
さて、前回は「前編」として、北大路魯山人の器と食に対するこだわりから、「おもてなしのこころ」について考えました。今回は、どうして地域資源の再発見として、まっさきに「魯山人寓居址(いろは草庵)」をたずねたのかということを書いてみたいと思います。
昨年度、加賀商工会議所青年部が主催して、「経営革新かが元気塾」という勉強会が毎月開かれていました。北陸先端科学技術大学院大学教授の近藤修司先生が指導にあたられ、地元・加賀市で「自己改革」「組織改革」を志しているたくさんの方が参加していました。そこで出会ったのが山中漆器の喜八工房を営んでおられる酢谷喜輝さんです。
酢谷さんを一言で表現すれば、とにかく「熱い人」です。いろいろと説明するより、喜八工房のHP(http://www.kihachi-web.com/)にあるご本人の写真を見てください。山中塗りの器を見つめるこの真剣な表情!この酢谷さんは「喜八ブログ」(http://www.kihachi-web.com/kihachi/)というブログも開いています。酢谷さんのまっすぐな人柄が伝わってくる内容ですので、ぜひ一度お訪ねください。
私も時折、エネルギーを充電するため(?)このブログを拝見しています。今年の3月9日のブログのタイトルは「漆酒器で にごり酒」。いきなり酒瓶のアップから始まり、次においしそうな料理の写真が登場します。ここでその記事を引用すると・・・
通常、風呂上りはビールだが、今晩に限り、よく冷えたにごり酒を舌で転がしつつ喉に流し込む。程良い甘さと微炭酸が絶妙なハーモニーを奏でる。ウマい!ついつい呑みすぎてしまう。普段飲む日本酒よりアルコール度数が強い。そして味が濃い。プリミティブな酒だ。偉大な先人に思いを馳せながら呑ませていただいた。
いつも真剣な酢谷さんの表情が、ゆるんでいる様が想像されますね。さらにブログは続きます。純金箔や純銀箔の酒器に濁り酒を注いで楽しむ様子が、ぐっと迫る写真で紹介されています。
私は自制しないと、自宅で呑んでも二日酔いしてしまう。 しかし、漆塗りや箔を貼った酒器だと、呑むこと以上に酒器を愛でてしまうので、呑んだ量以上には酔わない。
私もアルコールは好きなのですが、あまり飲めない方なので、(最近は歳とともに、ますます弱くなりました)器に凝ってみるのも、酒を楽しむ一つの方法かと感心しました。ブログ上の写真もとてもよく撮れていますし、見ているだけで、心地よく酔った感じになれます。
最後に酢谷さんは一言。
これを機に、日本酒を掘り下げていきたいと思った。 大江山と喜八工房で何か面白いことができそうだ。
本当に、ぜひ実現できるといいですね。酢谷さんに刺激されて、私もさっそく正月に金沢・東茶屋街にある喜八工房のお店で求めた山中塗の菓子器と茶托を取り出してきて、家内と一緒にお茶の時間を楽しみました。

どうです?いつもの午後のお茶の時間が、ちょっと「和」のテイストを加えるだけで、贅沢な感じになった気がしませんか?
私はこの酢谷さんのブログを拝見して、前回私のブログで紹介した谷口龍人さんを思い出し、またかつて愛読していた『美味しんぼ』の海原雄山のモデルになったという北大路魯山人を思ったのです。魯山人が愛したように、ここ加賀の地は、他のどこの土地にも誇れるような「海や山のすばらしい食材」「山中塗や九谷焼などの素晴らしい器」「温泉という素晴らしい癒しの空間」・・・どれも旅の人を「おもてなしするこころ」にあふれた地域資源に恵まれているのです。
「地域経済の活性化」は、まず地元の「地域資源」を見直し、自分でも楽しむことから始めて行った方が良さそうですね。










