平尾台自然の郷野草勉強会

平尾台の自然と野草を見守り観察し
記録するボランティアのグループ。

野草勉強会本年度最終回

2010-11-10 | 野草の観察



天候異変と言われた今年
平尾台の野草も例外では無く、開花時期が予想できない
と言う野草観察会としては困難な都市となりました。

最終日は晴天に恵まれ青空の中
散策が出来た事が何よりの幸いです。




アリノトウグサ

一段と赤さを増した姿に日が差すと
周りの草花を圧倒した美しさです。



今年は開花が遅く数も少なめでした。




センブリ 「リンドウ科」

数も少なめ燃えるようなアリノトウグサの側でひっそりと咲いています。





センブリの写真を拡大してみますと
黄色の雄しべが美しい時期には雌蕊は閉じています。

雄しべが花粉を飛ばし背を向けると徐々に雌蕊が開いてきます
自家受粉を防ぐ自然の仕組みは観察するほどに面白いです。

センブリの蕊の周りの長い毛の中には密線があり、昆虫が蜜を探すのに手間取る
迷路の様な役目をしているようです。


もう一つセンブリです




イヌセンブリ

山の明るい湿地に生息
今年は殆ど確認できない程の、数株
此方も雄しべが黒く背を向けると雌蕊の先が開いて受粉の準備です。

イヌセンブリの長毛には小さな突起がある、また全草に
苦味が無く薬草にはならないので「イヌ」と言う名前が
付いたようです。


同じリンドウ科でもアケボノソウは
蜜を大胆に表面に盛り上がらせて歓待してるのに
対して、正反対の訳が知りたくなります。





キチジョウソウ 「ユリ科」

 
この花が咲くと良い事がある

このはなを植えている
家に良い事があると花が咲く。
どちらなのでしょう



ヤクシソウ 「キク科」

ハナヤクシと言われる葉を映してみました 花はヤクシソウと同じ
なのですが、葉に切れ込みがあり別種にみえます。

牧野図鑑で調べて見ますと[farma pinnatipartita Nakai]
ハナヤクシとしっかり記載されていました。

此方ではヤクシソウより少し早目に開花する様です。


ウメバチソウ 「ユキノシタ科」

先に書きましたがこのはなにも自家受粉を防ぎ
如何に子孫を残していくかの努力がみえます。

雄しべが5つ有り、一日に一本だけが立ち上がり花粉をまく
その間雌蕊の上でまるで蓋をするように他の雄しべは
自分の番が来るのを待っています。




同じ株から咲いてる花でもその時期はまちまちです
向かって左側の花は2本、右側は2本目が立ち上がろうとしています。

雄しべの周りに細かく分裂したものが「仮雄しべ」花粉を出さないのですが
植物に不要なものは無いとおもいますので、
多分ウメバチソウの花粉を媒介する昆虫の好きな
色、形なのではと想われます。





オカトラノオ 「サクラソウ科」

球形で永存性の萼に包まれて種子の旅立ちを
見守っているようです。




ウメモドキ 

花の実の観察でしたが今年は美を見る事ができました。
フィルドを何時もシッカリ観察してくださる
M氏のお陰です<感謝>




ヤマジノギク「キク科」

そう果を飛ばしてしまい一安心の
ノギクさんも明るい太陽に映えて美しかったです。




ススキ

今年の草原では、めっきり少なくなったススキ
逆光に映えて美しい輝きの中で勉強会は無事終了しました。


下見及び観察会で観察できた花

アオゲイトウ  セイヨウタンポポ アオビュ  センブリ
アカザ  テルミノイヌホウズキ アキノキリンソウ ネジキ(種子)
アメリカイヌホウズキ ノブドウ(実) アレチハナガサ ハイビュ
アレチマツヨイグサ ハキダメギク イナカギク  ハバヤマボクチ
イヌゼンブリ  ヒヨドリバナ イヌタデ  ホウライカズラ(実)
イヌビュ  ホソアオゲイトウ ウメバチソウ  ホソバツルノゲイトウ
ウメモドキ(実) ホソバノヤマハハコ エビズル(実) ミコシグサ(種子)
カラスウリ(実) ムラサキセンブリ キズタ  ヤナギアザミ
サネカズラ(実) ヤブマメ(種) サルトリイバラ(実) ヤマジノギク
サワヒヨドリ  ヤマハッカ シラヤマギク  ヤマラッキョウ
シロヨメナ  リンドウ

以上
観察参加者

石田 石田 桃坂 久保田 宮田 福西 野見山 釘宮 野村 河田 

松嶋 服部 鎌田 伊規須 つる田 井上 井上 山中 堤 木原(秀) 富永

鶴田(雅) 西尾 吉松 山崎 三原 森=27名

みなさまお疲れさまでした
沢山の方に平尾台の素晴らしい野草を知っていただき
保護もして行きたいと、始めた勉強会です。

多人数の観察会、野草にストレスを与えない観察の仕方を
試行錯誤しながら進めております。
各班の指導者として頑張ってくださる皆さま 参加者の皆さまのご協力に
よってより良い観察、少しの保護が出来ればと想っております。
ご協力ありがとうございました。

来年も草刈や保護作を設けて美しい花を何時までも
観察できるよう頑張りたいとおもいます。
ご協力ありがとうございました。


冬期休暇:11月中期~3月中期まで

コメント
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