これは、面白かった。
大の大人がたちが、同じ夢に向かって11人、北極海へホッキョクグマを探しにゆく冒険譚である。
この本の内容は、あべ弘士の趣味と道楽と放埒と、作家魂、画家魂が、満載なのである。
まず、装幀の懲りようにあきれる。
これは、装幀のカバーを、裏返したら現れる絵である。
カバーを外した、表と裏の表紙。
表紙を開くと、紙を無駄にしないというか、ソッコー、旅のスケジュールカレンダーの前半が、記されている。
当然、裏表紙の内側には、旅の後半スケジュールカレンダーが記されている。
そして、あべさん直筆で「驚いた!!」とマジックで書かれている帯で、私の名前に目隠しをさせて頂いて、その下に描かれているのは、シロクマ、なんとウンチをしている絵、である。(さすがだなぁ!)
この探検記は、旅の始まりから、画家の観察力、プラス、長年勤務した旭山動物園の飼育担当者としても観察力が、加わって、それはそれは、まさに驚き!の連発!!
ちょっといかにもワイルドネーチャー探検家を売りにしている芸能人が、北極へいく冒険話しとは、まったく違うのだ。
私は、動物にさほど、興味はないが、これはかなり面白かった。
そして、あべさんのひと言が、とても印象に残った。
「ホッキョクシロクマは、動物園のシロクマより首が長いので驚いた!」という言葉である。
自然界のホッキョクグマは、氷の下のアザラシを狙って生きているため、首が長くなるのだという。しかもこの温暖気候で、アザラシを捕獲するのも困難になり、餓死するホッキョクグマもいるというのだから、氷からひょいと現れるアザラシを狙って必死なのだ。首が長くなって当然である。
それに比べて、動物園のホッキョクシロクマは、時間がくるとたっぷり餌を与えられるので、安穏としていられるために、首も長くなるという必要はないというわけだ。
そのページが、こちら。
因みに、このペーパーウェイトは、画家&アンモハンターの高田三郎さんが、
北海道、日髙山脈の幾春別川でみつけたアンモナイト。
『こんちき号 北極探検記 ホッキョクグマを求めて3000キロ』は、絵も、文も、かなり、濃い。
圧倒的に楽しめることは、まちがいない。
<追記>
あべさんといい、高田さんといい、男って、60,70才という、いい年して、これだからね。
それでも、まぁ、そこそこ食べていけてるんだから、夢って、存外、捨てちゃいけないのかもね……と思うわたい、でした。
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