あと少し。

先週のハードコアパンチングデイズを乗り切り、
土日を利用して何度も書き直した原稿を
朝一でデスクに提出。
いや、この瞬間というのが、緊張の極みで、
新人のころは、「なんやこれ、メモ帳かい」「だほ」と
叱られるのは折込済だったが、
文章を書くのが仕事になってもうすぐ１０年、とかになると、
もうすぐ１０年、というレベルを求められる。
多分、それは文章に美辞麗句がある、
という表面的なものではなくて、
簡潔に言えば、「へ～こんなこと知らなかった」と
うならせるポイントが多い、ということだ。

今朝の結果は
デスクの「へぇ」は散発的な感じで（涙）、
でも、まぁフレームワークはオッケーをもらったので（半喜）、
明日からテレビ東京本社で始まる編集作業を前に（半恐）
完成度を高めていこうと思う。

いや、今回は
これまでの生き方を反省し（大げさ？）
また新聞記者時代を思い出し、
「その日取材した原稿はその日に書く」という
大原則を守った…って宣言するのも何だが。

多分、
わたくしは人より都合の良いことも悪いことも忘れっぽくて、
だからここまで生きてこれたのだけれども、
ってこんなこと言いたいのではなくて、
あんだけ感動した、ってことも
時間が経てば忘れがちになるので（えっ？）
やはりその日に感動したこと、感じたことは
その日のうちに書くのが正解だと思うようになった
記者暦アバウト１０yearsな秋。
ずずず…とお茶なんぞすすってる場合ではない。
当たり前だよね。DAYONE　DAYONE　
と懐メロを歌ってる場合でもない。（あれ？歌ってたの、誰？）

要は、この土日は
その原稿をくっつけて、入れ替えて…てな時間だったので
ある意味、愉しかったってことだ。

そんな時間を過ごし、
昨夜、寝しなに見たNHKアーカイブス。
この番組は、名前の通り、
過去のNHKスペシャルなどを放映するのだが、
昨夜の番組は「ある商店」。
場所はなんとわが故郷・豊中の豊中駅近くの市場の話だった。

その市場は
高校時代の通学路で前を通っていたのだが、
いまは跡形もない。

昭和４０年代で
大型スーパーマーケットの登場で
不振に陥ったその市場も、
スーパーマーケット型の営業に切り替えようと、
市場自体をスーパー化にした（つまり集中レジを導入した）話だった。
話は、オープンして１週間かそこらで終わっていたのだが、
その後は、跡形もなくなったことが物語っている。

とはいえ、その市場が
「脅威」としていた大型スーパーマーケットは
駅前のイズミヤなんだけれども
そのイズミヤも当の昔に撤退している。

移ろう時代。
いや、でも泣けてきたのは、
そうした時代の潮目で
必死に抵抗して泳ごうとする
脂ぎったおっちゃんたちの姿だ。
結論から見れば、この試みは失敗なんだけれども、
その時点ではどっちに転ぶか分からない、
しかも家族を背負ってる以上、やるしかない、と
脂ぎったおっちゃんたちは
煙草を吸う姿さえ格好良い。

自分は、すでにある番組に
その番組のテイストに合ったような
原稿を書き、映像を作るのが仕事だが、
やはりゼロから作る人たちにはかなわない。
いつか、そんなゼロに立ち会ってみたい、とも思う。

それまでに
目の前の仕事をするしかない、と強く誓う。
振り返れば、
おっちゃんたちに泣かされ、
励まされ、
教えられた夜だった。

★関係者各位へのご連絡。
ということで明日から金曜夜まで
東京に連続滞在します。
御用の際は携帯か携帯メールへお願いします！