルが先天的に与えられたものではなく、自分で選んだものであるなら、再び自分で選び直す事も可能なはずです。
あなたは変われないのではありません。人はいつでも、どんな環境に置かれていても変われます。
あなたが変われないのは、自らに対して「変わらない」という決心を下しているからなのです。
少しくらい不便で不自由なところがあっても、今のライフスタイルの方が使い易く、そのまま変えずにいる方が楽だと思っているのでしょう。いわば、乗り慣れた車を運転しているような状態です。
一方、新しいライフスタイルを選んでしまったら、新しい自分に何が起きるかも解らないし、目の前の出来事にどう対処すればいいかも解りません。
未来が見通しづらくなるし、不安だらけの生活を送る事になり、もっと不幸な生活が待っているかも知れない。
つまり人は、色々と不満はあったとしても、「このままの私」でいる事の方が楽であり、安心なのです。
ライフスタイルを変えようとする時、我々は大きな“勇気”を試される。変わる事で生まれる「不安」と、変わらない事で付きまとう「不満」がある。
アドラー心理学は、勇気の心理学なのです。
※「アルフレッド・アドラー」(1870~1937年)フロイト、ユングと並ぶ「心理学の三大巨頭」とされ、世界の著名人に影響を与えた。現在のような不透明・不確実な時代だからこそ注目される「目的論の行動心理学」です。